『原発のいま!』
西尾漠・著/三一書房1983年
今年、世界の潮流と原発のことを報道していた日本のマスコミ。
そして、日立や三菱は原子炉を輸出すると伝えられていた……。
今年の石油の価格の乱高下には参りましたね……。下「」引用。
「「ベース電源」のうち、石炭やLNGを引き取り量があらかじめ決められており、需要が下がったからといって引き取り量を減らしにくいしくみになっている。「LNGを消化するために原発をやめるという問題も起こりうる」(生田豊朗日本エネルギー経済研究理事長--八三年一月十三日付朝日新聞)というのである。」
この方がいいかもしれない……。投機の対象にならないから……。
バスが原油高で廃止されたというのに、すぐに原油は安くなった……。
しかし、つぶれたバスを元にもどされることはないようだ。
--そして、タクシーを使ったら、さらに環境にも悪い。
こんな市場原理主義が政治を握るのなら、もはや高給取りの官僚もいらないのでは?
パソコンにでもやらせればいい!
--単純な破壊活動にしかすぎないとボクは思うが……。
エネルギー危機をつくりだす。下「」引用。
「「動員」される立場にとっては、「エネルギー危機だ。だから原子力を」という俗論は、なにも考えなくてよいためのいいわけとなるのだろう。危機でおどかして、“万能の神”--原子力で救済する、メロドラマの構造である。-略-」
今年もそうでしたね……。大手マスコミは、熱狂していました!
--それがつくられたものであり、つまりウソだったという……。
【原子力】世界の潮流はウソだった!
もしウソが事実であっても、安全保障で大きな問題であるということも忘れてはならないと想う。下、高木仁三郎の指摘……。
石油がないとダメな原発……。下「」引用。
「原子力発電とは、石油を使ってウランを掘り出し、石油を使ってウラン235の含有率を高め、石油を使って燃料に加工し、石油を使って建てた発電所で石油を使って運転し、使用ずみの燃料は石油を使って再処理工場に運び、石油を使って化学処理を施し、放射性廃棄物を石油を使って処理・管理し……と、大量の石油を使って何がしかの電気を得、石油を使って送・配電することである。
寿命のつきた原子炉の廃炉まで考えれば、かえって石油のムダづかいともいわれているのだ-略-」
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そして、外国からのウランなども、エネルギーを大量につかわれて日本にやってくるという。
この本が書かれたころの三菱の人の意見。下「」引用。
「三菱重工の某氏がいう「下手に輸出して事故でも起こされたら世界中が迷惑する」といった見方のほうが「重電業界には強い」(原子力業界紙『原通』八一年二月九・十六日合併号)のだそうだ。
否、やはり東京電力の堀一郎副社長が『原子力工業』八二月八月号で語っているように、「いままでのところは、残念ながら、相手にされていない」というのがほんとうなのではないか。
いずれにせよ、アメリカの尻尾に乗って部品輸出ならともかく、「日の丸」原発の輸出などとは夢物語ですらない。」
国家主導というのは、ここでも想う……。
「敦賀原発事故修理費の怪」 下「」引用。
「ところで、敦賀原発では、事故の補修に約一四○億円を投入したという。また、被害補償としては約二○億円が見込まれている。同原発の建設費が公称三二三億円であることからすれば、大変な巨額だといえるだろう。」
「原発が攻撃をうけたら」 下「」引用。
「八一年六月、イスラエルによってイラクの原子炉の爆破がおこなわれた。八二年一月には、何者かがフランスの高速増殖炉“スーパー・フェニックス”を砲撃し、十二月にはも、黒人解放組織「アフリカ民族会議」が南アフリカの原発を爆破した。
いずれも核燃料を装荷する以前の、建設中の原子炉だったため、大事にはいたらなかったといわれるが、通常兵器による攻撃をうけてさえ、原子力施設が破壊された場合には、核攻撃をうけたのと同じ効果が働いてしまう恐怖がまざまざとみせつけられたといえる(図1参照)。原子力施設が核攻撃をうけたら、さらに大変なことだ。」
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高木仁三郎の指摘。下「」引用。
「核兵器用にはプルトニウム239の含有率が高いほど好都合なので、右の計画では、レーザー濃縮と呼ぶ方法でプルトニウム239の含有率を高めるという。プルトニウム生産炉でつくられたプルトニウムも、この濃縮をおこなってさらに純度の高いプルトニウム239にすれば、中性子爆弾などの核弾頭の小型化に有利だ、と高木仁三郎氏は指摘している。
ともあれ、「平和利用」の原発が、あとから「軍事利用」としての意味が加えられる事態をむかえていることを、ここではとくに強調しておこう。」
もくじ
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目 次
西尾漠・著/三一書房1983年
今年、世界の潮流と原発のことを報道していた日本のマスコミ。
そして、日立や三菱は原子炉を輸出すると伝えられていた……。
今年の石油の価格の乱高下には参りましたね……。下「」引用。
「「ベース電源」のうち、石炭やLNGを引き取り量があらかじめ決められており、需要が下がったからといって引き取り量を減らしにくいしくみになっている。「LNGを消化するために原発をやめるという問題も起こりうる」(生田豊朗日本エネルギー経済研究理事長--八三年一月十三日付朝日新聞)というのである。」
この方がいいかもしれない……。投機の対象にならないから……。
バスが原油高で廃止されたというのに、すぐに原油は安くなった……。
しかし、つぶれたバスを元にもどされることはないようだ。
--そして、タクシーを使ったら、さらに環境にも悪い。
こんな市場原理主義が政治を握るのなら、もはや高給取りの官僚もいらないのでは?
