磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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創作こども文学3 風のみた街

2007年04月18日 | 読書日記など
『創作こども文学3 風のみた街』
    竹田まゆみ・作/司真美・絵/ポプラ社1985年

風が語ります……。でも、この風は風らしくないような気がします。とても真面目で気がやさしい、竹田まゆみさん、そのままの感じです。風はそんなわけがないような気がボクにはします。



風には年齢があるのでしようか?

竹田まゆみさんの風は、何万年生きていたという……。

リアリズムというよりも、ファンタジー作品。

空想の自由の羽をひろげて、風はとんでいって欲しい!

しかし、この風は一人の少年を……。

風のふくままに……、一人の少年を……。

はじめて会ったのは、駄菓子屋の前で、洪介を。

虫歯のおおい少年、ばあちゃん子といわれる……。

風は少年をとりまく人をも見つめます……。


風は広島に原爆が投下されたときも……。

洪介の親友が原爆症でなくなっていきます……。


そして20年すぎ、父になった少年……。


そして60歳になった洪介……。
自然にかえる年齢になった少年は風と語ります……。

人を愛する洪介、悲しいドラマが……。

でも、風と作者は……。
洪介は命を尊ぶ素晴らしい人生をいきたんだよと--。
うたってくれているようです。


風は今もみていることでしょう。
生きていてよかったね。
命を大切に思って生きられた人たち……。


そう何万年も生きた風だよ!
ほとんどの人間は死んでいく……。
いいえ、すべての人間がこの世に生命をうけたかぎりは死んでいく……。
それを見つづけてきた風なのです。

生きていてよかったね。
命を大切に、勇気をもって生きられた人!


合掌。







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