磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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バーバラへの手紙

2009年09月28日 | 読書日記など
『バーバラへの手紙』
   レオ・メーター(作)/上田真而子(訳)/岩波書店1991年

何か人間らしさをもっていたかったのだろう……。
--あまりにも、過酷で冷酷で残虐な世の中……。
こんな世の中ではあってはならないと思う。



表紙のような、絵手紙です。

3歳の娘、バーバラーに書き送った手紙だという。

当時は、3歳の娘には理解できなかっただろうが……。

でも、書かずにはいられなかったのだろう……。

しかし、メルヘンチックに書かれてあり、どうも現実の戦争とは大きくことなる……。

だが、現実が全てとは限らないが……。

戦争とはもっと過酷なものだ……。

それを強烈に感じていたであろう作者……。下「」引用。

「これはユダヤ人の女と結婚し、ナチスによって家族と引き裂かれた男が、兵役につかされ、銃殺されるまでの間、戦地から三歳で別れた娘バーバラにあてて送った手紙を、まとめたもの。-略-」『産経新聞91/12/28』より。


軍事郵便番号というのがあったという。

そして、裏表紙に書かれてある。下「」引用。

「レオ・メーター
 1909年ケルン生まれ。舞台美術家、イラストレーター。1933年逮捕され、1934年オランダに亡命。そこで、やはり逃げてきたユダヤ人エリザベート・ブラウトを知る。1939年娘バーバラ誕生。1942年ケジュタポに逮捕され、軍に渡される。そしてウクライナの地から、ここに初めて公表されたバーバラ宛の手紙を書き送った。1944年7月、おそらくは命令に服従することを拒否したかどで、銃殺にされた。」

そして、娘バーバラ・メーターの文章。下「」引用。

「-略-父からきた最後の手紙は、1943年の冬に書かれたものです。1944年7月26日、父はポーランドで戦死しました--それとも、銃殺されたのかもしれません。どちらなのか、私たちにはわかりません。まだ36歳になっていませんでした。父は、〈だめな兵士〉でした。父と同じ中隊の兵士だった人が戦後母を訪ねてきて、父は発砲しなければならなくなったとき、空に向けて撃った、という話をしてくれました。そのために殺されたのかもしれないのです。
 父を取り戻すことができるのなら、私はどんなことでもしたでしょう。私は父を誇りに思います。父がだれであったかを、どんな人であったかを、父のありようをあらわしているその手紙と絵を、私は誇りに思います。それから、空にむけて撃ったことも。」








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