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経済評論増刊号 市民のエネルギー白書 ’85

2008年07月03日 | 読書日記など
『経済評論増刊号 市民のエネルギー白書 ’85』
   エネルギー問題市民会議・編/
     高木仁三郎、他・著/日本評論社1985年

よくまとめられた一冊ではないかと思います。
--原発推進派の詭弁とはかなり違います……。



■目次・主なタイトルのみ■
第一部 Q&A〈それでも原発は必要か〉  4
第二部 原発社会-脅かされる市民の安全と自由  87
第三部 原発なき社会をめざして  133
第四部 資料編  183

こんなQがあります。下「」引用。

「Q2 ECCSは信頼できるか?
以前から信頼性に疑問を投げかけられているECCS(緊急炉心冷却装置)は、スリーマイル島原発事故のとき作動したことによって、逆にその信頼性が実証されたのではないでしょうか。」

--原子炉が停止しても、炉心では放射能自身による発熱が続く。
それゆえ炉心を冷却する必要があるという。そしてスリーマイル事故のとき。下「」引用。

「ECCSにより、放射能自身の発熱を除去することはできませんでした。そのため、炉心は壊滅的な破損を受け、あのような大事故になってしまったのです。」

ECCSは停止しないと危険……。下「」引用。

「とくに、ECCSの注入水により冷やされると、原子炉圧力容器はもろくなる性質があり、破損する恐れがあります。したがって、圧力容器破損を防ぐ観点からも、ECCSの適切な停止操作は不可欠」

プライス・アンダーソン法のことについて書かれてありました。下「」引用。
 
「それで、「原発先進国」だった米国で、一九五七年にプライス・アンダーソン法という法律がつくられました。それは、原発の万一の事故のときも、保険屋さんは一定の限度額までの賠償責任を果せばよく、あとは国でめんどうを見るという、「自由経済」らしからぬ条項から成り立っていました。この法律のおかげで、超危険な原発を、やっと商業ルートにのせることができたのです。」

原子力帝国というのは、このことからも言えると思います。

【地震】

日本で、電力会社がかけている保険は最高一○○億円というが……。下「」引用。

「地震・噴火・津波」などの天災地変、「戦争・テロ」などの社会的動乱は対象外となっているのです(原子力損害賠償法第三条)。さすがの保険屋も、地震のような怖い災害は含めたくなかったのです。」

非科学的な表現であるという。
--「関東大震災の三倍」。
「関東大
地震」ではなく「関東大震災」というところが、ミソだという。下「」引用。
「関東大地震の震源(地震の中心の位置)は、東京から八○キロメートルも遠方の相模湾だったのです。」

空白地域こそ危険という説もあるという。しかし、どうして安全などという考えが生まれたか? 下「」引用。

「危険に地帯に立つ日本の原発
 そうすると、まじめに考えては、日本に原発は建設できないことになりますから、地震力をできるだけ小さく想定しようということになります。そこで、日本では、過去に発生した地震はすべて、おなじ場所におなじ規模でふたたび発生するはずだと考えることにしたのです。そう考えれば、地震の記録の少ないところ(過疎地)や、地震の発生していないような場所(いわゆる空白地域)に原発を建てることができるからです。」

原発を建てるためだけの、見せかけの安全だったというわけですね。


電力会社のパンフレットなどには、五重の壁で安全と書かれているという。しかし……。下「」引用。

「「壁」は、平常運転時にさえ、変質し、脆くなっていきます。そして事故が発生しますと、スリーマイル島事故が示したように、「壁」は崩れたり、役立たなくなってしまうてのです。」

--スリーマイル原発事故のデータも信用できないという。
希ガスは公式発表の10倍……。

廃炉も危険
・解体作業で発生する膨大な廃棄物。
・労働者被ばくと環境汚染は必至。

プルサーマルという英語はないという。

やはり、漁業と原発は共存できないと書かれてあります。

--カレン・シルクウッドの「謎の死」以外にも、
ドイツでも暗殺されかかったという。

「私は、私がもはや若者でないことを喜ぶ。そして私の孫を気の毒に思う」
--リリエンソール(米国原子力委員会初代委員長)の悲嘆。







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