パソコンにでもやらせればいい!
--単純な破壊活動にしかすぎないとボクは思うが……。
エネルギー危機をつくりだす。下「」引用。
「「動員」される立場にとっては、「エネルギー危機だ。だから原子力を」という俗論は、なにも考えなくてよいためのいいわけとなるのだろう。危機でおどかして、“万能の神”--原子力で救済する、メロドラマの構造である。-略-」
今年もそうでしたね……。大手マスコミは、熱狂していました!
--それがつくられたものであり、つまりウソだったという……。
【原子力】世界の潮流はウソだった!
もしウソが事実であっても、安全保障で大きな問題であるということも忘れてはならないと想う。下、高木仁三郎の指摘……。
石油がないとダメな原発……。下「」引用。
「原子力発電とは、石油を使ってウランを掘り出し、石油を使ってウラン235の含有率を高め、石油を使って燃料に加工し、石油を使って建てた発電所で石油を使って運転し、使用ずみの燃料は石油を使って再処理工場に運び、石油を使って化学処理を施し、放射性廃棄物を石油を使って処理・管理し……と、大量の石油を使って何がしかの電気を得、石油を使って送・配電することである。
寿命のつきた原子炉の廃炉まで考えれば、かえって石油のムダづかいともいわれているのだ-略-」
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そして、外国からのウランなども、エネルギーを大量につかわれて日本にやってくるという。
この本が書かれたころの三菱の人の意見。下「」引用。
「三菱重工の某氏がいう「下手に輸出して事故でも起こされたら世界中が迷惑する」といった見方のほうが「重電業界には強い」(原子力業界紙『原通』八一年二月九・十六日合併号)のだそうだ。
否、やはり東京電力の堀一郎副社長が『原子力工業』八二月八月号で語っているように、「いままでのところは、残念ながら、相手にされていない」というのがほんとうなのではないか。
いずれにせよ、アメリカの尻尾に乗って部品輸出ならともかく、「日の丸」原発の輸出などとは夢物語ですらない。」
国家主導というのは、ここでも想う……。
「敦賀原発事故修理費の怪」 下「」引用。
「ところで、敦賀原発では、事故の補修に約一四○億円を投入したという。また、被害補償としては約二○億円が見込まれている。同原発の建設費が公称三二三億円であることからすれば、大変な巨額だといえるだろう。」
「原発が攻撃をうけたら」 下「」引用。
「八一年六月、イスラエルによってイラクの原子炉の爆破がおこなわれた。八二年一月には、何者かがフランスの高速増殖炉“スーパー・フェニックス”を砲撃し、十二月にはも、黒人解放組織「アフリカ民族会議」が南アフリカの原発を爆破した。
いずれも核燃料を装荷する以前の、建設中の原子炉だったため、大事にはいたらなかったといわれるが、通常兵器による攻撃をうけてさえ、原子力施設が破壊された場合には、核攻撃をうけたのと同じ効果が働いてしまう恐怖がまざまざとみせつけられたといえる(図1参照)。原子力施設が核攻撃をうけたら、さらに大変なことだ。」
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高木仁三郎の指摘。下「」引用。
「核兵器用にはプルトニウム239の含有率が高いほど好都合なので、右の計画では、レーザー濃縮と呼ぶ方法でプルトニウム239の含有率を高めるという。プルトニウム生産炉でつくられたプルトニウムも、この濃縮をおこなってさらに純度の高いプルトニウム239にすれば、中性子爆弾などの核弾頭の小型化に有利だ、と高木仁三郎氏は指摘している。
ともあれ、「平和利用」の原発が、あとから「軍事利用」としての意味が加えられる事態をむかえていることを、ここではとくに強調しておこう。」
もくじ
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