磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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『生きているヒロシマ』土門拳(写真・文)

2006年07月09日 | 読書日記など
『生きているヒロシマ』
    土門拳(写真・文)/築地書館1978年


帯に書かれてあります。下「」引用。

「あの八月から
三十三年後の今日
土門拳のヒロシマは
ようやく完本となった。

本書は国際的に高く評価された
「ヒロシマ」(一九五八年刊)と、
二十三年目、あらためて撮影した
「憎悪と失意の日日」の
ヒロシマとをあわせて
今日的な視点から
全く新しい構成した
世界に訴える
ドキュメントである。」



土門拳のファンの方も多いことと思います。

この写真家のとる作品は、どうも土くさい感じがします。

それが、土門拳の作風のように、ボクは思います。

この写真集もやはり、土くささを感じますし、心の底まで写しだしているように受け取れます。

目の前のものをただ美しく、消費意欲を高めようとする写真家の作品とはまったく違うものです。

どうも、不幸なのに、今の人たちよりも幸せそうに見えるのです。

生活を送るスピードもこの時代は遅かったと思う。

スローな、スローな土門拳。

スロー・ライフを実践された写真家ともいえるのではないでしょうか。

何よりも、子どもの笑顔が、子どもの表情が子どもらしくって、とてもいいです。

「はしがき」で、土門拳はボクと同じで被爆者の方を尊敬されているようです。

目次
「はしがき
はじめてのヒロシマ
1 原爆慰霊碑・倶会一処
2 原爆病院の患者たち
3 胎児だった少年 梶山健二君の死
4 孤児たちの家--広島市戦災児育成所
5 深い闇の世界で--盲児施設広島明成園
6 十三年寝たきりの人
7 被爆者同士の結婚 小谷夫妻の場合

憎悪と失意の日日
8 病理学標本
9 わたしの目をかえせ
10 大野寮のこどもたち
11 百合子ちゃん
12 信子ちゃん
13 史蹟原爆ドーム・原爆スラム・懐中時計

非凡中の凡-私の土門拳    草柳大蔵
あとがき
英文目次
     題字 著者」

『広島ピースセンター』盲児施設のことが書かれてありました。
財団法人『広島ピースセンター』(広大名誉教授長田新氏を理事長に、メソジスト流川教会の谷本清牧師を専務理事とする)が1954年に創設。

そこには、大原美代子さんも勤務されていることが書かれてありました。
大原美代子さんと盲目の双子の少女との楽しそうな写真もありました。
今の子どもたちよりも、ボクには幸福そうに見えました……。



カメラ毎日-創刊18周年記念-







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