磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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絶叫 篠垤潔原爆小説集(三)

2010年06月01日 | 読書日記など
『絶叫 篠垤潔原爆小説集(三)』
   篠垤潔・著/光陽出版社2001年

自伝的な小説であるようだ……。下「」引用。

「二十一世紀を療養型病床群の病床で迎えた。九一年七月一日から原爆放射線に起因したと思われる五、六障害で闘病専一の暮らしを続け、新世紀まで生存できるとは思っていなかった。入退院の繰返しに加え、九三年十一月までは母の、十二月以後は原爆特別措置法八条、被爆者援護法三一条に定める介護手当により、ホームヘルパーの介護を毎日受けて暮らした。九四年二月からは母の原爆症の悪化で父と共に老人ホームに入所し、私は以後一人暮しをする。-略-
 主治医から障害の等級一球の診断書が書けないのは、原爆特別措置法、被爆者援護法により、健康管理手当等が支給されているからだと告知された。社会保険審査会事務室から過去二回の公開審理の記録を取寄せた。主治医記載の診断書は虚偽診断書等作成に問われても不思議ではないことを知った。病状と経済的にも生死を問われる私の人生を病院の病床で大半を書いた。生の極限の中で描く小説は文学のカテゴリーを逸脱することを本書で知った。
     二○○一年二月六日」



「お年寄りは早く死んでいただくと、国は助かる」との大臣発言。

ネットで検索してみると、「みんなの党」党首の父がいったようだ。

障害認定医と厚生省。下「」引用。

「障害認定に当っての基準にも厚生省自身が心電図やX線所見は信用できないと断言している。障害認定も診断書記入を依頼する医師への金次第というのだろうか。-略-」

不服申立。下「」引用。

「原爆放射線の起因性が多分に考えられる以上、認定被爆者でない吉典には障害の原因が第三者の行為か否かは断定できないのだ。迷わず広島県社会保険審査会に不服申立をし、障害基礎年金支給を求めて審査請求しようと決心が固まった。-略-」

広島県社会保険審査官の決定書で、審査請求を棄却されたという。

東京地方裁判所、移送却下。

歯痛で入院。下「」引用。

「吉典は突然歯痛がひどくなり、六月十二日に歯科医師会の医師の訪問診療を受け、広島大学歯学部付属病院でしか治療できないと診断した。-略-」

吉典は手術できない心臓であることを告知された。

この小説が理解できる人は社会福祉なども知っている人だろうなあー。

記憶の火群-短篇集-






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