『零から数えて』
堀田善衛(よしえ)・著/文藝春秋新社1960年
つかみどころのない小説といっていいかと思いました。
普通は「ワン、トウ、スリー、1、2、3」と数えるのが順当だという。
それを、あのデーヴィッドは、5、4、3と数えるという……。
--ボクの地方では、デタラメに数えていましたね。
東京に来て、それをやったら、大笑いされました……。
体操の時ですが、別に何でも、節にあわせていればいいわけですから……。
こんなことが書かれてありました。下「」引用。
「0をひょんな機会に踏み越してしまった人の眼で見たら、これらのすべてはどんなに見えるのであろう。」
このころに、もうサブリミナルということが書かれてありました……。
『堀田善衛全集5』
堀田善衛・著/筑摩書房1974年
この本で、『零から数えて』の解説があります。下「」引用。
「実際「零から数えて」という小説は難解な、というよりむしろ不可解なと言ったほうがいい小説であって、わたし自身、作者がこの作品で何を言おうとしているのか、いや、はたして作者には自分の書いていることが何もかも、隅から隅までわかっているのかどうか、はなはだ疑問に思えるのである。ただこの作品を、さきにもたびたび触れた昭和三十年代前半のもやもやした社会的雰囲気の中において眺めるなら、これが書かれた当時よりも時を隔てた今日のほうが、かえってこの作品を理解しやすくなっていることがわかる筈である。」
そうだろうなあーと思う……。
■もくじ■
・鶴のいた庭 3
・黄金の悲しみ 17
・明日(あした)、泣け 32
・背景 44
・香港にて 64
・主題と変奏 88
・河 105
・零から数えて 171
・その姿 307
・黄塵 315
・運命 332
解説 昭和三十年代の苦渋と苛立ち 佐々木基一 385
解題 393
目次
堀田善衛(よしえ)・著/文藝春秋新社1960年
つかみどころのない小説といっていいかと思いました。
普通は「ワン、トウ、スリー、1、2、3」と数えるのが順当だという。
それを、あのデーヴィッドは、5、4、3と数えるという……。
--ボクの地方では、デタラメに数えていましたね。
東京に来て、それをやったら、大笑いされました……。
体操の時ですが、別に何でも、節にあわせていればいいわけですから……。
こんなことが書かれてありました。下「」引用。
「0をひょんな機会に踏み越してしまった人の眼で見たら、これらのすべてはどんなに見えるのであろう。」
このころに、もうサブリミナルということが書かれてありました……。
『堀田善衛全集5』
堀田善衛・著/筑摩書房1974年
この本で、『零から数えて』の解説があります。下「」引用。
「実際「零から数えて」という小説は難解な、というよりむしろ不可解なと言ったほうがいい小説であって、わたし自身、作者がこの作品で何を言おうとしているのか、いや、はたして作者には自分の書いていることが何もかも、隅から隅までわかっているのかどうか、はなはだ疑問に思えるのである。ただこの作品を、さきにもたびたび触れた昭和三十年代前半のもやもやした社会的雰囲気の中において眺めるなら、これが書かれた当時よりも時を隔てた今日のほうが、かえってこの作品を理解しやすくなっていることがわかる筈である。」
そうだろうなあーと思う……。
■もくじ■
・鶴のいた庭 3
・黄金の悲しみ 17
・明日(あした)、泣け 32
・背景 44
・香港にて 64
・主題と変奏 88
・河 105
・零から数えて 171
・その姿 307
・黄塵 315
・運命 332
解説 昭和三十年代の苦渋と苛立ち 佐々木基一 385
解題 393
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