磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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原発のない世界へ

2011年11月24日 | 読書日記など
『原発のない世界へ』
   小出裕章・著/筑摩書房2011年

帯に書かれてあります。下「」引用。

「いま最も信頼される原子力専門家が、
今後の原発の危険性、
今後取るべき原発廃絶への道筋、
放射能汚染下での暮らし方を伝える。
なぜ原発をやめるべきか?
著者の一貫した姿勢が伝わる。」



小出さんでも感情は、「信じられない」 下「」引用。

「私たちはいま、世界が経験したことのない事態に直面しています。
 福島原子力発電所の事故が起きた時、悪夢ではないかとなかなか現実に起きたことを信じられませんでした。
 私は、40年間、原子力の専門家でありながら、原子力発電所というものに反対してきた人間で、何度も原発事故のことはシミュレーションしてきました。-略-
 それでもなお、私自身、まさか本当にこんな大規模な事故が日本で起こるとは、心のどこかで思っていなかったようです。
 そして原子力の専門家としてみなさんに謝りたいと思いました。」

鎌仲ひとみとの対談が掲載されている。

周りがオッケーといっても、それでいいんでしょうかね? 下「」引用。

「つまり、周りが「原発はオッケー」だと言うから、自分もオッケーの側にいればいいという、その変わらなさが事故後もずっとあるということです。そのことが、実は一番ショックでした。「この人たち、いつ変わるんだろう?」と。」

「赤信号、みんなで渡って核爆発」……みんな=原子力ムラ。その有力メンバー=大手メディアにのせられる人びと……。

謝罪文も無責任体制で。下「」引用。

「小出 原子力を支えてきた推進派の学者数名が連盟で謝罪文を出したけれど、謝罪文を出すくらいなら原発に反対してくれ、と思います。でも、そんなことは決してしない。今度は、「より安全な原子力にすればいい」なんてことを言い出すわけです。」

班目の下の大きな塊(原子力ムラ)。下「」引用。

「でも、班目さんなんて氷山のほんの一角です。その氷山の見えているところに班目さんがちょっこといるけれども、水面下にはものすごく大きな塊が沈んでいる。その巨大な塊を構成してきた人たちを捕まえる努力をすべきです。」

最大の根っ子は国。下「」引用。

「小出 一番の根っこは、国が原子力をやると決めたことでしょう。日本のようなお上意識の強い国では、国が決めたことというのは圧倒的な力を持ってきたと思います。原子力なんて、国策民営でしょう。今、国は「悪いのは東電だから自分たちで責任を取れ」なんて言っているけれど、一番悪いのは国ですよ。-略-」

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「豊かさ」 下「」引用。

「小出 今日の講演会で見てもらった写真の中に、福島第一原発のある双葉町にかかったアーチの写真がありました。そのアーチには、皮肉にも「原子力 正しい理解 豊かなくらし」と書いてある。原発事故の後、本当に「豊かなくらし」とはどのようなものなかを痛切に感じている人もいると思います。住民の皆さんは本当につらいでしょうし、後悔されているかもしれない。いずれにしても、今回のような悲惨な事故が起こって、彼らは故郷を、すべてを失ったのです。-略-」

廃炉費用は300億円以上で、想像を絶するという。それも、電気料金でまかなうという……。

地震のどさくさにまぎれて……。下「」引用。

「鎌仲 ところで、六ヶ所村に第二再処理工場を作るという話は、地震のどさくさにまぎれて、3月11日以降に建設許可申請が出てしまいました。六ヶ所村が受け入れを許可したんです。
小出 でも、第二再処理工場なんて国の許可申請もしてないでしょう?
鎌仲 もう建てるという方向で動き出したというニュースが流れましたよ。こういう情報は、東奥日報に出るんですよ。
小出 第二再処理工場に関しては、2010年ごろから検討を始めるというのが原子力委員会の方針だったし、まだ検討する委員会もできていません。
鎌仲 六ヶ所村の予算案が出たみたいなことも言ってました。
小出 金、金、金だ。
鎌仲 この事故の影響で、お金の価値が落ちてますよ。お金で一体、何を買うんですか。お金があっても、汚染されていないものや土地が手に入らなければ、しょうがないですよね。-略-」

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120万発……。下「」引用。

「たとえば、今日もうすでに54基の原子力発電所があるわけですが、1966年から今日までに、日本の原子力発電所が生み出した核分裂生成物の量というのはいったいどれだけあるかというと、広島原爆の120万発分ですり。-略-」

テレビ局の筆頭株主は関西電力。

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宮沢賢治『農民芸術概論綱要』より。下「」引用。

「「世界がぜんたい幸福にならないうちは、個人の幸福はあり得ない」」

「「反原発」は差別に抵抗すること」

保守的でまじめな学生だった小出。そして女川原発の反対運動に興味をおぼえ……。








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