磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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日本の原爆記録19

2006年06月15日 | 読書日記など
『日本の原爆記録19』
       日本図書センター1991年
『原爆詩集 広島編』栗原貞子・伊藤眞理子/新編
いろいろな方の作品が掲載されています。



【収録作品】

『原爆詩集』峠三吉
『詩集 原子雲の下より』峠三吉
『広島不虚(ひろしまむなしからず)』米田栄作
『詩集 廣島』米田栄作
「原爆小景」(『原民喜全集第一巻』)原民喜
『ママン』水野潤一
『平和詩集 わが内なる言葉』松尾静明
『詩集ヒロシマ--戦後二五年アンソロジー』詩集ヒロシマ編集委員会編・刊
『ヒロシマというとき』栗原貞子
『空』堀場清子
『原爆の日』吉岡満子
『ヒロシマ連?』石川逸子
『ヒロシマの顔』森下弘
『伊藤真理子詩集(日本詩人叢書45)』伊藤真理子


一つの長い詩の一部を引用させていただきます。下「」引用。

「グラフに載った写真
          吉塚勤治

1

これは一枚の写真だ。
記念撮影にちがいない。
十二人の屈強な飛行服の男たちの写真。
AP特約のその写真が
いま日本のグラフの巻頭に載っている。

〈我々は広島に原爆を投下した〉
太い黒文字の横見だしの下に、
テニアンに帰着瞬間のエノラ・ゲイ号、
その搭乗員十二人の記念写真。
七人の口のあたりをほころばせて笑い、
五人は口をきっと結んでいる。

-略-

5

そして君たちは帰った。
アメリカへ、
市民生活のなかへ。
君たちは製菓会社社員であり電力会社社員であり経営学専攻のセールスマンであり水道工事倉庫のマネージャーであり航空機整備会社技師であり原子力会社社長である。

君たちはもちろん愛妻家だ。
君たちはもちろんよいパパだ。

〈多くのアメリカ人と日本人のいのちを救った〉君たちだから、
うしろめたいことはない。
あの瞬間を思いだすこともない。
ヒロシマ、ナガサキのことは考えない。
知ろうともしない。

そして十人のうち八人にまでがAP記者に答える。
〈もう一度命令されたら、私はよろこんで爆撃に行くだろう、アメリカのために!〉」


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