磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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日本原爆論大系 第7巻

2007年12月07日 | 読書日記など
『日本原爆論大系 第7巻
  歴史認識としての原爆』
    坂本義和、庄野直美(監修)/
     岩垂弘、中島竜美(編)/日本図書センター1999年

歴史認識……。人によってこれも意外に違うものですね……。イデオロギーにそった歴史認識の人たちもおられますが、事実が大切だとボクは思います。



「伸びゆく原爆孤児 「広島養成所」その後の五年」というタイトルで、『週刊朝日』記事(一九五○年八月一三日号)が掲載されています。
--「広島戦災児育成所」の裏山には「童心寺」と呼ばれる御堂があったという……。

仁科芳雄(理学博士・化学研究所社長)はコンプトン博士が語られたことを記載。下「」引用。

「もう五年の歳月が過ぎた。終戦後間もなくアメリカから来たコンプトン博士は、自分に向つて、戦争はするものではない。戦に勝った国も敗けた国も、結局は莫大な損害を被ることは、事実がこれを示しておるといつた。これは、われわれ戦敗者を慰める言葉だけではない。こんど自分はアメリカに行つて、戦時中に国民がどんな負担をかけさせられたかを見、そのために、例えば文化の進展にどれだけの遅れを生ぜしめたかを思つて、コンプトン博士のいつたことが正しいことを再認識したのである。」

華やかなパーティでの第二次大戦でのヒーロー。
--それで庶民の生活が破壊されたことが消えるわけではないでしょうね……。
いくら戦勝国といっても……。

ヒーローに浮かれて、庶民の生活は忘れさそうとしているのか?
--橋崩落事故のときも、明らかに行政の怠慢なのに、ヒーローをつくって、めでたしめでたしというシナリオを書いているのではないか? と疑問を持った……。

広島市内に住む社会事業家の山下義信氏(西本願寺派)が語られたという。下「」引用。

「慰霊祭もけっこうだ。記念式典もけっこうだ。皇太子のこられるのも、けっこうなことである。しかし、被爆者など原爆で損害をうけた人々に援助の手をさしのべること、これに、まず、全力をそそぐべきであろう」


重藤医師は日赤本社の院長会議が開かれるたびに力説したという。下「」引用。

「博愛と人道主義を唱える赤十字でありながら、この悲惨な被爆者に、何ひとつ手を打っていないではないか。日赤はなぜ国際赤十字に働きかけて、しかるべき治療機関を設置しないのか」

「残存放射能を無視しつづけるABCC」『週刊朝日』記事(一九七○年八月一四日号)

index

長崎原爆の時の爆撃手、カーミット・ビーハンは謝罪したという。それは1985年8月11号『サンデー毎日』の記事。下「」引用。

「ビーハン氏は日本人を鬼のように描いた戦争中のマンガを見せ、
「当時のアメリカのマスメディアは、日本人をこのような形で報道した。日本でも、アメリカ人のことを同じように見ていたのではないか。戦争は、お互いが相手をゆがめて憎しみを増すようにするものだ」
 と、戦争の持つ狂気性について触れ、
「わたしの本当の気持ちをわかってくれるなら」
 と、原爆の引き金をひいた男としての心情を少しずつ吐露し始めたという。」

 
しかし、長崎の平和式典には招待されなかった。

INDEX

「謝罪」は個人の問題ではないと語る……。下「」引用。

「長崎原爆被災者協議会」(一万六千人)の山田拓民(ひろたみ)事務局長は、
「本当に謝罪すべきなのは米国政府であって個人の問題じゃない。もちろん、本人が心の痛みを感じて謝りたいという気持ちは大事にしたいけど、反核を世界に広めるという決意を持ってほしいですね」


そして日本の加害責任。なぜ加害責任がなぜ伝わらないのか……。下「」引用。
「「日本人は、自分たちの加害責任さえ認めていないじゃないか」といった反発が見られるのでしょう。それにしても、なぜ加害責任を認めている日本人の姿が、海外に伝わっていないのでしょうか。」


という文章もありました。

カーミット・ビーハンの時と同様、個人の謝罪よりも大切なのは政府なのではないでしょうか?


--こういう文章がありました。下「」引用。

「「ベストセラーの戦後史」の井上靖さんは、口を極めて永井さんを罵りました。」

えっ! 井上靖さんが、そんなことをするのか?
--これは、興味があると思った。
しかし、検索しても見つからず。

「こりゃ、井上靖とちがって、井上ひさしだ! ボクも若いころ間違って笑われたものだ……。」

検索しなおして見ると、やはり井上ひさしだった。


ベストセラーの戦後史1&2






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