磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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広島詩集-1965 原爆投下20年号-

2008年10月12日 | 読書日記など
『広島詩集-1965 原爆投下20年号-』
   広島詩集編集委員会・編/広島県詩人協会1965年

なかなか個性的であるかと思います。下「」引用。

「■この詩に九十才の老人から小学生にいたる各層の作品のうえに、受刑者からの熱意ある一篇を加えていることも、この集を気迫のこもったものとしていることを誇りたい。」




最初に湯川秀樹博士の文章があります。下「」引用。

「跛 「平和の訴え」
      湯川秀樹
 現代は苦悩と分裂の時代である。それは地球上の一地域だけに限られていない。対立、抗争が激しくなり、大規模になってゆけば、人類全体が破滅するかも知れないのである。四百数十年後に生れてきた私たちは、エラスムスの書いたものを読む。歴史は中断してはいないのである。しかし、人類の歴史の未来は果たして中断されずにすむであろうか。エラスムスのように、静かに身をひく場所が果たしてこの地球上に残っているのであろうか。
 エラスムスは一五三六年という遠い昔に亡くなった人である。しかし、彼の生きていた時代にも、ヨーロッパでは、戦争が絶え間なくおこっていた。そして、彼自身の悩みは、現代に生きる私たちの悩みとよく似ている。エラスムスの「平和の訴え」がはじめて出版されたのは、一五一七年である。-略-彼は決して古い意味、狭い意味でのアカデミズムの具現者にとどまったわけではなかった。彼は現代にも通用するヒューマニズムの代表者であった。私はここに、広島詩集刊行の意義を思い、古往の硯学とともに「平和の訴え」をしたい。」

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こんな状況下の人もいたのか……。下「」引用。

「被爆者
      福間半六
私はなぜあの子を軍事工場へ連れて行ったのだろう。
たった三十分の休憩時間に喉が渇いてやりきれず、駅前迄アイスケーキを食べに行くと、ランニング一つで鷹の橋を走って居った一瞬原爆雲がむらむらと受けて焼けて、パッたり倒れた倒れた後から背中が又パッサリ焼けた。-略-」

戦時中にアイスケーキがあったのか……。

この詩の解説がある。下「」引用。

「白いものはみんな骨に見える
     坂村真民
白いものはみんな骨に見える
舗道に散らばっている紙きれが
潮の引いている川原の石が
七輪をあおいでいる老母の髪が
-略-
白いものはみんな骨に見える
食堂のフォークが
露天のボタンが
広島では白いものが
みんなわたしに訴える
かつての
なげきを
いかりを
なみだを」

その解説。下「」引用。

「だが、それは彼の感受性を狂わせ、知覚を傷つけ、その瞬間から、彼は全き他者となる。「白いものはみんな骨に見える。」これほど簡潔な、盲いた感覚による、批評がありえようか。」

「盲いた」という表現を現代とっていいのか悪いのか悩むが……。

そんな感覚があるのかと思いました……。








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