磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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高校生新書33 遠い日のかげ

2009年02月24日 | 読書日記など
『高校生新書33 遠い日のかげ』
   草部和子・著/三一書房1965年

どうも、著者の目が冷血に思えて、メロドラマにさえなっていないと思った……。
--もちろん、ドキュメンタリーにこれほど偏見が入ってもおかしいと思う。
世の中には偏見があるけれど、作家がそうなれば、物語りが曇るのではないか?
--偏見は知恵などではない……。それを、そのまま書いていて社会派のような昔の小説……。



名は……。下「」引用。

「帚木(ははきぎ)の君。というのよ。『帚木がくるぞ』『何だ、ほうきか』なんて、ガヤガヤいっているから何のことかと思ったら、窓の下を、貴女が長い髪の毛をうしろに垂らして、しずしずと歩いてくるじゃない。何とも古風な人だわよ。『形式は内容を決定する』っていうでしょ」

昔から、そうとは限らない……。
--偏見が教養と思っている人たちもいる……。

斎先生、長崎出身。

差別発言がたくさんある小説……。下「」引用。

「深溝さんて人は、被爆者で孤児で一文無しで、その上、変てこな切支丹の出身という。これじゃ一体どこにとりえがあるの。これをよんで、まさかお母さんのお節介なんていうまいね!」

そして、人権侵害では……。下「」引用。

「人格? よくそんな大きな口がきけること。十八やそこらで、親に食わしてもらえってるくせに! 人格なんてものはね、女は嫁にいって子供を生んでから、はじめてできるのよ」

女性差別を女性がする……。

そして、大学勤務の父の発言。下「」引用。

「しらないんだ。……梨枝子も、原爆後遺症のおそろしさを、本でよんで勉強してみるといい」

これほどの偏見があって、『原爆孤児』が売り物になるという……。下「」引用。

「『原爆孤児』を売り物に、娘を誘惑しようとなさったんじゃありませんか!」

斎先生が被爆体験を話す。

そして、学問というよりも、偏見を教える……。下「」引用。

「梨枝子は、父の大学で病理の医師から、原爆奇形児の標本をみせられた日のことを、不意に生ま生ましく思い出して肌に粟を立てた。-略-」

同じことでも、人類の幸福を考えて、教える人たちもいる……。
--そのような人たちは希有の存在になってきていると思える……。テレビに出ているセレブたちを見ていれば……。







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