磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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原発はいらない 幻冬舎ルネッサンス新書 こ-3-1

2012年02月03日 | 読書日記など
『原発はいらない 幻冬舎ルネッサンス新書 こ-3-1』
   小出裕章・著/幻冬舎ルネッサンス2011年

裏表紙に書かれてあります。下「」引用。

「福島原発は今後どうなるのか。著者は40年間一貫して原発の廃絶を主張してきた。その経験のもとに、今回の原発事故が最悪の場合、日本全土を汚染してしまうことを客観的に立証する。さらに、原発に替わる新エネルギーについても言及する。人が人として生きていくために、本当に必要なものは何か? 原発問題に端を発し、人間の存在意義にまで言及した「小出哲学」の集大成。」



「原発難民」 下「」引用。

「事故から三カ月以上経った六月下旬の時点でも、約九万の方々が避難生活を余儀なくされています。新聞やテレビでは「いつ、自宅に戻れるようになるか」ということを話題にしていますが、私が予測するところでは、この避難生活は相当長期にわたることになるでしょう。放射能汚染の状態によっては、もしかすると二度と自宅に戻れないかもしれません。
 多くの人々が先祖代々のふるさとを、家族が培(つちか)ってきた歴史を、家族を守ってきた家を、家族を養ってきた仕事を捨てて、旅立つことになります。避難された方たちが、「原発難民」にならないことを願うばかりですが、こんな理不尽な悲しみと苦しみを、一所懸命に生きてきた人々に背負わせるのが原発事故というものなのです。」

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【推進派・福島県】「反対派など町から追い出してしまえ!」 下「」引用。

「志賀政憲さんが福島県の某自治体に視察に行った際、その町の幹部は、「反対派など町から追い出してしまえ!」とまくしたてたそうです。今、福島第一原発事故で住民を窮地に追い込んでいるその幹部は、償(つぐな)い切れないほどの罪を犯したことになります。」

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【反対派勝利・日高町】 下「」引用。

「日高町では、原発推進派の力が反対派の力よりむしろ強かったと思います。そんな中で計画を中止に追い込んだ最大の理由は、反原発派の人々が「体を張った」ことに尽きます。いつ、どんな危険に襲われるかもしれない原発は、絶対に作らせないという強い意志のもと、誰もが体を張った反対運動を展開しました。それに引き換え推進派の人々は、肝が据わっていなかったように思います。これが勝負を決めたと言っていいでしょう。」

【瀬尾健】自分に忠実……。下「」引用。

「瀬尾健さんのお連れ合いが、生前の夫を振り返り、「出会った時から純粋で、まっすぐな人でした」と評していました。これは瀬尾健さんにとって、最大のほめ言葉でしょう。そして、そのことは多かれ少なかれ、「六人組」の皆にも言えることだと思います。「それぞれが、自分に忠実に生きようとした」ことが六人の絆の源だと私は思います。」

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「原発推進派は、事故を想定すらしていなかった」

「無くすことができない「死の灰」」 下「」引用。

「私がなぜ原発に反対するのかと言えば、燃料がウランであり、それを核分裂させる限り、核分裂生成物というへ「死の灰」を否応なく生み出すからです。
 現在の原発の標準発電量である一○○キロワットを発電させるためには、一年間の運転で約一○○○キロ、広島原爆で燃えたウランは八○○グラムですから、その一二○○倍のウランを燃やさなければなりません。当然、燃やしただけの死の灰が出るのですが、それを「無」にする方法は残念ながら人類は持っていません。おそらく未来永劫(えいごう)、見つからないのではないかと私は思います。
 今回の福島第一原発事故でも、実に多様な核分裂生成物が大量に放出され、人々の健康と生活に害悪を及ぼして続けています。私が四○年にわたって原発の危険性を訴えてきたのも、このような「事故」を恐れたからです。」

「浜岡原発をすべて廃炉にしても、電力は不足しない」

国際条約・プルトニウム。下「」引用。

「日本はプルトニウムそのものを保有することは国際条約で禁じられています。そのため、蓄積された大量のプルトニウムはどんどん消費しなければならなくなり、追い詰められて行き着いたのが、「プルサーマル計画」なのです。」

