『高層難民 新潮新書 ２１０』
渡辺実・著/新潮社2007年
読み物としてもおもしろい本です。博学な著者です。
でも内容はすごく切実な警告です……。
表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。
「人類の歴史が始まって以来、広大な後背地を抱えた近代都市が巨大地震に遭遇したことは、一度もありません。首都圏や関西圏、東海圏で巨大地震が起こった際には、想像を絶する事態が待ち受けているのです。本書では、高層マンションの住民が「高層難民」になる可能性をはじめ、都市を襲う巨大地震が見せる「震災の新しい顔」の実態を解説、あわせて我々が採りうる対策法についても講じていきます。」
「はじめに」 下「」引用。
「今後、高い確率で起こるとされる大地震に遭遇すると、大都会では「高層難民」「帰宅難民」「避難所難民」という三大「震災難民」が発生します。－略－」
唯一の超高層ビル……。下「」引用。
「30階建ての超高層ビルである神戸市役所1号館は、近代になって巨大地震に遭遇した日本唯一の高層ビルです。神戸市役所1号館にほとんど被害がなかったことから、当時「さすが超高層ビルは地震に強い」との間違った“伝承”が起きました。－略－
はっきり言っておきますが、これは間違いなのです。なぜなら、阪神・淡路大震災と、これから日本を襲うはずの大地震では、地震の質が異なるからです。
阪神・淡路大震災の地震エネルギーはM7.3ですから、地震の規模は「大地震」でした（－略－M8クラスの地震は「巨大地震」と呼ばれています）。－略－」
エレベーター閉じ込め。下「」引用。
「首都直下地震が発生した直後に、全体で約30万基のエレベーターが一瞬のうちに停止するわけですから、閉じ込められたら、すぐに救出されることはまずありえません。1週間以上は、エレベーターが動かない－－この現実から目を背けてはいけません。－略－」
【えっ！】数日間！も……。下「」引用。
「まず、地震発生と同時にエレベーターが停止し、最悪の場合は数日間救出に来ないことを想定して、コンビニ袋などを持ち歩いてください。これによって、排泄の「垂れ流し」だけはなんとか避けることができます。－略－」
「5階建て理論」 下「」引用。
「実際に上り下りしてみると、健常な人であれば、5階までであれば、何とか徒歩で上り下りが可能です。本書ではこれを、「5階建て理論」と名付けておきます。」
「中央区が日本初の高層難民対策を実施」 下「」引用。
「－略－新築や改修の際には地震時管制装置付きエレベーターの設置義務、10階建て以上で25戸以上のマンションでは少なくとも5階ごとに60人3日分の食料・水を保管できる3平方メートル以上の備蓄倉庫を設けることを指導しています。」
コンビニ＝帰宅支援ステーション……。下「」引用。
「また大地震発生時のコンビニ店内は、棚から商品が飛び出し、床には割れたガラス貧商品が産卵しているのが普通です。これまでの地震時のテレビニュースなどで、皆さんもご覧になっていることがあると思います。店員さんがケガをすることもあるでしょうし、なによりも店員さんが一目散に自宅へ帰ってしまう可能性があります。すると、帰宅支援ステーションのはずのコンビニが、無人になってしまいます。」
ご近所の方々が助け出した。下「」引用。
「阪神・淡路大震災の時、生き埋めになった人たちが何人も助け出されています。実は、消防や警察、自衛隊のレスキュー隊に助けられた人は、ごくわずかでした。救出された方々の80％以上は、ご近所の方々に助け出されているのです。」
INDEX
避難所不足……。下「」引用。
「230万人が避難所に避難する場合、どれくらいのスペースが不足しているかを計算してみましょう。－略－なんと東京ドーム（面積約4万6700平方メートル）11個分です。それだけの避難所スペースが不足しているのです。」
米国では。下「」引用。
「米国では被災者に対し、復興のために直接使用できる現金が渡されています（小切手やキャッシュカードなど、形態は様々ですが）。この場合、被災者はそれぞれ各自の判断で、アパートを借りるなり、引越しを決断するなりできます。日本の災害救助法では、原則、被災者個人に現金（税金）を支給することはせず、仮設住宅など「物」を支給することになっています。－略－」
