磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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壁 差別と貧困の中から 未解放部落原爆被爆者の手記

2007年12月12日 | 読書日記など
『壁 差別と貧困の中から
  未解放原爆被爆者の手記』
     福島地区被爆者の会/福島地区被爆者の会事務局1969年

原爆にもこわせなかったもの、それが差別。
--差別というものがいかにひどいものか、それだけでも理解できるかと思います。

しかし、差別する理由というのは非科学的なもので、ナチスと変わりがありません……。



広島にもがあるという。下「」引用。

「広島市の中心から西寄りに、福島町と呼ばれる一画がある。戦前から、「」と呼ばれていたこの一画は、爆心から約一五○○米、町の大半の人びとは、原爆で一瞬にして殺りくされた。生き残った人たちは、しかし、他に移るところとてなく、廃墟の中に、必死で生き延びるほかはなかった。
 この町だけでなく、広島の他の町でも、家も焼かれ、家財を失い、行く所もない多くの市民が、原子砂漠に放り出された。それらの人びとの中からも、多くの人が、この福島町に流れこんだ。」

原爆として、さらに苦難の道へ。下「」引用。

「こうして、福島町は、封建制度の差別が生んだ「」から、アメリカの原子爆弾によって健康と財産を奪われた人びとの集団としての「原爆」へと変貌した。原爆被爆者の、健康苦の悪循環でますます深みに陥る困窮の姿は、この「原爆」の中でとくに鋭く現われている。」

しかし、流されているだけでなく、努力されます。
--昭和38年、「福島地区被爆者の会」ができる。
昭和39年には、『第十回世界大会を成功させよう』へ代表を送ったという。

そして、「原爆」という用語の意味が変質したという意見がある。下「」引用。

「補注。「原爆」という言葉は、ふつうは、私がこの文で使ったのとは違った意味で使われている。即ち、被爆者が一般的に健康が勝れない、という理由で就職上の差別をうけ、とくにその影響で二世、三世に及ぶというので結婚ても被害をうけている。この就職・結婚等に関して、被爆者がうけている差別は、「」に対する差別に通ずるものがある。この状況をふつう、「原爆」という言葉で呼んでいる。念のため)
     (佐久間澄氏は広大教授・日本原水協代表理事)」

が悪いのではなく、差別することが悪い。
--「いじめ」られっ子が悪いのではなく、「いじめ」っ子が悪いのと同様であると思う……。

石原慎太郎は、このような本ではよく名前が登場する。下「」引用。

「こんどの参議院選挙で石原慎太郎は、世の中の発展の為には核アレルギーを克服しなければならない。いまはすでに核時代に入っており、多少のギセイは止むを得ないと公言しています。-略-
 石原慎太郎の頭の中には、『広島』も『長崎』もなく、いまなお塗炭の苦しみを受け、生命さえ奪はれている被爆者など存在しないのです。」

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高校の文集での苦しさを書いた少年がいたという。

愛国心について書かれてありました。下「」引用。

「今ごろはもう愛国心じゃ、とか神話じゃとか、少年を自衛隊や海洋少年団にあこがれるようにしているですが、私はそう言うやり方が気にくわんのです。そんなあらためて愛国心を飢えつけていかなくても、人々の心の中にはちゃんと自分の国を思う気持ちはあります。という差別、両親が被爆したという苦しさら対して一生懸命それに立ち向かって正しく生きようとしてる我が子に、もう戦争の苦しさを味わせてはなりません。」

それが一般的な日本人かと思います。

愛国心にも悪いものもあるようですから、それもきちんと考えたいものですね。








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