「プルトニウムは破局的事故の可能性を高める」 下「」引用。

「原発の燃料であるウランとプルトニウムは、どちらも危険な核物質ですが、性質は異なります。プルトニウムの特徴はウランの二○万倍も毒性が強いこと、そして、「核分裂面積が大きい(核分裂しやすい)こと」です。今度の福島第一原発事故でも、核分裂を止めるために制御棒を入れましたが、核分裂がしやすいプルトニウムでは、この制御棒の効果が弱まります。つまり、核分裂を停止させることがウランよりも難しく、それだけ破局的事故の確率も高くなるわけです 。今回の事故で廃炉になる福島第一原発の三号機も、このプルサーマルを導入していました。
 核分裂時に発生する中性子の数がウランより多い分、核分裂反応が早く進むことも厄介です。原子炉(圧力容器)で核分裂の連鎖反応を制御できるのは、核分裂後、ゆっくりと放出される「遅発中性子」と呼ばれる中性子があるためです 。もし、この遅発性中性子がなければ、臨界に達した核分裂現象は、あっという間に爆発に至ってしまいます。」

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『六ヶ所村 ふるさとを吹く風』 下「」引用。

「菊川さんは、二○一○年に出版した『六ヶ所村 ふるさとを吹く風』の中で、予想されているマグニチュード8.3の大地震が、再処理工場を襲った時のことをとても心配しています。電源喪失によって、再処理工場のプールに保管されている高レベル放射性廃棄物の冷却が不可能になり、爆発するのではないかとの心配です。それは、実に的を射た恐れでした。-略-」

フランスや英国の二倍の値段【計画】。現実は10倍【現実】、すでに破綻状態。下「」引用。

「これまで英国やフランスに再処理を委託してきましたが、その費用は一トン当たり二億円でしたが、つまり、六ヶ所村再処理工場は、もともと海外に委託する場合の二倍もの再処理費用がかかることになります。
 そのうえ、再処理工場が期待通り稼働することは、まず考えられないのです。-略-
 六ヶ所村再処理工場もアクティブ試験中に事故や故障が相次ぎ、いまだに正式稼働に至っていませんが、その稼働率が二○パーセントとすれば、一トン当たりの再処理費用は二○億円にもなってしまいます。このうえクリプトン85、トリチウム3、炭素14を捕捉するためろにコストをかけては、経営がますます窮地に追い込まれるというわけです。
 六ヶ所村再処理工場の経営は、すでに破綻状態にあります。経済的な考慮だけから判断するなら、六ヶ所村再処理工場は一刻も早く、「整理倒産」させるべぎです。」

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「地球が誕生してから、四六億年も生き残ったウラン」 下「」引用。

「ウランは自然界にあるものでする四六億年前に地球が生れた時には、放射性物質たくさんあったはずですが、短い寿命の放射性物質はすぐになくなって、寿命の長いものも時を経て、どんどん減っていったわけです。
 生き残った放射性物質の一つが、ウランです。その代表格はウラン238というものですが、これは半分に減るまで四五億年もかかるという、大変寿命の長い放射性物質です。」

「早くもはじまった、「原発がなくなると困る」キャンペーン」 下「」引用。

「電力七社か、今夏のピーク時に電力供給難が起きるような宣伝をはじめ、実際に七月一日からは東京電力と東北電力の管内で、「電力使用制限令」が発動されました。さらに、定期点検その他の理由で、二○一二年春には稼働する原発が一基もなくなり、電力不足が深刻化するというNHKの報道(六月九日 ニュースウォッチ9)もありました。原発が一基もなくなるのは大変喜ばしいことですが 、ニュースでは同時に、現在停止中の玄海(げんかい)原発二号機、三号機の運転再開に、玄海町長が同意したことも伝えていました。
 玄海原発は三号機でプルサーマルが行われていますが、冷却水のヨウ素濃度が通常の四倍になったことなどにより、検査のため一時運転を停止したという経緯があります。
 NHKの意図を勘ぐるわけではありませんが、右記(*上記)のニュース報道の構成は、「原発がなくなると大変。だから、停止中の原発を再開しなければ」というようにも受け取れます。マスコミのニュース報道には、いつも用心しなければいけません。」

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「火力発電をフル稼働すれば、原発分は十分にまかなえる」

「「原発エコ論」の大ウソ 地球温暖化の「主犯」は、二酸化炭素ではない」

原発の建設コストは高く、原発の発電コストは安いもウソ。

「原発は「金食い虫」、その負担は国民が背負うことに」










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