磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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おはなし名作絵本29 かあさんのうた

2006年06月14日 | 読書日記など
『おはなし名作絵本29 かあさんのうた』
   大野允子(文)/山中冬児(絵)/
     ポプラ社1977年、1993年17刷

これも被爆樹の話といっていいと思います。
木と人間は切ってもきれない間柄ですね。



表紙の裏にこう書かれています。
「八月六日、広島に原子爆弾の落とされた夜、町はずれのくすのきの下へも、おおぜいの人がにげてきました。みんなやけどをおって、もううごけない人もありました。その中に、くすのきは、小さなうたごえをきいたのです。
まいごのぼうやをだいてうたっているのは、おさげのかみの女学生でした。かあさんをよびつづけるぼうやをほっておけなかったのです。小さなかあさんになった女学生は、くすのきによりかかってぼうやをしっかりとだいて、いつまでも子もりうたをうたいつづけました。
--広島在住の著者が原爆への静かな怒りを込めて描く名作の絵本化」

そうですね、やはり感傷的にもなりますが、怒りは大切と思います。

知れば知るほど、怒りを忘れてはならないと思います。
しかし、怒り=復讐などではなく、平和の心であることが大切と思います。

この、楠の木のことが気になりますね。
作者は「あとがき」でこたえています。
「今も、樹齢何百年かの楠は満ちのほとりに立っています。広島へ行くバスの窓から巨大な楠を、私は眺めます。そして、「……この木は、なんもかんも、知っているんだな」と、ため息を吐くのです。
 楠が黙っているから、かわりに私がこのお話を書きました。」



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