『国連軍の犯罪－民衆・女性から見た朝鮮戦争－』
藤目ゆき編・解説/不二出版2000年
国連軍だからといって、平和軍などというわけではない。
－－朝鮮戦争当時、713部隊の石井四郎が韓国へ出向いていったという……。
＊「」内のかなづかいは本文のママにしました。
『国連軍の犯罪』収録内容
解説－－藤目ゆき
I アメリカの朝鮮における犯罪行為－－国際民主法律家協会調査団
（『白人は有色人種を迫害する』三一書房 一九五二年刊 付録）
II 細菌戦黒書－－アメリカ軍の細菌戦争－－国際科学委員会報告
（『細菌戦黒書－－アメリカ軍の細菌戦争』蒼樹社 一九五三年刊）
片山さとし 訳
III アメリカ軍の残虐行為－－国際婦人調査団報告
（『細菌戦黒書－－アメリカ軍の細菌戦争』蒼樹社 一九五三年刊 付録）
「解説 国連軍の犯罪－－民衆・女性から見た朝鮮戦争」下「」引用。
「本書は、朝鮮戦争のさなかに戦場を視察・調査した三つの国際NGOの報告書を一挙に集成した資料集である。
一九五○年六月二五日に戦争が勃発すると、米国はただちに駐日米軍を派兵して介入し、台湾海峡を封鎖し国連安全保障理事会を召集してソ連欠席の中で朝鮮民主主義人民共和国を侵略者と決議させ、国連軍を組織した。国連軍には一六カ国が参加したが、いずれも小部隊で、中心は米軍である。李承晩（イ・スンマン）政権は米軍に軍隊指揮権を委譲し、大韓民国は米軍指揮下で戦闘に従事した。－略－」
反共・赤狩り旋風。下「」引用。
「だが、これらの調査団派遣や報告書の領布はやすやすと行なわれたわけではない。当時、西側諸国では反共・赤狩り旋風がふきあれ、平和運動に対しても「アカ」のレッテルがはられ、女性も法律家も、調査団に参加したり報告書を領布して「国連軍の犯罪」を告発した人々の多数が自国の政権から厳しい弾圧を被っている。－略－」
－－「細菌戦」
占領下、南鮮へ渡った石井四郎。下「」引用。
「一九五二年のはじめ頃に出はじめるまえ、新聞が引つずき二回にわたつて石井四郎の南鮮訪問を報道したこと、その上かれが三月またも南鮮にやつてきたことを忘れてはならない。日本の占領軍当局はかれの活動を奨励しているのかどうか、アメリカ極東軍司令部はもともと日本で考えだした方法をつかつているのかどうか、それは委員会のメンバーの心から、ほとんどなれさることのできない疑問であつた。」
冬に……。下「」引用。
「ところで、いろんな種類の虫の群が、冬でもポツンポツンとあちこちに出現する例は、もちろん昆虫学の文献のなかに見られる。しかし、こんなに多くの種の昆虫が一時にそういう現象をおこすということは、その原因が純粋に自然的なものであると仮定すれば、とても考えられないことであつた。」
目撃者もいたという……。下「」引用。
「中国義勇軍の一兵士は、二月十一日アメリカ機一機が鉄原で九百フイートの高さから昆虫を噴撤させているのを、現実に見たという主張がなされている。－略－」
石井四郎の部下。下「」引用。
「八月中旬のある新聞報道は、石井四郎の元助手で小沢という人間が日本で飼育場を経営しているのが見つかり、そこでは月十五万匹の齧歯類が生産されているという意味のことをのべていた。この情報は、甘南事件の解決をたすけるかも知れない。」
共産党のせいにする……。下「」引用。
「わたしが去る五月イギリスを出発するときには、アメリカ軍が細菌戦をやつているという主張を、信じていなかつたからである。「あれは共産の宣伝だよ。アメリカにそんな怪しからんことがやれるものか－－」と、大部分の人はそういつていた。」
だが、中国のキリスト教会は認める。下「」引用。
「そういう脅威にたいして、中国のキリスト教会は、絶対的に中国人民全体と団結して、抵抗をつづけている。はたして細菌戦がやられているかどうかについては、中国のキリスト教界では、かげほどの疑いももつていない。そのことは広東でも奉天自体でも明らかであつた。しかし、わたしは、わたしの主張が真実であることを立証する文書をイギリスにもつてかえつた。そのうちのいくつかを引用させてもらいたい。
P・リンデル・ツエン監督は書いている。
細菌戦争の事実について。わたし自身、朝鮮にいつたことはありませんが、アメリカ軍にのいちばん非人道的で、非キリスト教的なこの犯罪をしらべるために、朝鮮と中国東北にいつた個人や友人や知人はたくさんあります。しらべにいつたこれらの人たちのある者は、蝿や蚊が蜘蛛その他の昆虫が、ふつう、そういう昆虫がいるはずもない季節に、キラキラ光る雪におおわれた地面を、群れをなして動いているのを見ました。その上、落ちてきた昆虫のうちのある種のものは、もともと朝鮮のその地方にはいなかつたものです。－略－」
index
もくじ
INDEX
index
index
