磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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戦争絶滅へ、人間復活へ-93歳・ジャーナリストの発言-

2010年04月19日 | 読書日記など
『戦争絶滅へ、人間復活へ-93歳・ジャーナリストの発言- 岩波新書 新赤版 1140』
   むのたけじ・著/黒岩比佐子・聞き手/岩波書店2008年

斎藤隆夫の反軍演説もその場で聴いたという……。



一番いやだったのは近衛文麿。下「」引用。

「近衛文麿をいやだなあと感じたのは、自分に都合の悪い質問を受けたりすると、不快感をむき出しにして、顔にも足にも表現したからです。そのもろさがたまらなかったからだ。一度、華族会館(現・霞会館)にインタビューをしたとき、ちょっと不躾な質問を一つしたら、ぷいと立ち上がって奥に引っ込んで、二度と姿を現わさなかった。-略-」

「従軍特派員としてインドネシアへ」太平洋戦争海戦直後。
「戦場の特権」 下「」引用。

「本当にいやなことだけれども、戦場にいる男にとっては、セックスだけが「生きている」という実感になる。しかも、ものを奪う、火をつける、盗む、だます、強姦する……ということが、戦場における特権として、これまでずっと黙認されてきました。」

慰安所で取材をしたという。下「」引用。

「慰安所というものに対して、やはりこれは社会問題だと思ったので、私はそこへ行って実際になかに入って、女性たちに話を聞きました。記事にはできなかったけれど……。女性たちにここへ来た事情を聞くと、だまされた、おどされた、拉致された、というように、それは人によってさまざまだった。もちろん、取材するときはちゃんと女性に払うべき銭を払って、インタビューさせてもらったんです。一人の料金が一円か一円五十銭でした。-略-」

地元民に見られていた……。下「」引用。

「それを、地元のインドネシア人たちに、全部見られているわけですよ。慰安所を設けてから、「日本人って馬鹿なやつらだな、たいしたことはないな」というインドネシア人の反応が強まった、と私なんかは思った。そうした反応が広がるのは速い。彼らは口づてで情報を伝える。口での伝播力が強いし、そこに感情が入るわけで、本当に恥さらし。-略-」

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現地の「従軍作家・画家の思い出」、タケリンさん。
--日本の従軍作家・画家。下「」引用。

「一番威勢がよかったのは大宅壮一、画家や漫画家では横山隆一だった。少し遅れて、林芙美子も南方報道班員としてやってきました。彼女はバタビアを訪れた七月のある日、ちょうど炎天下の中央広場でスカルノが演説した。長い流刑生活を終えて、ふたたび民衆の前に姿を見せた独立運動の指導者は熱弁をふるっていましたが、言葉がわからないせいもあって、彼女は生あくびをかみ殺してばかりいた。でも、バザールに案内されて、豊富な綿、純毛、砂糖、缶詰などを見たとたんに、「すばらしいわ、すてきだわ」と目を輝かせていましたが。
 日本から軍と一緒にやって来た文化人を、占領されている土地の民衆が歓迎するはずはないですよ。-略-」

「中止になった広島取材」
準備はするが中止となったようだ。下「」引用。

「ソ連参戦のニュースが入っていました。デスクに「もう必要がなくなった」と言われて、三人の広島行きは中止になったんです。-略-」

鹿児島の知覧特攻平和会館。下「」引用。

「本当は、カミカゼ特攻隊を若者たちにやらせて、戦後ものうのうと生き残っている人たちがいるわけですが、彼らの責任は、その展示のなかではいっさい問われていません。単に美化して、こんなにかわいそうだった、ということのみ印象づけるように受け取れるんです。カミカゼ特攻隊が突っ込んでいって何千人も殺している、ということはほとんど触れていませんし、あれを見た後で、戦争というものを深く考えよう、という気持ちになるとは思えませんでした。-略-」

許せない。下「」引用。

「私は、政治家が「カミカゼ特攻隊を私は尊敬している」みたいなことを言うのが許せない気がしますね。やはり、戦争をリアリズムで捉えていない。言葉では「御国のために喜んで死ぬ」と言っていても、志願するように無言の圧力をかけられて、追いつめられたら、誰も嫌だとは言えないわけでしょう。」

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宗教と権力……。下「」引用。

「しかも、宗教は民衆の側ではなくて、必ずといっていいほど権力の側に立つ。そうでなければ、宗教が自分を守れないからです。キリスト教も、イスラムも、ユダヤ教も、仏教も、その多くが権力の側に立っているから、あんな大伽藍ができたんですよ。権力の秩序のなかに組み込まれたようになっている。-略-」

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