磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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大震災でわかった学校の大問題-被災地の教室からの提言-

2012年06月18日 | 読書日記など
『大震災でわかった学校の大問題-被災地の教室からの提言- 小学館101新書 116』
   大森直樹・著/小学館2011年

表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「東日本大震災からの教育の「復旧」「復興」の問題は、先送りにできない緊急の課題です。復興においては、現場を知らない「お上」からの画一的な方策ではなく、多様性や創意を大切にした現場の声を踏まえたものにしなければなりません。本書では、教育現場を見続けてきた研究者が、管理強化と効率第一主義の「改革」によって先生が子どもと向き合う時間がなくなった現状を改め、教育を子どもと先生のもとへ取り戻すことの大切さを訴えます。教育を再生する力は、現場にしかないのです。」



死亡児童……。下「」引用。

「六月一○日時点で国により死亡が確認された子どもは五六九名、まだ行方不明の子どもと教職員が一三一名いる-略-」

二つの問題。下「」引用。

「震災前までの教育政策には大きく二つの問題があった。一つは、本来的には「教育現場に不要なこと」を教育現場に押しつけ、教職員が子どもたちと向き合う大切な時間を奪ってきたことだ。二つは、「国による教育の条件整備」が一九八五年を境に漸進から後退へと転じたことだ。この後退局面を粉飾するため、「教育現場に不要な」教育施策をさら重ねてきたことに今日の教育政策の病理がある。-略-」

戦後……。下「」引用。

「戦後日本の教育現場がこれだけの被害を受けた経験はない。膨大な被害は何によるものだったのか。-略-その所在地は沿岸部に集中している」

「そのとき非正規教員は」 下「」引用。

「岩手の各高校は、一○人の非正規教職員がいなければ一日たりとも学校運営ができない人員配置の下にあった。このような雇用状況が国の政策でつくり出されたのは二○○一年以降のため、まだ教育現場には、複数の雇用形態の教職員がそれぞれの雇用条件に相応した働き方を行なう職場の文化が形成されていない。端的に言えば、非正規も正規と同じように働かされているのが現状だ。そこに震災が起きた。
 非正規教職員は、交通の遮断により自宅に戻れないという事情が多くの場合あったにせよ、震災後の学校や避難所ではたらいた。連日、焚き出しを行ない、正規教職員といっしょに激務を担ったのである。岩手県では震災対応で沿岸の学校の四月の人事異動を凍結したため、いま四月以降も非正規教職員が同じ学校で働いている。「三月と四月を乗り切ったが、今度は教員採用試験の準備をしなければならない。がんばってやるしかないよね」と自分に言い聞かせながら。-略-」

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過労死。下「」引用。

「激務が続くなかで、四月末、岩手の高校では、震災対応でリーダーシップをとってきた教員が倒れる。宮城県の仙台市内では、一人の教員の三月の超過勤務が一六○時間になった。同じく仙台市内では避難所運営に携わっていた一人の教員が過労死したという(『教育』二○一一年六月)。心配されていた二次的被害が起きている。」

山下俊一問題。下「」引用。

「福島県知事の要請をうけて「放射線健康リスク管理アドバイザー」になった山下俊一長崎大学教授は、被曝医療の専門家とされている。その山下教授は「国が決めた数値だからそれに従うのが国民にの義務。この数値で健康被害が増えるというようなことを立証した研究はない」といった主旨の発言を繰り返して、地元の人たちから多くの批判を受けている。パニックを防ごうということのようだが、きわめて問題のある発言である。「因果関係が立証されいないから安全」というのは、「わからないから安全」と言うのに等しい。「わからないのだから、気に病まない方がよい」という主旨の発言もしているが、長年この問題を研究してきた人の発言として信じられない非科学的なものである。
 放射線については、「非科学的な知見が増えれば増えるほど、ますます放射線の危険度が大きいことが明らかに」なっており、国際的な安全基準も(それ自体に問題があることは後述するが)時とともに厳しくなっている(小出裕章『放射能汚染の現実を超えて』河出書房新社、二○一一年)。「かわらないことはわからない」ということは専門家として言いにくいかもしれないが、科学者としては、そうでなければならない。」

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ICRPとOECD……。下「」引用。

「小出裕章は、「もともとICRPは単なる任意団体に過ぎないのに、原子力を推進する世界各国はそれをあたかも国際的な権威であるかのように宣伝し、原子力の推進に都合の良いようにICRPを利用してきたのが真相である」(小出裕章『放射能汚染の現実を超えて』河出書房新社、二○一一年)と指摘している。日本の教育政策におけるOECDの位置と役割を考える上でも、示唆に富む点である。」

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「先生をヒマにせよ」多忙すぎるという。








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