磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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「科學者の社會的責任」についての覺え書

2008年01月22日 | 読書日記など
『「科學者の社會的責任」についての覺え書』
   唐木順三・著/筑摩書房1980年

意外に新しい本ですね。でも旧字です。なぜに旧字なのか? チャップリンはガンジイと話していて、映画『モダン・タイムズ』を発想したわけではないという。



バグウォッシュ会議のことが書かれてありました。下「」引用。

「一九五七年の七月、カナダの大西洋岸の小邑バグウォッシュで十ケ國の著名な科學者二十二人が集まつて、いはゆるバグウォッシュ會議が開かれ、日本からは、湯川秀樹、朝永振一郎、小川岩雄の三氏が参加した。一九四五年(昭和二十年)八月、廣島、長崎に原子爆弾が投下されて以来、科學者また有識者の平和運動、原水爆禁止、核戰爭準備反對のアピールをたびたびくりかへされてきた。」

しかし、偉い人たちだけでは平和はきませんね。
それこそ映画『モダン・タイムズ』のように、人間性が阻害されたこの現代社会では、多くの人たちと隔たった世界といえるかもしれない。
--もしアピールするなら、今ならそのことも当然考慮していただきたいものですね。
偉い人は言えばすむなんて、お殿様みたいですね。

そして、小野洋子は多くの人の力が無いと平和はこないという。
--しかし、大手マスコミが伝えることはイメージだけだ……。
ジョン・レノンのイマジンとは大きく違う気がする……。
それは、ジョンの人に対する思いやりと、愛情の深さ……。
--パワー・トゥ・ザ・ピープル!
映画『モダン・タイムズ』の世界を打ち破れ! と叫んでいるようだ。
そうしないとたぶん本当の平和はこないだろう。

アフリカのレポートをしていたアフリカ系のイギリス人が。
政府や国際機関が入って、平和になったところはないという。
それはNPOも含むという……。宗教も悪用され、ひどいことにもなっている場合もあるという……。
--個人の慈善の心による協力しか確実には役立っていないという……。

政府や国際機関というものが、どのようなものであるかというものがよくわかると思う。
--これは環境問題でも同様のことがいえるのではないか?


この宣言の一年半前に、ビキニで水爆の実験があったという。

ガンジイを尊敬していたという。下「」引用。

「アインシュタインは、ガンジイを、裸足の無抵抗非殺生主義者、手紡ぎのカーディ(布地)運動を進める菜食主義者、不可觸の解放なくしてインドの自治はありえないとするガンジイ、民衆からマハトマ(偉大なる魂)といふ敬稱づきで呼ばれたガンジイにひとかたならぬ尊敬を持つてゐたことは注意すべきである。」

しかし、先日のNHKの民主主義をテーマにした、インドの番組ではガンジイを引き継ぐ人たちは皆無といっていいようなことを伝えていた……。

チャップリンの映画『モダン・タイムズ』は、チャップリンがガンジイと話していて生まれたものであるとは言っていないという。下「」引用。

「人間の機械化、人間の自己喪失はまのたりの事實である。四十數年前の『モダン・タイムス』では風刺であつたものが、現在ではいやおうなしの事實である。」

新聞記者とて、歯車の一つ。
いくら原発の危険を訴えたくとも、記事を書いたとしても、新聞にのせてもらえないという。
--今はインターネットがあるけれど……。

1939年、ハイゼンベルクはアメリカに招かれて、アメリカへの亡命をすすめられた。
しかし、ヒトラー政権は長く続かないとみていたという。

ノーベル賞というものは……。下「」引用。

「アインシュタインの場合、さういう經歴を過去に持てばこそ、A・ノーベルが火藥の發明の「罪ほろぼし」として平和を希求し、平和への願をこめて賞を設定したと、さう思ひ、さう信じ、それを世間へ愽傅へたかつたのであらう。」

湯川秀樹博士には懺悔がないと唐木は批判。それに比べてアインシュタインや朝永振一郎博士には「罪」の自己意識の問題があるという。

朝永振一郎追悼記(正しい題は「罪を知つた現代物理學」)を豊田利幸が、雑誌『自然』に書いたという。湯川とは性質を異にするという……。







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