磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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DAYS JAPAN 2012-1

2012年02月28日 | 読書日記など
『DAYS JAPAN 2012-1』
   広河隆一・編/デイズジャパン2012年

特集名 2012年何が起こる?



「TOPICsフランス、ドイツ 核廃棄物の輸送に若者の猛抗議」 下「」引用。

「高濃度放射性廃棄物が、フランス北西部の再処理センターから列車でドイツ北部ゴアレーベンの中間貯蔵施設に輸送されることに反対し、フランス(写真上)とドイツ(写真下)の市民が激しい抗議を行った。列車の通過に合わせ、数千人を超える市民が結集。ドイツ側だけで約1300人が拘束され、150人が負傷した。」

「TOPICs脱原発へ、女性たちの抗議」 下「」引用。

「経産省前で3日間続いた「福島の女性たちによる座り込み」の最終日、その場を動かず抗議を続けた女性たちが、立ちあがり怒りの声をあげた。彼女たちの勇気は、新たな行動を引き起こし、脱原発の日まで続いてゆく。」

「永久に必要な放射能封じ込め」小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)。下「」引用。

「原子力発電所とは、ウランの核分裂反応からエネルギーを取り出す技術的体系である。それを利用すれば、不可避的にの核分裂生成物と呼ばれる放射性物質が生まれる。それは放射能を持っているがゆえに発熱体であり、あたかも生物であるかのように自ら動く能動的な毒物である。その毒物の冷却に失敗して福島第一原子力発電所に溶け落ちた。
 今日、標準的になった100万キロワットの原子力発電所の場合、毎日3キロのウランを核分裂させる。広島原爆で核分裂したウランが800グラムだったので、その4発分近い。原子力発電所とは毎日広島原爆4発を爆発させながら動く機械であり、1年の運転では広島原爆数千分を優に超える核分裂生成物を生み出す。福島第一原子力発電所で溶け落ちた原子炉は1号機(46万キロワット)、2号機、3号機(ともに78万キロワット)で、3月11日に運転中であった。4号機(78万4千キロワット)は定期検査で停止していたが、その使用済み燃料プールは1回分の燃料の3倍近い燃料を抱えた状態で、今現在も危機に直面している。1、2、3号機の合計出力は約200ンキロワットであり、長期間運転を続けていた原子炉の中には、広島原発4千発分を上回る核分裂生成物があった。そのうち大気中、地下、海に放出された核分裂生成物はおそらく数百発分はいまだに破壊された原子炉周辺に留まっている。何年か後に、一部を他の場所に持ち出させるかもしれないが、大部分は手を付けることができないまま現場に封印する以外ない。今後なすべきことは地上に「石棺」、地下に遮水壁(しゃすいへき)を建造することである。数年かけてその作業は行われるはずで、おそらく私は出来上がった「石棺」を見るであろう。
 しかし「石棺」も遮水壁も年月とともに劣化する。事故後25年たったチェルノブイリ原発で第2石棺を作らねばならなくなつたように、福島第一原発でも数十年後には新たな石棺を作ることになろう。だが、その後また数年たてば第3石棺、さらにその数十年後には第4石棺と、能動的毒物を閉じ込める作業は続く。
 一体、いつまでその作業を繰り返さなければならないのか、誰にも分からない。」

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「地震活動期の日本今すぐ原発停止を」広瀬隆。下「」引用。

「-略-今議論されている安全対策は、事故防止にはまったく無駄な骨折りである。
 さらに世界的にも、大地震の続発が予感される。日本の原子力専門家は誰一人、大事故を防ぐ計算能力がなく、電力会社は、水素爆発も臨界暴走も食い止めることができないほど、素人集団であることが、フクシマによって実証された。おそるべき放射能被曝もなすがままである。次の大事故が起これば、日本人には、食べるものが何もなくなることが明白になっている。
 私に言えるただひとつのことは、何としても次の大事故を食い止めるために、すべての原発と六ヶ所村再処理工場を「即時」全廃するほかない、ということだ。「即時」にである。」

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「大手メディアの存在意義は失われた」上杉隆(ジャーナリスト)。下「」引用。

