磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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週刊金曜日 2011-11-11

2012年01月10日 | 読書日記など
『週刊金曜日 2011-11-11』
   平井康嗣・編/金曜日2011年

特集名 本当はどうなっているのか



「「原発はいらない全国の女たち」アクション7日間」

「東電発電と放射能汚染 本当はどうなっているのか」 下「」引用。

「東京電力福島第一原発で深刻な事故が起きてから八カ月。工程表の着実な進行を思いこませたい政府・東京電力と、政府交付に流されやすい新聞・テレビの報道によって、外見上は“奇妙な落ち着き”が続いている。さまざま情報が飛び交っているが、実態はどうなのか。「安全デマ」についつい騙されてはいないか。原発事故の現状を報告する。」

「政府の被曝基準で本当に大丈夫か?」 下「」引用。

「政府の食品安全委員会は、一○月二七日、食べ物からの内部被曝の基準として「生涯一○○mSv」を厚労省に答申した。従来言っていた「外部被曝も含めて生涯一○○mSv」をさらに悪化させる、国民の命をもてあそぶ「数値遊び」である。率直な意図は、国民の健康を管理しようとするものではなく、国民は「内部被曝を従順に受け入れて、原発会社や政府の言うとおりに従っていなさい」というものである。東電と政府の当面の都合を「被曝させっぱなし」として表現したもので、到底国民は受け容れることはできない。」

「瓦礫の処理はどうするのか?」 下「」引用。

「暗線な処理方法はない。低レベル汚染の場合は瓦礫の種類によって焼却やリサイクル、埋め立てることが「福島県内の災害廃棄物の処理の方針」(六月二三日)として環境省より示されている。しかし、低レベルでも燃やせば放射性物質を飛散させることになるなど問題だらけだからだ。-略-
 横浜市の汚泥処理施設では、早けば一一月には焼却灰が施設から溢れる。ほかの県でも「年内いっぱい」が限度だ。打つ手はない。」

「どのぐらいの放射性物質が出たのか?」ノルウェーの科学者ストール氏ら。下「」引用。

「一方、ノルウェーの科学者ストール氏らによる福島第一原発事故の放射性物質に関する研究が『ネイチャー』の二○一一年一○月二五日号で紹介された。ストール氏らは日本や世界中に設置されている包括的核実験禁止条約機関などの放射線モニタリングステーションのデータから、放出源である福島第一原発の放出量を逆算している。
 ストール氏らの試算では、セシウム137は三万五八○○テラベクレル、キセノン133は一六七○万テラベクレルの放出量となてっいる。これは日本政府の推定値のそれぞれ約二・四倍(セシウム137)と約一・五倍(キセノン133)だ。希ガスの放出は核実験以外では過去最大となるとしいる。」

「津波前から」ノルウェーの科学者ストール氏。下「」引用。

「ストール氏らは津波が到着する前の三月一一日一五時ごろからキセノン133の放出があったことを指摘しており、地震の揺れによって少なくとも核燃料の中に封じ込められていた物質が外に放出される事態が発生していたことを示唆している 。また、4号炉の使用済み核燃料プールからのセシウム137の放出も指摘している。-略-」

「事故の原因は地震か津波か?」田中三彦(サイエンスライター)。 下「」引用。

「地震動で配管破断による冷却材喪失事故(LOCA)が起きた可能性がある。ただ、結論を出すには、高レベルに汚染された格納容器の中を調べるしかない。それは長期間ムリなので、現象面から解析するしかない。
 たとえば1号機の事故推移(五月一六日の東京電力公表資料)によると、原子炉内の水位は地震発生から約六、七時間(一一日午後九時三○分)で四メートル半近くも降下し、少なくとも五○~六○トンの水が原子炉内から“どこかへ”姿を消している。一方、格納容器の圧力は、地震発生から約一・七時間で、通常発生から約一・七時間で、通常の約一気圧から約八・四気圧まで上昇した。これ以上の圧力がかかることはないとする設計圧力がかかることはないとする設計圧力が五・三五気圧なので、それを大幅に超える異常事態だ。原子炉系の配管が地震で壊れ、格納容器の中に蒸気が噴出し、水力学的動荷重などで圧力抑制機構がだめになったと考えると、うまく説明できる。
 一方、東京電力は、科学的検討結果をまったく示さないまま、福島第一原発1~3号機の安全上重要な構造物は、地震動によって損壊や機能喪失は生じなかったとしている。その上で、事故シミュレーションをしているが、その結果と実際の計測値は致命的に乖離(かいり)しており、整合性がない(詳しくは『科学』二○一一年九月号、岩波書店、筆者論文参照)。整合性をとるために東京電力は「水位計が壊れていた」と主張するが、噴飯ものではないか。-略-」