INDEX
渡辺実・著/新潮社2007年
読み物としてもおもしろい本です。博学な著者です。
でも内容はすごく切実な警告です……。
表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。
「人類の歴史が始まって以来、広大な後背地を抱えた近代都市が巨大地震に遭遇したことは、一度もありません。首都圏や関西圏、東海圏で巨大地震が起こった際には、想像を絶する事態が待ち受けているのです。本書では、高層マンションの住民が「高層難民」になる可能性をはじめ、都市を襲う巨大地震が見せる「震災の新しい顔」の実態を解説、あわせて我々が採りうる対策法についても講じていきます。」
「はじめに」 下「」引用。
「今後、高い確率で起こるとされる大地震に遭遇すると、大都会では「高層難民」「帰宅難民」「避難所難民」という三大「震災難民」が発生します。－略－」
唯一の超高層ビル……。下「」引用。
「30階建ての超高層ビルである神戸市役所1号館は、近代になって巨大地震に遭遇した日本唯一の高層ビルです。神戸市役所1号館にほとんど被害がなかったことから、当時「さすが超高層ビルは地震に強い」との間違った“伝承”が起きました。－略－
はっきり言っておきますが、これは間違いなのです。なぜなら、阪神・淡路大震災と、これから日本を襲うはずの大地震では、地震の質が異なるからです。
阪神・淡路大震災の地震エネルギーはM7.3ですから、地震の規模は「大地震」でした（－略－M8クラスの地震は「巨大地震」と呼ばれています）。－略－」
エレベーター閉じ込め。下「」引用。
「首都直下地震が発生した直後に、全体で約30万基のエレベーターが一瞬のうちに停止するわけですから、閉じ込められたら、すぐに救出されることはまずありえません。1週間以上は、エレベーターが動かない－－この現実から目を背けてはいけません。－略－」
【えっ！】数日間！も……。下「」引用。
「まず、地震発生と同時にエレベーターが停止し、最悪の場合は数日間救出に来ないことを想定して、コンビニ袋などを持ち歩いてください。これによって、排泄の「垂れ流し」だけはなんとか避けることができます。－略－」
「5階建て理論」 下「」引用。
「実際に上り下りしてみると、健常な人であれば、5階までであれば、何とか徒歩で上り下りが可能です。本書ではこれを、「5階建て理論」と名付けておきます。」
「中央区が日本初の高層難民対策を実施」 下「」引用。
「－略－新築や改修の際には地震時管制装置付きエレベーターの設置義務、10階建て以上で25戸以上のマンションでは少なくとも5階ごとに60人3日分の食料・水を保管できる3平方メートル以上の備蓄倉庫を設けることを指導しています。」
コンビニ＝帰宅支援ステーション……。下「」引用。
「また大地震発生時のコンビニ店内は、棚から商品が飛び出し、床には割れたガラス貧商品が産卵しているのが普通です。これまでの地震時のテレビニュースなどで、皆さんもご覧になっていることがあると思います。店員さんがケガをすることもあるでしょうし、なによりも店員さんが一目散に自宅へ帰ってしまう可能性があります。すると、帰宅支援ステーションのはずのコンビニが、無人になってしまいます。」
ご近所の方々が助け出した。下「」引用。
「阪神・淡路大震災の時、生き埋めになった人たちが何人も助け出されています。実は、消防や警察、自衛隊のレスキュー隊に助けられた人は、ごくわずかでした。救出された方々の80％以上は、ご近所の方々に助け出されているのです。」
INDEX避難所不足……。下「」引用。
「230万人が避難所に避難する場合、どれくらいのスペースが不足しているかを計算してみましょう。－略－なんと東京ドーム（面積約4万6700平方メートル）11個分です。それだけの避難所スペースが不足しているのです。」
米国では。下「」引用。
「米国では被災者に対し、復興のために直接使用できる現金が渡されています（小切手やキャッシュカードなど、形態は様々ですが）。この場合、被災者はそれぞれ各自の判断で、アパートを借りるなり、引越しを決断するなりできます。日本の災害救助法では、原則、被災者個人に現金（税金）を支給することはせず、仮設住宅など「物」を支給することになっています。－略－」
INDEX
