磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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さようならカバくん

2009年05月10日 | 読書日記など
『さようならカバくん』
    早乙女勝元・作/鈴木義治・絵/金の星社1988年

表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「昭和二十年の春のことでした。
二年生の大三郎は、空しゅうで
ひなんした先の動物園で、
二とうのカバとなかよしになりました。
カバの大太郎と京子……。
でも、せんそうは、
おとなしいカバくんたちまで--。」



本当は死ななくってよかった……。下「」引用。

「カバを、見たことがあるかい?
動物園で、ゾウにつづいて、大きな動物さ。
大きな体のわりに、気はやさしくて、
いつも、水の中にもぐっている。
そのカバは、ほんとは、しななくてもよかったんだ。
空しゅうさえ、なければ……。
せんそうさえ、なければ……。」

原作では、本文はこう始まる……。下「」引用。

「三年生の秋の遠足は、上野の動物園でした。」

ノッポの大三郎先生がカバの大太郎のことを話しはじめる。下「」引用。

「昭和二十年、せんそうも終りに近づいたころ、ぼくは、とうじの国民学校(今の小学校)の三年生でした。-略-そのころ、三年生で、東京にのこっている子など、めったにいません。-略-これを、学童疎開といったのです。
 ところが、ぼくだけは、ぽつんと家にとりのこされました。チビで、ヤセで、体が弱く、冬になると、かぜばかりひいていたからですが、ほんとうはちがうのです。-略-」

おじさんが、動物園の仕事をしていたという……。下「」引用。

「動物がしあわせでない時は、にんげんだってしあわせにはなれないんだよ。だからね、にんげんがしあわせになるには、カバもしあわせでなくっちゃ……。」

動物園の人も戦争へ。下「」引用。

「大太郎と京子に、
「この次は、平和な時に、生れておいで、生れたら、その手で、しっかり水をかいて、きっと泳ぎあがってくるんだよ。」
と、つぶやいたことも。
 ひげのおじさんは、あのあと、すぐにへいたいにいってしまって、それっきりついに、帰ってこなかったのです。ぼくのとうさんと同じに--。」

「◆あとがき」より。下「」引用。

「「ですからね。もし、三月十日の大空襲がなければ、二頭のカバは、戦後まで生きのびられたはずですよ。」
 と、しみじみとした声で語ったのは、動物園水族館協会事務局長の小森篤さんでしたが、わたしは、そのことばがいつまでも胸に残って、消えることがありませでした。-略-」


さようならカバくん-アニメ絵本-






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