index
index
もくじ
藤目ゆき編・解説/不二出版2000年
国連軍だからといって、平和軍などというわけではない。
－－朝鮮戦争当時、713部隊の石井四郎が韓国へ出向いていったという……。
＊「」内のかなづかいは本文のママにしました。
『国連軍の犯罪』収録内容
解説－－藤目ゆき
I アメリカの朝鮮における犯罪行為－－国際民主法律家協会調査団
（『白人は有色人種を迫害する』三一書房 一九五二年刊 付録）
II 細菌戦黒書－－アメリカ軍の細菌戦争－－国際科学委員会報告
（『細菌戦黒書－－アメリカ軍の細菌戦争』蒼樹社 一九五三年刊）
片山さとし 訳
III アメリカ軍の残虐行為－－国際婦人調査団報告
（『細菌戦黒書－－アメリカ軍の細菌戦争』蒼樹社 一九五三年刊 付録）
「解説 国連軍の犯罪－－民衆・女性から見た朝鮮戦争」下「」引用。
「本書は、朝鮮戦争のさなかに戦場を視察・調査した三つの国際NGOの報告書を一挙に集成した資料集である。
一九五○年六月二五日に戦争が勃発すると、米国はただちに駐日米軍を派兵して介入し、台湾海峡を封鎖し国連安全保障理事会を召集してソ連欠席の中で朝鮮民主主義人民共和国を侵略者と決議させ、国連軍を組織した。国連軍には一六カ国が参加したが、いずれも小部隊で、中心は米軍である。李承晩（イ・スンマン）政権は米軍に軍隊指揮権を委譲し、大韓民国は米軍指揮下で戦闘に従事した。－略－」
反共・赤狩り旋風。下「」引用。
「だが、これらの調査団派遣や報告書の領布はやすやすと行なわれたわけではない。当時、西側諸国では反共・赤狩り旋風がふきあれ、平和運動に対しても「アカ」のレッテルがはられ、女性も法律家も、調査団に参加したり報告書を領布して「国連軍の犯罪」を告発した人々の多数が自国の政権から厳しい弾圧を被っている。－略－」
－－「細菌戦」
占領下、南鮮へ渡った石井四郎。下「」引用。
「一九五二年のはじめ頃に出はじめるまえ、新聞が引つずき二回にわたつて石井四郎の南鮮訪問を報道したこと、その上かれが三月またも南鮮にやつてきたことを忘れてはならない。日本の占領軍当局はかれの活動を奨励しているのかどうか、アメリカ極東軍司令部はもともと日本で考えだした方法をつかつているのかどうか、それは委員会のメンバーの心から、ほとんどなれさることのできない疑問であつた。」
冬に……。下「」引用。
「ところで、いろんな種類の虫の群が、冬でもポツンポツンとあちこちに出現する例は、もちろん昆虫学の文献のなかに見られる。しかし、こんなに多くの種の昆虫が一時にそういう現象をおこすということは、その原因が純粋に自然的なものであると仮定すれば、とても考えられないことであつた。」
目撃者もいたという……。下「」引用。
「中国義勇軍の一兵士は、二月十一日アメリカ機一機が鉄原で九百フイートの高さから昆虫を噴撤させているのを、現実に見たという主張がなされている。－略－」
石井四郎の部下。下「」引用。
「八月中旬のある新聞報道は、石井四郎の元助手で小沢という人間が日本で飼育場を経営しているのが見つかり、そこでは月十五万匹の齧歯類が生産されているという意味のことをのべていた。この情報は、甘南事件の解決をたすけるかも知れない。」
共産党のせいにする……。下「」引用。
「わたしが去る五月イギリスを出発するときには、アメリカ軍が細菌戦をやつているという主張を、信じていなかつたからである。「あれは共産の宣伝だよ。アメリカにそんな怪しからんことがやれるものか－－」と、大部分の人はそういつていた。」
だが、中国のキリスト教会は認める。下「」引用。
「そういう脅威にたいして、中国のキリスト教会は、絶対的に中国人民全体と団結して、抵抗をつづけている。はたして細菌戦がやられているかどうかについては、中国のキリスト教界では、かげほどの疑いももつていない。そのことは広東でも奉天自体でも明らかであつた。しかし、わたしは、わたしの主張が真実であることを立証する文書をイギリスにもつてかえつた。そのうちのいくつかを引用させてもらいたい。
P・リンデル・ツエン監督は書いている。
細菌戦争の事実について。わたし自身、朝鮮にいつたことはありませんが、アメリカ軍にのいちばん非人道的で、非キリスト教的なこの犯罪をしらべるために、朝鮮と中国東北にいつた個人や友人や知人はたくさんあります。しらべにいつたこれらの人たちのある者は、蝿や蚊が蜘蛛その他の昆虫が、ふつう、そういう昆虫がいるはずもない季節に、キラキラ光る雪におおわれた地面を、群れをなして動いているのを見ました。その上、落ちてきた昆虫のうちのある種のものは、もともと朝鮮のその地方にはいなかつたものです。－略－」
indexもくじINDEXindexindexindexindexもくじ
