あかねさんシリーズ002 男が女de女が男 254 父と夫 この映画をみている間に、何度もオカネスキーはいった。 「ぜったいに、この夫婦わかれるわよ」 それも、悔しそうに話している。 映画に集中しているから、独り言のようであった。 そして、ラストが近づくと、夫は出ていった……。 茜はどうしてか気になった……。 でっ、聞いてみた。 「あら、決まっているじゃない! 愛がないからでありんす」 「愛?」 茜にはわかないことだった……。 「人はね、どんなに低い立場でも権威主義者でいられるもの……。それはホームレスになっても、そんな人はいるでありんす」 「権威主義は愛じゃない!?」 「そうでありんす! 権威主義は、権威を愛しているでありんす! 人を愛しているんじゃないでありんす! それだったら、お互いが権威主義なら、うまくいくでありんす! でも、あの女性教師は、権威主義じゃなかった……。そもそも、そんなの愛じゃなく、欲望にしかすぎないけど……」 「教師は生徒と同じ目線で物事をみていた……」 「愛するなら、当然、そうするものでありんす!」 「でも、夫はできていなかった……」 「そう、精神的にも老いて、身動きするのも、窮屈な魂をもっていたありんす!」 「だから、別れるって思ったのか……」 「そうでありんす。それに、公民権運動で迫害を受けた父を尊敬していたでありんす。父親が立派すぎると思ったでありんす! この世界は私たちの世界の逆ね……。だから気持ちがわかるのよ。知らず知らず、男性は母親と妻とを見較べてしまうよ。私たちの世界では逆ね……」 「そうなのか……。権威を愛したら、人を愛することはできないのか?」 「たぶん、両者は並びたたないでありんす」
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