磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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日本の原発地帯・3冊

2008年07月22日 | 読書日記など


--同じタイトルの3冊です。
後の本には、書き加えてあり、章も増えているのもあります。

--大手マスコミが伝えていないことを書かれています。
これほど、反対派の人たちが努力されたのか……。
そして、推進派はそこまでやるのか……とあきれるばかりです。

『日本の原発地帯』
  鎌田慧・著/潮出版社1982年

■目次■
第1章 徳之島・核終末処理場の不安  7
第2章 福井・原発先進地の当惑  33
第3章 伊方・金権力発電所の周辺  63
第4章 福島・原発銀座の沈黙  95
第5章 柏崎・原発反対運動の戦果  125
第6章 島根・政治力発電所の地盤  155
第7章 下北・原発半島の抵抗  185
あとがき  211

九州で、かつて核燃料再処理計画があったようです。

「民家に接した原子炉」というタイトル。下「」引用。

「-略-ここ福井県三方郡美浜町丹生(にゅう)のひとびとは、原発と一蓮托生の生活をしてすでに十年になる。はじめはやはりわたしとおなじように、夜半に障子をあけて外をうかがいみたりしたものだろうか。」

町財政はほとんど東電から……。下「」引用。

「七八年に納入された大熊町の町税は十九億二千万円である。このうち、東電からの、法人税、町民税、固定資産税、電気税など、いわゆる「原発関係税」は十七億円に達している。-略-原発依存の老朽化とともに縮小していくことはいまからすでに織り込みずみなのである。」

田中角栄といえば新潟。しかし、新潟の人がすべて田中角栄好きとは限らないようだ……。下「」引用。

「田中角栄が誘致
「原発はあの野郎が持ってきたんだデ」
 いまではあの野郎などとののしられることになってしまったが、それまでは東京にでもいって田中角栄の名前でもでようものなら、柏崎・刈羽のひとたちは、
「うん、おらちのちかくだコテ」
 などと鼻をうごかしたものだった。」

角栄の地盤……。下「」引用。

「原発予定地は、柏崎市荒浜地区と刈羽村にまたがる砂丘地百二十万坪におよぶもので、双方でほぼ半分ずつ占めている。それに符節を合わせるように、両市町村の合併問題が持ちあがり、やがて消えた。自衛隊、市村合併、土地ころがし、と田中角栄の地盤では、奇妙な胎動が起こっていた。小林治助市長は、角栄の後援会会長で、彼との直接政治を誇っていたのである。」

小林市長は「オレはロボットだ」ともらしたという。
市長の葬儀にまで駆けつけた角栄のロボットか、東電のロボットか?
--また、どちらものロボットだったのか?
政治家であるのに、よく言えたものだ。人間としても恥かしい言葉だ!

そして、反対派はここでも女性。下「」引用。

「市と東電の説得工作が激しくなると、反対派もぐずぐずしていられなくなった。まず、予定地の荒浜地区で「原発反対荒浜を守る会」が旗揚げされた。とにかく勇気をだして名乗りをあげることにした。結成大会には三十人ほど集まったが、その半数は家庭の主婦であった。」

男性はロボットが多いのでしょうか?
--そのわりに威張りちらしていたりしますね……。
そういうロボットなんだ……。

住民投票 柏崎・原発反対運動の戦果。下「」引用。

「七二年三月、十二人の区長のうち反対派が七人占めて、「条件付賛成」の白紙撤回を決定した。七月には、反対派が町内会長になった。まず、まっ先に原発の賛否をめぐる住民投票(一戸一票)を実施した結果、
 原発賛成 三十九票
 原発反対 二百五十一票
 となったのである。ところが、反対を標榜して就任した町内会長は途中から歯切れが悪くなったので、これを不信任、池田さんが町内会長になった。」


刈羽村では、「第一刈羽」という「第二組合」をつくる推進派。
「第一刈羽」に東電は五十万円の寄付金。
--村を破壊した東電。

1955年、アメリカ下院議員のイエーツ議員は「最初に原爆を投下された広島にこそ原子力の平和利用を目的とした原発が建設されるべきである」との提案。
当時の渡辺広島市長「受入れの用意がある」と市議会で言明。

