磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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放射性廃棄物-原子力の悪夢-

2012年06月15日 | 読書日記など
『放射性廃棄物-原子力の悪夢-』
   ロール・ヌアラ(著)/及川美枝(訳)/緑風出版2012年

図書館の説明文。下「」引用。

「人類は、数千年、数万年放射性廃棄物を保管できるのか? 原子爆弾誕生の地から、フランスのラ・アーグ再処理工場、ビュール廃棄物埋設処理施設、シベリアの果ての露天廃棄場まで、世界の核のゴミ捨て場からの報告。」



表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「チェルノブイリが一つだけではなく、いくつもあることをあなたは知っているだろうか? また、過去に汚染された地域が何千年もの間、汚染されたままであること、使用済み核燃料の「再処理」は事実上存在しないこと、原子力産業は放射能汚染を「浄化」できないのにそれを隠していることを知っているだろうか?
 本書は私たちを、原子爆弾誕生の地=米国ハンフォードから、フランスのラ・アーグ再処理工場、ビュール廃棄物埋設処理施設、シベリアの果ての露天廃棄場など、世界の核のゴミ捨て場を巡る不安な旅に誘う。この長い旅の過程で、私たちが驚きと共に発見するのは、原子力産業が常に、原子力につてい議論する機会を、そして廃棄物を拒否する権利を、市民たちから奪ってきたという事実である。市民の意見を聞くなら原子力は生き延びられない。原子力は民主主義と共存できるだろうか?」

「耐える義務は、知る権利を伴う」ジャン・ロスタン

「フクシマを経験しつつある日本の友人たちへ」ロール・ヌアラ。下「」引用。
「私の国フランスは、原子力依存度が世界一高い国であり、その直後に来るのが日本である。フクシマの衝撃はフランスにまたとない貴重な教訓を与え、原子力に頼るこの国のエネルギー政策を問い直すきっかけになった。とはいうものの、福島第一原子力発電所の原子炉が受けた被害が、何よりもまずフランスの世論や原発当局に爆弾的効果をもたらした一方で、この発電様式を積極的に擁護する声も急速に高まっているのにも事実なのである。-略-」

「ハンフォード、原子力誕生の地」 下「」引用。

「ハンフォードは一九四五年八月、最初の原子炉であるB原子炉と共に歴史に登場する。その鉄の胎内から生まれたプルトニウムを使った原子爆弾「ファットマン」は一九四五年八月九日、長崎の上空で炸裂しの、八万人の死者を出した。その三日前、ニューメキシコ州、ロス・アラモスの研究所で作られた「リトル・ボーイ」が広島上空で炸裂していた。-略-」

米国は米国民を「グリーンラン」でモルモットにした……。

コジェマ→アレバNC。下「」引用。

「歴史的には、この工場は、一九五九年に、フランスの第一世代原子炉の使用済み燃料を再処理することを決定したフランス原子力庁(-略-=CEA)の厳しい監督の下に動き始めた。運転開始は一九六七年である。一九七八年、CEAは、この施設の使用責任をコジェマに委譲した。年がたつにつれて施設は新世代の原子炉にの対応していく。一九七六年から二○○六年の間に、合計二万二六五八トンの核燃料が、個ジェマによって、ラ・アーグ処理された。二○○六年三月一日から、コジェマはアレバNCという名前になる。-略-」

グリーンピース。下「」引用。

「この工場は毎年、二○○リットルのドラム缶、三三○○万個相当を水中パイプを用いて英仏海峡に放出していることが、二○○○年に知れ渡った。当時、コジェマは、新しい経営陣の透明性を意志を象徴するため、工場の周囲に、一ダースほどのビデオカメラを設置した。インターネットの利用が社会に広がった時代にふさわしい結構な広報活動である。(海に向けたカメラが)一つ足りないことを除けば、であるが。
 活動報告集会で映像を公開しグリーンピースは演出部門の栄冠を勝ち取った。グリーンピースのダイバーたちは、急遽、もう一台のビデオカメラを海底に設置したのだ。海岸から二キロ、水深四○メートルの海底で、テレビカメラの目の前に、かの有名な水中パイプの末端がある。パイプが絶えず吹き出す泡に立ち向かうダイバーたちの姿は強烈な印象を残した。このNGO(=グリーンピース)の活動家たちは、海洋投棄を見せるだけでは満足せず、これらの投棄をいくつかの研究所で分析することを決めた。-略-」

平和的原子力?……。下「」引用。

「一九七○年代の末から、再処理はアメリカ国内では禁止されている。原子力が軍事から生れたことがその理由である。「平和的原子力は、軍事用原子力のめざましい開発の波及効果の恩恵に浴している。それによって、莫大な資金を得ることができたため、例えば、太陽エネルギーなど、他のエネルギー資源よりも早くスタートすることが可能になった。平和的原子力は常に、軍事用原子力のすばらしい開発『テクノロジーの応用』であった。アメリカのシステム、PWRは、原子力潜水艦のために開発された。黒鉛原子炉はドゴールが先制攻撃力を持つことを可能にした」。
 もともと、原子炉はプルトニウム製造工場以外のなにものでもなかった。ては、プルトニウムは何に使うのか? 爆弾である。-略-」

アレバの接待。下「」引用。

「それから三十年後、アレバは相変わらず、アメリカに再処理工場を売り込もうと苦心している。努力が足りないのではない。大勢の役人、上院議員、連邦議会議員、アメリカの原子力当局の最高責任者、企業人、といった大勢の人々がしばしば、ラ・アーグに招待され、手厚くもてなされている。彼らはアレバが所有するムリネのVIP用の宿に宿泊し、その名前の由来になった美しい入江を見下ろしながら、シャンパンを飲み、ロブスターの味を楽しむのである。英仏海峡の向こうに沈んでゆく夕日を愛でながら、大半の人々は、帰る時には再処理の原理にすっかり幻惑されていることだろう。あなたが抱えている問題の九六%は、いまやたった一つでしかないと説得されれば、仏頂面をするのは難しい。-略-」

アレバは……。下「」引用。

「アメリカでは、アレバは、モンサントやその他の企業と同様に、「回転ドア」に夢中になって経営陣をとっかえひっかえする。つまり、国家の要職についた経験のある人々を次々にリサイクルしていくという、あからさまな権力の利用法である。-略-」

INDEX

たった一回でも、ラスベガスはおしまい……。下「」引用。

「「マイケル・ジョーダンを知っていますか? バスケットの選手です。彼は、ある日、フリー・スロー一○○回連続に成功するという挑戦を企てたのです。しかし、たった一回のシュートが彼の挑戦を失敗に終わらせてしまった。放射性廃棄物の輸送についても、それと同じです。たった一度でも事故があれば、ラスベガスはおしまいです」」

調査を終えて……。下「」引用。

「私たちは明白な事実の前に屈する。この地球という惑星が、核の汚染地域や、露天のゴミ捨て場、この世の終わりまで作用する放射性物質だらけだということである。」










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