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原子雲の下より-新編8・6少年少女詩集-

2008年07月10日 | 読書日記など
『原子雲の下より-新編8・6少年少女詩集-』
   被爆実態調査会・編/山代巴・著/亜紀書房1989年

山代巴は書いている。下「」引用。

「青木書店としては、前年の十月二日岩波書店が出版した長田新編の「原爆の子」よりもっとやさしい、誰もの心が打つ、てらいのない子ども達の真実の言葉と、それを集めた人々の真実の言葉がほしかった。」



--小学校二年生から高校三年生までの生徒による、詩一九六編が掲載されている。

ジョン・レノンの『My Mummy's Dead 』を思い出す詩である。

飾りのない、素朴な詩であるが、その思いは多くの人に通じるものだろう……。

ジョン・レノンが誰よりも、すごいと思えるのは、このような子供のような詩をかき、歌い、感動させることができるアーティストであるから……。

この曲はディープなファンの中では、ひじょうに重んじられている曲でもある。

■John Lennon - My Mummy's Dead ■



歌詞

目 次


いきなり大人になったような功利主義の人間にはわからないものかもしれないが……。

人間として、一番たいせつことを知っている人たちの詩だとボクは言いたい!

「おとうちゃん」という小学校3年生の詩の一部分。下「」引用。

「-略-
一どでもいい、ゆめにでもあってみたいおとうちゃん
おとうちゃんとよんでみたい、*さばってみたい
せんそがなかったら、おとうちゃんはしななかったろう
-略-
 * 抱きついてみたい」

こんな気持ちを戦争をしようとする人たちには理解できないことだろう……。

そして、戦争責任を背負おうともせず、無責任体制を続けた日本……。

こんな淋しい子供をつくっておいて、平気で愛国美談を続けようとする……。


--「詩集「原子雲のしたより」と私とのかかわり」山代巴・著。
峠三吉と武谷三男のことが書かれてあった。
峠三吉は喀血するような状態で会えないだろうと思っていたが、やってきたという。下「」引用。

「僕は峠三吉です。僕の原爆詩集の序にかえた、ちちをかえせ、ははをかえせは、先生の『弁証法の諸問題』の最初の頁の、“言葉”、あれを読んで、あっ、これだ、これが僕の願いのすべてだと感動したことから、ああなったんです」
といった。このことは私にも武谷先生にも印象深いものだっただが、日記のどこに書いていない。」

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そして、アメリカ軍の性的モラルのことも書かれてあった。下「」引用。

「彼の目は被害者の方にだけ向いていたのではない。当時の広島湾は、朝鮮戦争の基地だった。基地と兵隊相手の売春はつきもの、まだ売春禁止法はできていないのだから、基地をかかえた江田島など、自治体が鳴り物入りで、売春をあおっていた。呉れにも八本松にも弾薬庫がある。原村には演習場がある。ここらの実体をルポにして、「基地とパンパンの広島湾」というパンフレットを出そうというのは川手の提案で八月からはじまり、江田島の実体を見に行った私は、かつての海軍兵学校(このときは米軍の基地)と、その裏山との間の細い道を歩いた記憶を今も忘れられない。窓を開けひろげた家々から、米兵に身をまかせるセックスの現場が、あらわに見えているのだから。蝉とりの網袋をかついだ子供らは「あれはオンリー(一人の専用)だ」「あれはバタフライ(誰をでも相手にする)だ」などと批評してそれを眺めている。-略-いまはパンパンは差別用語」

ひどい状況にいた子供たちをも、見つめて居られた山代巴。

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