--この本ではありませんが。
長崎の人が原発を推進したり、唯一の被爆国日本といって、外国で原発をセールスする人たち……。
--原爆映画をつくったとしても、核廃絶とは限らない。
原発を売るためのものもあるかもしれない……。と、フッと頭に浮びました。


『日本の原発地帯』
   鎌田慧・著/河出書房新社1988年

■目次■
第1章 原発先進地の当惑 福井  7
第2章 金権力発電所の周辺 伊方  39
第3章 原発銀座の沈黙 福島  75
第4章 原発反対運動の戦果 柏崎  109
第5章 政治力発電所の地盤 島根  141
第6章 原発半島の抵抗 下北  173
第7章 1988年1月、下北半島の表情  193
あとがき  215
「文庫版あとがき」にかえて 原発のマスコミ攻略  219
解説 矛盾の最前線から 高木仁三郎  229
原発および核燃料サイクル地図  235
原発重大事故年表  236

GEの撤退……。下「」引用。

「ついに、GE(ゼネラル・エレクトリック)社は、原子力部門から撤退する方針を打ちだしたという。-略-東京電力や中部電力などは、GE社の沸騰水型の技術を導入して運転してきているだけに、アメリカでの撤退作戦に心穏やかならざるものがあるにちがいない。」

カネ、カネ、カネ……。下「」引用。

「かつて、ある鉄鋼メーカーについて、「カネと命の交換会社」といい伝えられていたが、原発は、その極限である。すべてをカネによって測る価値観のひろがることが、放射能汚染同様に恐ろしい「カネは一台、放射能は末代」である。」

原子力帝国が、今の社会を推進した……。

「解説 矛盾の最前線から」高木仁三郎・著で、こんなことが書かれてあった。下「」引用。

「低次元の質問を発した記憶が私にある。「いえ、私は津軽の出で、むつ小河原は南部です」鎌田はいかにそんな問題ではない」

この本とは直接関係ないが……。
--地元意識が強いのは郷土愛ならばいいだろうが、地元エゴにならないように願いたい。
--平和といいながら、平和を壊す勢力に力を与えないでいただきたいものだ。


『日本の原発地帯 新版』
   鎌田慧・著/岩波書店1996年

■目次■
原発および核燃料サイクル地図
I 原発先進地の当惑 福井  1
II 金権力発電所の周辺 伊方  37
III 原発銀座の沈黙 福島  75
IV 原発反対運動の戦果 柏崎  113
V 政治力発電所の地盤 島根  151
VI 原発半島の抵抗 下北  187
VII 1988年、下北半島の表情  209
VIII 核の生ゴミ捨て場はどこに 人形峠、東濃鉱山、幌延  249
IX 住民投票、1996年8月 巻町  285
単行本あとがき
解説 矛盾の最前線から(高木仁三郎)
    カバー・本扉デザイン=山下秀男

このことだけではないが、推進派を信じることはできない……。下「」引用。

「「動燃は最終処分場にはしない、といっていても、彼らに決定権はないはずだ。インチキをこまかくやって、たらかすつもりだ」
 加藤さんは、鋭くいった。たらかす、とは「ごまかす」の方言である。もんじゅの大事故でさえ、「事象」などといいくるめようとしていた動燃のやり方にたいして、住民の不信感は強い。」

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チェルノブイリの消防隊……。下「」引用。

「貯蔵だけ、といっても、一度埋設した放射性生ゴミを、またエレベーターに載せて、どこかへはこぶなど、マンガでしかない。
 もしも、その作業を人間にやらせるとしたなら、ほとんどが、チェルノブイリの消防隊のような運命になる。ロボットにやらせる、というのなら、そんな精巧なロボットを開発するのには、また巨額な資金を必要とする。
 とにかく、幌延問題は、最初の「工学センター計画」のように、あるいは「もんじゅ」の事故報告のように、デタラメな作文に終始している。」

政治家が、意志薄弱でロボットといった……。
--このロボットにされた人たちのことを、このような意志薄弱の政治家はどう思うことだろう……。







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