磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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戦争・暴力と女性1 戦の中の女たち

2009年06月22日 | 読書日記など
『戦争・暴力と女性1 戦の中の女たち』
   西村汎子・編/吉川弘文館2004年

裏表紙に書かれてあります。下「」引用。

「壇ノ浦で海に沈んだ女房、女性だけで戦った領主層の妻…。女性たちが戦争の被害を受け、加担してきた軌跡を社会状況やジェンダーの変化と重ねて辿る。紛争を平和的に解決した役割にもふれ、女性との戦との関わりを考える。」



「刊行にあたって」 下「」引用。

「二一世紀を迎えて平和な世界が到来するどころか、大国による先制攻撃、大義なき戦争が強行され、テロリズムの撲滅を名目とする他国への武力攻撃が続いている。日本も自衛隊の海外派兵を開始し、国内では日本を「戦争しない国」から「戦争する国」に変えようとする動きが顕著になりつつある。憲法の平和条項削除のほか、学校教育を通じて侵略戦争を美化し、愛国心、ナショナリズムをあおる動きが見られる。女性に対しては、両性の平等を定めた条項を修正し、性別役割を固定化し、自分を捨てて家を守り家族に尽くすことを通して、国家に尽くす生き方を押しつけようとしている。
 だが、国民の大多数は憲法の平和条項を守りたいと考えており、平和と民主主義、教育の自由を守る人びとの輪が拡がって多様な運動が各地で起っている。しかし、そのような動きはほとんど新聞・テレビなどで報道されないため、社会の状況を憂えつつ無力感を感じている人もまた多い。このシリーズは、日本が戦争への道へ向かうことを阻止し、アジアその他の諸国との平和的な協力関係と国民の自由を守るために、女性たちが何を寄与できるかを考えるために企画された。-略-」

戦いを支えた女性、後方支援……。下「」引用。

「鎌倉期には、巴御前や板額(はんが)のような戦闘の場で活躍する女性の姿もあったが、室町期になると、それはみられない(田端泰子『日本中世の社会と女性』吉川弘文館、一九九八年)。だが、近年その重要性がクローズアップされてきた。戦争を後方支援も含めて考えると、女性の果たす役割も大きい。後方支援として考えられるのは、武器・兵糧などの物、傭兵の給料、京都への工作費などの資金、兵などの人員確保、またその前提には、本拠・所領の維持などがある。-略-」

「強力だった女性軍」 下「」引用。

「女性軍が相手方に多くの死傷者を出すほど、強力だったことである。フロイスの記録に限らず、日本側の『続撰清正記』でも清正の言葉として、女といえども、死を覚悟して思い切った行動に出た場合は、その進駐は「男子より堅固」で、決して弱くはない、したがって女性によって手疵を負っても「落ち度」とはいえない、と記している。-略-最後に、武士の女性がいざというときにこれだけ勇猛果敢に戦って相手に損害を与えた前提には、武士の女性は決して正規の戦闘員ではないが、日頃からよろい、甲どの重い武装に耐える体力と、危急に臨んで戦える槍、薙刀などの一定の武芸のたしなみを身つけていたと考えられる。」

「侍女たちの活動」 下「」引用。

「江戸総攻撃回避の蔭で、静寛院宮やその侍女ちの命がけの運動があった。」








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