磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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阿片の中国史

2010年10月10日 | 読書日記など
『阿片の中国史 新潮新書 133』
   譚美著/新潮社2005年

表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「阿片戦争から中華人民共和国成立までの約百年間の中国近代史は、阿片抜きには語れない。阿片という麻薬に、これほど蹂躙された国は、世界史の中でも例がない。中国人が麻薬としての阿片を知ったのはいつのことか。最初はどこから入ってきたのか。なぜ、超大国・清がいとも簡単に阿片に侵されてしまったのか。そして共産党と阿片の知られざる関係とは--。中国と阿片の長い歴史をひもとく。」



一方的ではない。下「」引用。

「ただ、忘れていけないのは、中国は阿片の一方的な被害者ではないということである。阿片によって富を得た中国人も多かったし、時の権力者や活動家たちは、阿片を資金源として活動していたのだ。」

「専売制に救われたインド」 下「」引用。

「だから、阿片生産を厳重に管理された結果、生産農家といえども阿片を勝手に自分で使ったり、売買したりすることが出来なかったのである。無論、ヘイスティングスはインド人の健康を心配したわけではなく、徹底した生産管理を目的としたものであった。」

イギリス人は、中国人好みにした。下「」引用。

「さらに、インド各地の阿片の特性を研究し尽くし、中国人好みの阿片を開発した。阿片の新しい摂取方法も考案した。インド方式の直接口に入れる方法ではなく、阿片を火で焙って煙りをキセルで吸うスタイルだ。このスタイルは、タバコの吸い方からヒントを得た。これなら阿片の苦さも臭みも気にならず、ぞんぶんに阿片を楽しむことができるのだ。」

イギリス政府。下「」引用。

「イギリス政府は建前上、阿片貿易に対して曖昧な態度を取った。
 公式の貿易ルートには乗せられないので、東インド会社から発行される取引免許状を持つ商人たちに便宜を図るという迂回手段を使って阿片貿易に道を開いた。また、中国との貿易ではイギリスの先輩格であ、清朝政府からの検査免除の優遇措置を得ているポルトガルの船に荷積みして、阿片をマカオで売りさばくという方法もとった。」

「林則徐の徹底摘発」

賄賂を払えば、おめこぼしもあったという。

アメリカ。下「」引用。

「アメリカはそれまで表立った阿片貿易には加担せず、密かにアメリカ船にイギリスの密輸阿片を積み替えて運ぶに止まり、阿片戦争の間もひたすら静観の構えであった。だが、イギリスが勝利して「南京条約」などが交わされると、直後にアメリカから軍艦三隻を派遣して清朝政府に迫り、四四年七月、「望廈条約」を結んでイギリスと同じ待遇を獲得してしまったのである。」

フランスも同年10月、イギリス・アメリカと同様の厚遇を取得。さらに、キリスト教の布教禁止令を廃止し、布教の自由を獲得。そして、諸外国も殺到……。

鎖国日本はびっくり。

長崎の新聞「崎陽雑報」(慶応4年8月)、「阿片で遊女死す」。

日本……。下「」引用。

「儲かる阿片の専売制に味をしめた日本は一八九五(明治二十八)年、日清戦争に勝利して台湾を初めての植民地にすると、植民地経営の安直な財源確保を求めて、再び阿片の専売制に着手する。
 さらに次の時代になると、日本は中国の東北地方を占領して満州国を建国し、財政収入の重要な柱として、台湾で成功した阿片の専売制を躊躇なく採用することになるのだが、それはもう少し後のことである。」

index

フランス租界。下「」引用。

「フランス租界は中国の領土にあっても、フランスが主権を持つ地区である。フランス人の領事が駐在し、行政と司法を遂行し、警察機構を備え、阿片商人を中心とするフランス人たちが住んでいる。フランス人の安全確保はフランス軍が担うが、租界地内の中国人居住者の治安維持のために、中国人の巡査を雇用している。-略-」

蒋介石と阿片の帝王。下「」引用。

「杜月笙は蒋介石に公私にわたって“貸し”を作った。-略-いや、蒋介石も被害者などではなかった。阿片取引で暴利をむさぼった点では、むしろ共犯者と考えるべきだろう。-略-」

毛沢東は阿片の生産者。下「」引用。

「延安で毛沢東ら幹部の日常を見たせいです。幹部たちは毎晩のように、都会からやってきた若い女性たちをベッドに侍らせて、「偉大な革命家」に奉仕させたのです。それが『革命の精神』の表れであり、光栄なことだと説くのです。阿片の生産をしていたことも知りました。-略-」

中国共産党は闘争資金はどうしたのか?
「阿片以外に考えられないのではないか。」と書かれてあった。







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