あかねさんシリーズ002 男が女de女が男 164 文明の奴隷 脳生理学者が、その人の部屋というのは、その人の脳の中を表現しているといっていた。 それに、「抹消は中枢の奴隷」という人たちもいる。 末梢神経とは、つまり見たり聞いたりするもので、それを分析する脳などの中枢は、抹消の奴隷だというのである。 アインシュタインがいくら天才といわれても、石器時代に生まれたら、彼の才能が華開くことはなかったであろうという人たちがいる。 われわれは「文明の奴隷」なのだろうか、それとも「文明はわれわれの奴隷」なのだろうか。どちらの世界がいいかといえば、主体は人間であることだろう。 だが、そうでない政治家や企業家、官僚が大勢いるようだ……。 「文明の奴隷」なんて、むなしいものである。 われわれは、文化を築いていくものであり、われわれこそが、その文化を担っているもので、その恩恵をも、われわれが担っているのである。 リンカーンというアメリカの大統領は「人民の人民による人民のための政治」といったけれど、「人民の人民による人民のための文明」というものをもっていてこそ、民主主義の社会なのではないだろうか。 そう考えると、果たして、現実が、そのようになっているかといえば、なっていなように思える。 まさに、男だからといって、縛りつけるのは、「文明の文明による文明のための人民」になってしまうのではないだろうか。 人が文明にあわせないといけないなんて、不自由な世の中のように思えてくる……。 茜は「男だろうが、女だろうが、自分の恋人や妻以外はすべてが人間という方がいいように思えてならない」と、心の中で思ったのである。 ある文化人は「そんなことになったら、楽しくないですよ。そんなの偽善者ですよ」といっていた。 でも、何を幸せかって、考えてみたら、その方がいいように思えるし、文化人という人でも、本末転倒している輩もいるのではないかと思った。 家畜と同じようにいわれる社畜……。 --そんな言葉もあったなあーと茜は思う。 しかし、それよりも欲望にとらわれた政治家や文化人、学者など権威ある人間たちがよほど恐ろしいと思う。 だけど、彼らは必ず偽善者の仮面をかぶっているようにも茜には思えてならない……。
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