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ペンの陰謀-あるいはペテンの論理を分析する-

2009年06月22日 | 読書日記など
『ペンの陰謀-あるいはペテンの論理を分析する-』
   本多勝一・編/潮出版社1977年4刷

山本七平に非難されて、バカバカしくって相手にもしたくない著者が書いた文。
--それだけでなく、山本に指名されてレフェリー役をした人などの文章も掲載されています。



「山本七平詭弁の基本的特徴は、ほぼ次の三点に律することができる。」という。
1. 提出された問題に対して正面からは回答しないか、または全く回答しない。
2. 回答を逃げて何をするか。どうでもいいことを延々と書きつぶす。
3. そのようにしていったんBにすりかえてしまったら、それは必ず自分が得意な分野だから、いっけん「高級」にみえるかのような述語や、一般の日本人は知らないような“知識”でゴテゴテとかざりつけて、七面鳥のオスと同じ方法でおどしてみせる。自分の言葉で説得することができないため、むやみと「権威から引用するのもこのときだ。

山本七平は「論点のすりかえ」や、「虫めがね式詭弁」を得意とするという……。

七平式引用……。下「」引用。

「七平式引用となると自分勝手なデッチ上げ引用・歪曲引用にすぎぬ。正確な論理的引用とはおよそ無縁である点、二人の論争のレフェリーとして「七平」の負けを宣言した松本道弘氏の書いているとおりであろう。-略-」

権利について。下「」引用。

「七平さんは、「土下座させる権利がだれにあるのか」という。
 では聞こう。
「水俣病患者にする権利がだれにあるのか」と。」

七平さんの論理? 下「」引用。

「七平さんの論理(?)は、つねにこういう図式で、「学問的・知的」に見える。そこが面白いところだ。私にはこうにも読める。
「スキヤキはうまい。スキヤキには肉が入っていた。だがスキヤキはまずという奴もいる。だからそいつはまずい」
 これで、何を言っているのか、論理かどうか、解ったら脳病院行きではないだろうか。」

山本七平氏の文章は三段にわかれている。そして、それぞれ次の様な結論である。
「(一)すべてのキリスト教徒は絶対に誓わない。
(二)イエスはswearすることは禁じなかった。
(三)swearは「誓う」ではなく「祈り誓う」である。
 この論法は実に整然としている--ただし、全部が間違いだという一点を除いては。」

クエーカー教徒は誓う必要がないという……。下「」引用。

「クエーカー教徒は宣誓拒否の理由は次のように説明している。人はいつ、いかなる場合でも真実を語らなければならない。ところが、これから述べるのが真実だと誓うならば、法廷の内側と外側に別別の心理があって、それを使いわけていたのを認めることになる。しかし、クエーカー教徒はつねに真実を述べているのだから、宣誓する必要はないというのである。」

--山本の間違い。
affirmとswearを間違えたという。

「勝負あった! 佐伯/七平論争」松本道弘・著。
--山本七平からレフェリーに指名された松本。
山本七平の負けだという。

山本七平への哀れみの言葉。下「」引用。

「四十年も前のことだから何を言っても大丈夫だし、証拠となるようなものねはあるまいなどとたかをくくっていたらとんでもないことになる。したがって、彼が白と黒と言いくるめて逃げようとすれば、やがて進退に窮し、自らの手で自らの首をしめる結果となるであろう。
 ペテン師・山本七平はあわれむ私の最後の言葉はこれ以外にない。」

正当な戦闘行為として書かれた「百人斬り」
--そうでなければ、日本軍検閲当局をパスすることはできない。

日本刀神話をつくりだす山本七平。下「」引用。

「日本刀の性能にたいする山本七平の評価は、おそろしく低い。その構造的欠陥からして、日本刀で斬れるのはせいぜい三人だと山本氏はいうのである。これは、氏の体験からもいえることだという。
 氏の体験というのは、比島で二人の部下を失ったとき、上官の命令で、氏みずから、その一人の手首と一人の足首を斬って火葬に付したというのだが、この二回の人体切断で、その軍刀は、「何か鍔や柄がガタガタグラグラする妙な感じがあった」という。」

何でこんなことをする必要があったのか?

『戦ふ日本刀』成瀬・著を非難する山本七平。
関連記事

歴史家は語る……。下「」引用。

「山本氏は、「あらゆる記録を調べてみたが」とか、「記述は皆無である」とかいったことを平気でいわれるが、歴史家である私には、慎重な調査を重ねたうえでも、とてもそんな物言いはできない。」

死体の数の多さ……。下「」引用。

「たしかに、山本氏の想定されているように、死体がころがっている程度なら、わざわざその上に丸太をならべて、戦車を通すような、馬鹿げたことをする必要はない。簡単に死体は片づけられるのだから、それですむ。だが、南京の一部の城門ちかくで見られた中国人の死体の状況は、そんな生やさしいものではなかった。日本軍はいく日ものあいだ、通路の死体さえ片づけようとしなかった。いや、なかなか片づかなったのだ。それほど夥しい死体の数だった。そうした累々たる遺骸の上を、あるいは山と積まれた死体の上を、軍用者がなさけ容赦なく踏みにじって通っていた事実を語る。いくつかの確かな記録を、私たちはもっている。」

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