磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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『鎮魂の海峡』二冊

2008年01月05日 | 読書日記など
どちらとも、朝鮮人の友人のこと、そしてその背景をおった、同内容の本といっていいかと思います。


『鎮魂の海峡 消えた被爆朝鮮人徴用工246名』
  深川宗俊・著/現代史出版会1974年



原爆投下された直後の著者と朝鮮の友人。下「」引用。


「一九四五年八月六日朝、三菱西寮事務所には、朝鮮人指導員の盧聖玉(ロソンオク)という名の朝鮮人と私の二人きりであった。午前八時一五分、一瞬閃めく熱線に巻かれ、襲ってきた爆風に二人は打ちのめされた。--無音の静寂がつづく中で、突然盧聖玉が私の名を呼んだ。聖玉は私を呼びつづけた。わずか三メートル四方の事務所の中で、二人の声が互いに求めあっていた。」


『海に消えた被爆朝鮮人徴用工 鎮魂の海峡』
   深川宗俊・著/明石書店1992年

著者は詩人であり、被爆者です。被爆されたとき、朝鮮人といっしょだったという。その人を追うルポといっていいのではないでしょうか?



反日感情がおきそうなので、「日本人に殺されるより……」と、四人の朝鮮人をめった打ちにした朝鮮人……。そして、四人の釈放を勝ち得たという。

--これは親日ではないだろうなあーと思う。
同じようなことをしても、意味が違う場合が世の中にはある……。
それを利用して嘘をつく人もいる……。

「半島人収容所」というのがあったという。下「」引用。
「いまの祗園町の市営桟橋付近に木造の桟橋があって、これが朝鮮人の送出に利用されていた。-略-朝鮮人はバラックの収容所に入れられ、「半島人収容所」と呼んでいた。」

朝鮮人の知人とのことが書かれてありました。下「」引用。

「ひとりの朝鮮人柳在澤と、日本人深川宗俊の充実した時間がそこに存在し、対話は夜更けまでつづいた。」

行方不明だという、柳さんは246人の集団で返されたというが……。

深川は後を追う……。

船越村役場に勤めていた小田豊さん(73歳)は語る。下「」引用。

「ちょうど忙しい最中にえらいめにおうたもんですけえ、ほとんど老人がいって埋めてやったわけですたいね。年寄りですけん、海岸には待っていきますけれどもね。ちょっと山の中までは持っていかんわけですたいね。ずっと上までは持ってとらんわけですたいね」


清石浜の朝鮮人慰霊碑があるという……。


そして知人だけでなく、被爆した朝鮮人が帰らないという。帰ると手紙を書いたのに……。下「」引用。

「不幸中の幸いに負傷もせずに健康な生活を維持しております。ご安心下さい。故郷に還る日ついては確実なことはわかりませんが、九月二十日内外になることと思います。それは詳細については帰還後にすることにして、大空襲のおり私が健在であることを知らせ、ペンをおきます。
  昭和二十年九月九日    広島市南観音町 権寧瑾」

そして30年間還らず……。

「原爆犠牲者慰霊歌」
      尹石重(ユンソクチュン)作詞
      金泰鉉(キムテヒョン)作曲
      辛泳洙・訳詩

日本の国広島 長崎
原子爆弾に数多くの
同胞が命をなくした
戦争は終わっても
平和になっても

年ごとに心のいたみがある
他国にさみしく
怨念をもったみたまがいる
冥福を祈ろう

解放された祖国の
姿を見ることなく
原爆の犠牲になって
死んでいった兄弟よ
八・一五を目の前にした
この日をきもにめいじて
悲しみをわかちあおう
他国にさみしく
怨念をもったみたまがいる
冥福を祈ろう


「道義までふみにじる日本政府・三菱重工」のことが書かれてありました。

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遺体発掘まで妨害した三菱重工。下「」引用。

「三一年目に壱岐で遺体発掘 --三菱重工は遺体発掘まで妨害した」
「私たち、三菱遺族を支援する会は一九七六年六月二九日、広島市で結成されました。当面する日本政府、三菱重工に対して、長崎県壱岐郡芦辺町清石浜に埋めれたまま、三一年間放置されている韓国人遭難者の遺体発掘によって、国民的監視の下で政府、三菱に要求をつきつけていくこと、を考えたのです。予期したごとく三菱重工は町役場、町の有力者にまでいやがらせをしました。」

そんな三菱重工であるが、ソウルの地下鉄の仕事はしているという。下「」引用。

「ソウルでは今急ピッチで地下鉄の工事が進められている。今年の夏にはソウルから清涼里まで開通するそうである。国鉄線の電化工事もすすんでいるが、ほかにも地下鉄路線計画があるという話であった。これらは日本の三菱の手ですすめられているというソウルの人の話である。」


清石浜に朝鮮人慰霊碑があるという。


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朝鮮の人たち、深川まで悪人にしないでいただきたいとボクは願います。






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