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「汚染水のだだ漏れ」 下「」引用。

「「上はフタをしても、下からの放射能の汚染水がダダ漏れし、地下に放射能が染みこんでいます。地下水が汚染されているので、このままでは、福島県を除染して住民が帰宅することは無理」と広瀬(*隆)さんは帰宅に反対する。」

「原発労働者は今、どんな状況におかれているのですか?」 下「」引用。

「原発の労働者は、今もずさんな安全管理の下で働かされています。
「朝礼では『必ず一時間に一度は休憩をとって水分補給してください』と言いながら、三時間休憩なしで働かせたり、口で言ってることとやってることが全然違う。被曝対策も相変わらずいい加減。仕事が終わった途端、全面マスクを外して煙草を吸い出す人がいても、何も注意しない」
 これは八月に取材し労働者の証言だ。この労働者は、八月中旬に福島第一原発での仕事を終えた際、ホールボディカンウタで内部被曝の測定をしたが、いまだにその結果を知らされていないという。それどころか、被曝した線量が記録する「放射線管理手帳」すら、まだ手元に届かない。-略-東電は、労働者の管理を下請けまかせにしているように見える。原子力対策本部がまとめた三月~七月の累積被曝線量は別表の通り。累計一万六○○○人以上が被曝している。特に四月以降二○mSv以上被曝している労働者の九割以上が協力企業の下請け労働者だ。作業員の数にも限度があり、今後、下請け労働者の被曝が一層増すことが懸念される。
 東電の発表では、一○月末現在までに事故後の緊急作業で亡くなった作業員は三人。五月に心筋梗塞で死亡した作業員の遺族に対しては、東電からは、補償はおろか見舞金すら支払われていないという。八月に四○代の下請け作業員が急性白血病で死亡した際も、「元請け企業から、作業とは関係ないと報告を受けたので、発注者である東電がこれ以上調べるつもりはない」と無責任な姿勢に終始した。」

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「東京電力はなぜつぶれないの?」 下「」引用。

「八月三日、「損害賠償新機構法案」(“東電ゾンビスキーム”)が民自公明の修正協議を経て成立した。しかし密室談義とも言うべき修正協議で、東電に税金を投入できる条項が入った。この改悪によって、株主や金融機関は原資や債権放棄を免れたまま、負担を国民にツケ回すことになった。東電の法的整理を訴え続けた経産省大臣官房付の古賀茂明氏(九月二六日に退職)が「究極のモラルハザード法案」と批判したのはこのためだ。」

「原発はフェードアウトさせるしかない!」蓮池透。下「」引用。

「-略-だったら東京電力は、他の電力会社もそうですが、供給力の内訳を細かく公開しないといけません。隠しておいて「原発の再稼働が必要」と言っても説得力がありませんよ。電力料金にしても、そのなかに社員の福利厚生費や、役所の天下り先になっている関連団体への支出がどの程度あるか明らかにしないまま、いくらなんでも値上げはないだろうと思います。
 防波堤を造るなどの対症療法的な対策をしても、人為的なミスは起こりえます。「絶対安全」がないことが明らかになりました。だから新増設は無理だと政府や電力会社幹部は認識しないといけません。自国で起きた事故が収束していないのに原発輸出はいくらなんでもないでしょう。元原子力技術者として心の底からこう考えます。」

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「国内外から激しい批判続出 原発輸出で日越政府合意」 下「」引用。

「-略-福島第一原発の事故後で協議が止まった。
 ところが、野田佳彦首相は合意を見直すどころか、原子力の平和的利用や原子力損害賠償に関する法整備、事業地決定、環境影響評価をベトナム政府が行う約束を取りつけ、国内外からの批判を浴びている。「原発いらない全国の女たちアクション」は原発輸出方針の転換、実施中の実行可能性調査の打ち切りなどを求める署名を一日で六六○○筆以上集め、枝野幸男経済産業相らに提出した。
 ベトナムの隣国、タイからも続々と異論が届いた。「日本政府と東京電力の責任ある行動を待ちわびている最中に原子力技術を確約することは、恥ずべき行為」であると断じた。タイには一七カ所の原子力発電所計画があり、ベトナムと国境を接しているので他人事ではない。「原子力監視ネットワーク」は「日本政府の行動は、ベトナム周辺国の国民に対するテロ計画にも匹敵する」との批判を野田政権に送った。
 メコン川流域を対象に活動する環境NGOメコン・ウオッチの松本悟顧問は、「今回事故を起こした福島第一原発の一号機と二号機は、一九六○年代に米国輸出入銀行の融資で建設された。米国の原発輸出政策で建設され、四十年後に大惨事を引き起こしたわけです」と驚くべき事実を指摘する。
 松本氏は「ベトナムへの原発輸出にはおそらく国際協力銀行の融資が充てられる。米国でさえスリーマイル島の事故で政策を大転換させたのに」と呆れている。」

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