磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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これから100年放射能と付き合うために

2012年05月02日 | 読書日記など
『これから100年放射能と付き合うために』
   菅谷昭・著/亜紀書房2012年

帯に書かれてあります。下「」引用。

「福島第一原子力発電所の事故から、1年が経過します。
原発は一見落ち着いてきたかのように見えますが、健康被害の実態、
食の安全性……まだまだ、わからないことだらけです。
今回の事故で明らかになったのは、国は必ずしも
私たちを守ってはくれないということ。ならば、
現状を正確に知って、自分でできることを始めるしかありません。
5年半のチェルノブイリ原発事故被災地の医療支援をした医師であり、
松本市の市長として給食での取り組みや福島支援で知られる著者が、
私たち一人ひとりが判断し取り組むための、放射能汚染対策について
語ってくれました。」



原爆168個分。下「」引用。

「また、セシウム137だけを取り出してみると、福島原発事故による放出量は1万5000テラベクレル。ヒロシマの原爆が89テラベクレルなので、単純に計算すると「原爆168個分」に当たります。このデータを試算した原子力安全・保安院(2011年8月26日公表)は、原爆と発電所の事故には違いがあるので単純比較は合理的ではないとの見解を出していますが、原爆が168個も落ちていたら……と、震えるような思いになります。」

ヒロシマ・チェルノブイリ・フクシマ……。下「」引用。

「ただ、ヒロシマの原爆は一瞬で、チェルノブイリの事故も10日ほどで収束しています。福島がそれと違うのは、いまだに3つの原発から放射性物質が空中に放出され続けているということ。その量については、公表されていません。-略-累積すると数字は相当高くなるのではないと推測しています。」

国の罪です。下「」引用。

「私はチェルノブイリを見てきた医師として、高度に汚染された地域に人が住んでいけないと考えてきました。それについて、声を大にして語ることはしませんでしたが、そろそろ言わなければならないと思っています。
 高度な汚染地域に、子どもや妊産婦を住まわせることは国の罪です。ベラルーシでは軽度の汚染地域でもたくさんの健康被害が起きています。ベラルーシの「居住禁止区域」や「厳戒管理区域」に当たる場所かからは、子どもや妊産婦をできるだけ早い段階で、一定期間避難させる施策を、国策として進めたほうがよいのではないでしょうか。併せて国は地域ぐるみで移住できる方法を考えるべきでしょう。」

水産庁のホームページ

このままいけば……。下「」引用。

「-略-今後はマグロなどの大きな魚で高い値が出るかもしれません。野菜と同じく、市場に出回っている魚は規制値以内のものですが、子どもや妊娠中の女性はなるべく汚染の心配がない海域の魚を食べたほうがよいでしょう。また、今後も水産物の放射能測定結果を注意深く見ていく必要があるでしょう。」

チェルノブイリから考察すれば……。「除染が終われば、汚染された地域でも暮らせるのでしょうか。」 下「」引用。

「チェルノブイリ被災地でも、除染は広範囲にわたって行われました。事故後、軍人だった男性たちの多くが、除染作業員として動員されています。その数は60万人とも80万人とも言われ、30キロゾーン内では表土を20センチ除去したといいます。今、汚染された瓦礫や土を捨てる場所が問題となっていますが、チェルノブイリの場合はすべてが国有地なので、おそらくゾーン内に捨てる場所を設けたのでしょう。
 しかし、それだけ削ったにもかかわらず、今もって30キロ圏内に住むことができないのです。30キロ圏内だけではありません。その外に広がるホットスポットも、1480キロベクレル以上の土地には立ち入ることもができません。これが現実です。チェルノブイリ被災地の多くは、農村や森林地帯でした。土の中に染みこんだ放射性種は安全レベルまで広範に除去することが難しく、経費も考慮の上、除染は無理だと判断したのです。-略-」

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子どもたちのためにサマー・キャンプ。下「」引用。

「2011年の夏には、福島県の飯舘村の子どもたちのために、4泊5日のサマーキャンプを開催しました。参加者は子ども48人、保護者16人。3班に分けて訪問してもらいました。
 参加者は無料で、松本市のバスで送迎し、水泳したり、上高地に行ったりという盛りだくさんのスケジュール。お世話をしてくださるボランティアも、ずいぶん集まってくれました。松本市としては400万円費用がかかりましたが、好評だったので1月4日から7日にかけて第2弾を実施し、児童とその家族49人が来松しました。-略-」

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