磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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たいまつ新書40 朝鮮人被爆者 孫振斗の告発

2008年01月07日 | 読書日記など
『たいまつ新書40
  朝鮮人被爆者 孫振斗の告発』
    孫振斗さんに〈治療と在留を!〉
      全国市民の会編集委員会・編/たいまつ社1978年

韓国人・孫振斗さんが密航して、「原爆症の治療」をしてくれるように訴えられたという。それを支援した日本人たちが書いたものです。



「密航」してやってきたという。下「」引用。

「はじめに
 孫振斗(ソンジンドウ)が原爆症の治療を求めて「密航」してきたとき、私たちに突きつけられた最も大きな問題の一つは『何故、朝鮮人が広島で被爆させられたか』--であった。
 これを解くには一九一○年の日韓併合に始まる日本と朝鮮の現代史を踏まえなければならないし、更に『いかに被爆させられたか』につきすすむならば、原爆被害の中でもいまだ明らかにされていない“もう一つのヒロシマ”に直面することになる。」

原爆投下されたことは占領される前は報道されたように書く人もいます。しかし、後に違う情報を流したりもしています。これでは伏せられたと書く人たちが正しいようにボクには思えます。下「」引用。

「当時人々は原爆の何たるかを知る由もなく、いち早く調査に入った軍関係物の報告結果も敗戦時までふせられており、その間二次放射能が強く残っている原子野への流入は放置されるままであった。」

永井隆博士などは、残留放射能のことをいい、他で住むようにと伝えておられ、戦後に疎開された人たちもいた……。

そして、この本では被爆さえも平等ではなかったという。下「」引用。

「こうして、被爆地にとどまった結果、土中や建物から放射される放射能ばかりでなく、焼け残りの缶詰や飲料水など直接口にすることによって被害を一層大きくした。原爆による被害は決して平等ではなかったのである。」

もちろん、軍の偉い人たちの治療と一般人とは大きく違ったことは、書かれてる本がけっこうあります。

支援する学生がいたという。下「」引用。

「七一年一月二十三日、佐賀地方裁判所唐津支部で孫さんの出入国管理令違反事件第一回公判が開かれた。裁判所の前庭は北九州各地から集まった支援の学生たちで埋まっていた。」

孫さんは結核だったという。下「」引用。

「孫さんの入院生活はさきにも記した通り「結核予防法」と「生活保護法」の適用を受けているわけだが、病状悪化を怖れた刑務所が早く身柄を外へ移そうとしたためとはいえ、その手続きの手際よさは驚くばかりであった。」

--孫振斗は被爆しているが、「被爆者」とは認められない。
外国人登録証を交付しているが、日本に居住しているとは認められない。
結核予防法はまわりの感染を防ぐため、生活保護は行き倒れ防止のため。
孫振斗の原爆症には完治しない。下「」引用。

「これは国の厚生行政が入管行政に従属し、末端の役人に至るまで排外主義に毒されていることを物語っている。これが国の素顔である。孫さんが通じてやっとそのことを知りえた私たちは、私たち自身の怒りとして今後どのように持続していくかが、問われることとなった。」

結核が症状をみせなくなると大村収容所へ。

「手帳」裁判で勝訴。

「帰国を明日にひかえて、辛さんが厚生省に行ったときのやりとり。」下「」引用。

問 ケロイド手術はいっぺんで終わらないが再入国の時手帳は有効か。
答 手帳は日本を離れると必然的に無効になる。再入国に当たっては改めて簡単な手続きをとって貰い再発行する。
問 その際の再入国の条件は?
答 やはり治療ビザによる一カ月以上の滞在である。
問 パスポートでも五年間有効なのに、どうして手帳の場合はだめなのか。
答 (前と同じ)
問 では再入国に際しては、公費負担者の排除条項について厚生省から法務省に申し入れるつもりはないか。
答 行政の筋が違うので申し入れはできない。」

韓国が北欧のような国だったら、韓国の被爆者もここまで困らなかっただろう。

朝鮮慰安婦のことなどでも、日本よりもひどい差別社会と思う……。

最近では、格差社会も日本よりもひどいとニュースで知った……。


孫振斗手帳裁判

在外被爆者 願いは海を越えて【中国新聞】'02/7/2








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