磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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原発をつくった私が、原発に反対する理由

2011年09月02日 | 読書日記など
『原発をつくった私が、原発に反対する理由』
   菊地洋一・著/角川書店2011年

帯に書かれてあります。下「」引用。

「元GE技術者 菊池洋一
元原発技術者、魂の叫び!
YouTube で
再生300,000回!!
「原発には、まだ隠された致命的欠陥がある」」






しかし、……反原発。下「」引用。

「しかし仕事を続けるうちにだんだん大きくなっていった、安全性への不安、不信に耐えられなくなり、私は原子力発電所の仕事から離れました。原発の話が聞きたくなくて、日本から離れました。しかし、「いつか大事故が起こる」という危惧はつねに心のどこかにべっとりとつきまとっていました。
 そして50歳を迎えたときに、それまでの生き方を180度変え、「反原発」を訴えていこうと私は決めました。現場を誰よりも知っているからこそ、自分がやらなくてはいけない。自分の責任から逃げ回るのは、もうやめようと思ったのです。」

■目 次■ 

第1章 知られざる原子炉の致命的欠陥
 50年前から疑問視されていた安全性
 原発はしょせん、「原子力やかん」
 原子力圧力容器の底は「ザル」
 原子炉は「配管のお化け」
 ほとんどの配管は「宙づり」になっている
 地震がなくてもあやうい配管の支持
 十数箇所も配管がぶつかっていた図面
 複雑な配管に閉じ込められた溶接工
 度重なる設計変更がミスを生む
 配管内に放置されたプラグの突起
 溶接部分をすり替えて、国の検査をクリア
 予測通りの位置で発生した配管の亀裂
 メルトダウンは津波が原因ではない

第2章 原発建設現場の信じがたい真実
 釜石に生まれて
 建設の仕事を志す
 設計の仕事から建築現場の「調整役」に
 「原子力の平和利用は男冥利につきる」
 オイルショックとともに始まった原発の建設ラッシュ
 原発建設の「工程管理」という仕事
 日本の原発こうして誕生した
 原発の「つくり方」
 東芝、日立が建設を請け負ってGEの原子炉をつくる
 MARK2型原子炉は巨大事故を想定した設計
 計算を忘れられていた「波の増幅」
 6号機が管制した翌日、過労死した同僚
 作業員被曝の実態
 作業員の被曝より「ねじ山の傷み」を気にする東電
 「たまに守ろう安全標語」
 被曝作業のあとはビールのガブ飲み
 原発があれば、必ず作業員が被曝する

第3章 私が反原発に転じた理由
 私が原発から「逃げた」わけ
 中東の建設現場で知った労働者たちの現実
 パテント商売で食いつなぐ
 原発を建設した人間が口をつぐんでいていいのか?
 自浄作用が働かない原発の現場
 51歳の誕生日から「反原発の旅」
 旅の途中で出会った人々
 宮崎県にすみつく

第4章 浜岡は二度と再開させてはならない
 冷却機能は簡単に失われる
 活断層の真上に建つ恐るべき原発
 直下型地震にひとたまりもない原子炉の「スカート」
 設計者は「活断層の上に建つ原子炉」を想定していない
 危険を知りながら浜岡をつくった中電
 なんとしても浜岡を止める
 中部電力に乗り込む
 菅首相の「浜岡中止要請」への疑問
 浜岡の配管はすでに壊れていた
 四国の伊方原発と九州の川内原発も危険

第5章 未来の子供たちを殺さないために
 騙され続ける日本人
 建屋の「屋根」は風呂の蓋と変わらない薄さ
 「プルトニウムは飲んでもだいじょうぶ」!?
 まったく伝えられない低放射線被曝の恐ろしさ
 原子炉を閉鎖したら乳幼児死亡率が激減
 持っていく場所のない「使用済み燃料」
 「再処理」と「最終処分」の大ウソ
 高速増殖炉で倍増に要する時間は90年
 「中間貯蔵施設」という新たな恐怖
 原発で活性化し幸せになった町などひとつもない
 増大する原発の海外輸出
 放射線の被害は、未来の子供たちを殺すこしと


GE時代。下「」引用。

「GE時代、非常に驚いたのは、まず設計変更の回数の多さでした。主要配管だけで十数回の変更の回数の多さでした。主要配管だけで十数回の変更があることも珍しくありませんでした。電気計装の変更も非常に多かった。これは私が福島第一原発6号機の最終図面の作成を担当したときに実感したことです。」

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このヒビで大丈夫と……、悪い冗談。下「」引用。

「浜岡原発でシュラウドの亀裂がわかったとき、多くの人が「このヒビでは地震が来たらもたないのではないか」と心配しました。しかし、中部電力も国も「このままでも5年間はもつ」と言いました。計算上、亀裂の進展は5年以内なら安全、ということだそうです。そもそも「計算上入るはずのない亀裂」が入っているのに、「亀裂の進展」などまた計算して「安全です」というのは、悪い冗談にしか思えません。」

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請け負う日立と東芝。下「」引用。

「どうやって受注先を選定するのか、という部分については、私にはわかりません。ただ、ほとんどの場合は日立と東芝で、例えば福島第二原発であれば、4基のち2基が東芝、2基が日立、と政治的バランスが働いていたように思います。」

“タコ踊り”の悪夢。 下「」引用。

「原発の事故を夢で見たことも何度もありました。圧力容器につながる配管がギロチン破断し、格納容器内で暴れまわっている夢です。「タコ踊り」(パイプホイップ現象)と言って現場でみな恐れていた現象でした。」

すごい「うめちゃん」! 下「」引用。

「ビックリするようなキャラクターの人にも会いました。みんなから「うめちゃん」と呼ばれていた女性は、「一匹狼」の反原発活動家です。福島のアパートに反原発仲間と泊まっていたときでした。彼女は突然、朝暗いうちから、「今日は東海原発まで行く」と言って出て行った。クルマも免許も持ってはいないんです。背中に大きなハンドマイクを背負って、ヒットハイクで行ってしまう。
 -略-結婚していて、子どもも5人ぐらいいたはずです。この子たちを放射能から守りたい、という動機で反原発運動を始めたらしいのですが、それにのめりこんだ。」

「安全神話」PR作戦。下「」引用。

「これまで「安全神話」のPRに使われたお金はたいへんなものです。今後、こうしたPRにさらに騙されないためにも、過去の「常套的PR作戦」をちょっとご紹介しておきたいと思います。
 今、私の手元に、文部科学省と経済産業資源エネルギー庁が作成した『チャレンジャ!原子力ワールド』という立派な冊子があります。「中学生のためのエネルギー副読本」と記され、フルカラーで50ページ、A4サイズのものです。「新学習指導要領対応」で、巻末に企画制作委員会として、京都大学の教授を委員長に、東大、京大の教授や、文部省の調査官、さらに小学校、中学校の教諭の名前もならんでいます。ごていねいに、原発を抱える美浜や青森の小中学校の先生を選んでいる。もちろん原発推進に批判的な識者はひとりも入っていません。
 内容を見てみると、日本と世界のエネルギー事情、いろいな発電方法、原子力とはなにか、放射線の基礎知識、原子力発電のしくみ、原子力発電の今とこれから……と続いています。
 文科省はこれを副読本として、全国の中学校に無料で配布し、生徒たちに渡しています。もちろん串間市の中学校でもこれが配られました。この中身たるや、多少でも知識のある人ならば、なんの冗談かと思うような内容が並んでいます。-略-」








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