磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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いま明かす戦後秘史 上

2010年08月24日 | 読書日記など
『いま明かす戦後秘史 上』
   桜田武、鹿内信隆・著/サンケイ出版1983年

対談集である。鹿内信隆は産経新聞の社主。



終戦の日と飛行機。下「」引用。

「櫻田 そうそう。そのときに朝、泉岳寺から都電の停留所へ降りましたところが、近所の店からラジオで「今日の正午に重大放送があります」というんですね。-略-一時ぐらいで会社に着いたんですよ。そうしたところが、いままでないものだと諦めていた戦闘機やもっと大きい飛行機が、ブンブンと海の方向へ向かって飛んでいくでしょう。これは、どういうことだと思って……。もう戦争に負けちまって駄目だと思うのに案外、日本の飛行機が海へ向かって出て行きましたね。」

終戦時、鹿内は陸軍から帰り、電波兵器を日本電子工業でつくっていたという。

女郎屋で詔勅を聞いたという鹿内。工場の寮は元女郎屋だったという。

マニラの寄宿舎で将校。下「」引用。

「鹿内 -略-その女子大生が日本の将校のえじきになったという報告があったのが、ぼくには非常に刺激的な印象としていまも残っています。しかし、この人は中将になって、最後は満州で戦死しています。」

鹿内は、予備役から将校の第一回生。東京・若松町の経理学校へ。

慰安所の開設……。下「」引用。

「鹿内 そうなんです。そのときに調弁する女の耐久度とか消耗度、それにどこの女がいいとか悪いとか、それからムシロをくぐってから出て来るまでの“待ち時間”が、将校は何分、下士官は何分、兵は何分……といったことまで決めなければならない(笑)。料金にも等級をつける。こんなことを規定しているのが「ピー屋設置要綱」というんで、これも経理学校で教わった。-略-」

もくじ

軍人は職業……。下「」引用。

「鹿内 -略-そこで、私もいい返した。「軍人は職業じゃないといわれるが、あなたはここで給料もらって、それで生活しているんじゃないですか。私たちは、召集で外から給料をもらって、残してきた家内、子供はそれで食っている。ここからもらっている給料で、われわれは食っていない」と。で、まあ論争になったわけですよ。」

フンドシと軍刀・軍帽で、靖国神社。議論の仕返し……。下「」引用。

「鹿内 でも、当時の風潮からいうと、こういう議論は極めて不逞の輩の議論なんだな(笑)。向こうとしては許しがたいわけです。なんか、いやな予感はしていました。そしたら、夜中の二時か三時ごろだったな。非常呼集がかかった。ひどい嵐の晩でした。非常呼集がかかったから、ぼくらは軍装して雨のなかに並んだわけです。
 ところが、よく見たら教官は軍装をしていない。軍刀一本を下げたまま、真っ裸でふんどし一本。それで軍帽をかぶっているだけなんです。そうるすと、こっちも隊長と同じ格好をしなくちゃいかん。
 そこで命令一下、われわれは全部ふんどし一本で軍刀だけになった。、そして、それから篠つく雨のなかをみんなで靖国神社にお参りした。それは報復措置だったんですよ(笑)。しかし、当時はそういう風潮でしたよね。」

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東条カツ夫人……。下「」引用。

「鹿内 -略-ところが、夜、下士官を連れて営内を巡視していると、はるか彼方のほうから女の声が聞こえてくることもありましてね。いわゆる嬌声ですね。
櫻田 ほほう。
鹿内 それが、あとでわかったんですけど、東條カツ夫人の嬌声なんだ。
櫻田 ほう。
鹿内 当時は、戦争もまだ景気のいい時分ですから、南方の飛行機にいろんなものを載せてきていたんでょうね。ぼくらは、下っ端だからわかんないけど、それが東條英機陸軍大臣のところで、夫人にご機嫌奉仕か何かやっていたんでしょう。それで、女の人の嬌声が聞こえる。営内で女の嬌声が聞こえるなんていうのは、おそらくここだけだったでしょうね。」

INDEX

「米国の金を使い満州に王道楽土建設」鮎川義介が考えたという。

満州投資証券というホールディング・カンパニーが生まれたという。

日本電子工業は満州投資証券の金で作られたという。そして電波兵器の開発会社に……。鹿内はこの会社を切り回していたという。

ソニーの井深大は日本電子工業の技術面の相談にのったという。

「河庄」は、戦後の裁判で問題になった東条英機。

満州重工業の大将だった鮎川義介。

「憲兵隊に引っぱられた牢獄の体験」
陸軍時代の大佐の汚職事件で、鹿内は牢獄へ。
10日間はいっていたが、B29の偵察で解放。納得いかない鹿内。下「」引用。

「鹿内 -略-でも、隊長は逃げ回って、とうとうぼくに会わないんですよ。ぼくとにっては、全く残念だった。」





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