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三省堂選書62 国際シンポジウム 原爆投下と科学者

2008年02月05日 | 読書日記など
『三省堂選書62 国際シンポジウム
   原爆投下と科学者』
   小川岩雄・小野周・斉藤孝・
      関寛治・野沢豊・宮崎繁樹(編)/三省堂1982年

何のために出された本か、理解できませんでした。
刹那主義や官僚主義にはなりたくないものですね。



この本は多彩な顔ぶれが集まっているという。
こんな国際シンポジウムができたのは、
「1978年核兵器完全禁止・被爆者援護世界大会」
に各国代表が参加されたからだという。

ぼくは、この方たちは本当に原爆が何をしたか?
そして原爆をつくることに加担した人たちが、
どうそのことを把握しているか、よくわかると
思います。

彼らは原爆が何十万もの人を殺戮し、
多くの人を苦しめていることを、
科学者だからといって、無視することは
できないと思う。

もちろんアインシュタインなどの科学者たちは
理解していただろうと思います。

しかし、実際に関わった人たちや、
正義が勝つなどという幼稚な論理をもって、
戦争を美化してしまう人たち。
そんな科学者たちには理解できていないと
強く思いました。

官僚主義の影響はあまりなかったという表現自体も、
官僚主義の弊害を一番受けていることは刹那主義、
つまり人間性の欠如と僕は思います。

しかし、彼らでさえ、官僚主義で作られたことを、
認めている記述はあります。下「」引用。

「軍部は、もちろん、大がかりな官僚制をつくりあげました。その典型的な一例は、ものを買うさいの煩雑な手続きでしょう。われわれがシカゴに着くと、軍部は資材買い入れの新しいシステムをつくりました。それまでは、必要なものは何でも自由に買っていました。しかし、軍部の管轄のもとでは、形式的な手続きを守らなければなりませんでした。われわれは五枚一組の新しい購入用紙を支給され、購入する各品目こどに、五枚の用紙に必要事項を書き入れなければなりませんでした。「上から二枚は購買事務局に届け、三枚目は申請者のファイルに保存し、四枚目はディレクターの事務所に提出し、そして五枚目は破棄すること」といった具合です。」

官僚制度の一番の問題はこのようなことではありませんね。
旧ソ連や、北朝鮮のシステムの恐ろしさも、
人間性の欠如ですね。

日本こそ一番の官僚主義の国という方たちも
外国の方ではいますけど、
もちろん、よくないものですね。
経済学の数値あわせよりも、人間性の欠如が大きいと、
僕は思います。

B・J・バーンスタイン報告が
書かれてあります。

そこでは、スティムソンが1949年に
「原子爆弾使用の決定」という小論文を
出しているという。
これは1200万の読者を得たという。

やはりアメリカでも心ある方は、
原爆投下について疑問をもっていたようだ。
そして、この文書についても、
本音と建前をうまく使い分けたものだろう……。

アメリカはイギリスとの協定を結んでいたという。下「」引用。

「ローズヴェルトがチャーチルと会見したさい、両者は原爆についてのある協定に署名しました。その内容は、両調印者の許可なしに、いかなる第三者に対してもどんな情報も与えてはならないし、また第三者とどのような形でも情報をわかちあってはならないというものでした。率直にいって、その意味は、アメリカとイギリスは、ソ連との何らかの情報の共有ないしはソ連への何らかの情報の提供については、両国が合意しなければならないということです。協定の最後の各項は、調査を行ない、ニールス・ボーアが他のいかなる国にも秘密をもらなさいよう確実な措置をとらなければならない、というものでした。」


また、いろいろな資料がありました。同。

「資料19 [京都爆撃の却下]
陸軍長官(スティムソン)から暫定委員会議長代理(ハリスン)アテ
極秘 至急[バーベルスベルク] 一九四五年七月二一日-略-」


しかし、スティムソンのいうことは、信用できず、
やはり京都に原爆を落とさなかったのは、
戦後の天皇との交渉を円滑にするためというのが
正解と思います。
京都にはご存知のように、天皇家に関する
文化財が驚くほどあります。

それよりも大きなこと、文化を愛する文化人とだまし、『原爆神話』を信じ込ませることができるということまで計画していたのか?……。

大量殺戮兵器で、敵国の日本人の命まで救ったなどとまでいうのだから……。

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官僚主義の弊害はアメリカにもある。
この本を読んで一番感じたことです。

そして、ほとんどの科学者もその内にいるということですね。








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