「-略-自由報道協会を象徴とするマイクロメディアや通信メディアを独自に持つ独立系のジャーナリストたちだ。彼らは、各々の方法論で、福島や東京電力本店などの現場や会見場に行き、各々のやり方で質問し、そして発信した。その影響力は決して大きいものではない。だが、中東のSNS革命や米国のオキュパイ運動を見ても、そうしたメディアツールを獲得した市民やジャーナリストこそが、新しいメディア社会の主役に躍り出ようとしているのだ。2012年はその元年であり、ますますその傾向に拍車がかかるだろう。後年振り返ったときに、あの時が新しい言論空間が構築される年になったのだと、確信するに違いない。」

「餓死してゆく福島のペットたち」 下「」引用。

「星広志さんが代表を務めるHOSHI FAMILYは、いかなる動物愛護団体にも属さない独立した組織で、4月から福島第一原発の警戒区域に入り、犬や猫を救出する活動を行っている。-略-
 星さんは言う。
「過去には新潟県の地震で牛をヘリコプターにぶら下げて、1200頭も移動したという実績があるのに、3.11の震災では、政府は動物救済を行いませんでした。
 我々はこれまでに獣医師隊やオフサイトセンターの動物捕獲にも協力してきました。-略-」

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「新規連載 チェルノブイリとフクシマ 第1回 子どもの障がいと放射能」広河隆一(写真・文)。下「」引用。

「12月号の編集後記で私は映画「チェルノブイリ・ハート」について触れ、心臓疾患の多発の放射能の恐ろしさを警告することの意義は認めるものの、登場する子どもたちの障がいがすべて放射能のせいであるかのような表現をするべきではないと述べた。これに対して読者から、私の発言はどこまで確かなのかと質問された。-略-
 ベラルーシのゴメリ州立「子どもの家」にも昔訪ねたことがある。障がいをもって生まれ、親に捨てられた子どもが多く収容されている施設だ。今回主任医師のシェルビツカヤ・エレーナは次のように言った。「私たちの施設には現在、180床ありますが、2012年1月から150床になります。国はこのような子どもをなるべく家族の元で育てるように指導しているので、当施設の子どもの数が減ってきたからです。現在、ここには0~4歳の、特に遺伝子障がいや中枢神経障がいなどの子どもが145人います。でもチェルノブイリ事故と子どもの障がいの多発の関係については、はっきり言えません。中枢神経の障がいの場合、放射能というより、両親の不健康な生活(喫煙、飲酒など)がその原因になると思われます」-略-」

はっきり言えないでしようね……。
貧しいはずなのに、そんなに飲めるんですか? 日本の貧困層より豊かなんですか?

【DVD】チェルノブイリ・ハート

中絶が……。下「」引用。

「また同じウクライナのジトミル州立「子どもの家」(ノボグラッド・ヴォリンスキー)のラドチェンコ・ヴァシリィ院長は、次のように言う。
「この施設には現在、52人の子どもが収容され、その半分は障がい児です。私はここに8年間務めていますが、この間に収容された子どもがチェルノブイリ事故の影響で障がいをもったとは、国や州は認めていません。また妊娠中に子どもの異常を発見できる機器がジトミル市や他の地区にも設置されているので、障がいをもつ子どもが生まれるケースがほとんど見られなくなってきました」
 彼の発言は、胎児の異常が発見された時点で、中絶する親が多いことを間接的に示すものだろう。-略-」

増加は認められない……。下「」引用。

「ロシアのセミパラチンスクでは、医師たちによって障がい児の増加が認められていると聞くが、チェルノブイリについては私はまだその報告を聞いていない。放射能の種類によってさまざまな病気が発生することは事実だが、外形的障がいをもつ子どもを撮影して、それが放射能のせいだと報道することにはもっと慎重にならなくてはならないのでないかと思う。」

中絶を勧めているのなら、統計上の増加はないだろうなあー。
『それが放射能のせいだと報道することにはもっと慎重にならなくてはならないのでないかと思う』
でも、放射能のせいではないとも、著者は書いていない……。
統計の有意で表現できると思ったが、中絶が勧められているのなら、それもできないだろう……。

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