磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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人間と放射線-医療用X線から原発まで- 新装版

2011年11月26日 | 読書日記など
『人間と放射線-医療用X線から原発まで- 新装版』
   ジョン・W.ゴフマン(著)/伊藤昭好、今中哲二、海老沢徹、川野真治、小出裕章、小出三千恵、小林圭二、佐伯和則、瀬尾健、塚谷恒雄(訳)/明石書店2011年

原書名 Radiation and human health
--専門書であり、教科書のような本でしょうね……。
777ページ以上の分厚い本です。



「専門家の意見が合わないとき、誰を信じればよいか」 下「」引用。

「私はこの疑問に対して、わかりやすい答えを用意している。いまや誰もが吟味できる証拠があるのだから、専門家を信じる以外にないという状況はなくなった。何らかの権威を信じるのではなく、証拠が考えの基礎にならなければならない。私はこの本において、人間に関する証拠の現状すべてを示すよう努めた。そのためには、最高の科学的基準を満足させることが重要である。それは単に証拠と結論のみを示すのではなく、両者を関連づれる根拠をも示すことである。かくて読者は、得られた結論を独自に検証できるのである。私としては、健康影響のすべての計算と評価をり、読者自身が導くことができるようにしておきたい。もし読者が望むならば、ここでの評価の詳細な中味をひとつひとつ段階的に知ることもできよう。生の資料が載っている文献原著をたどりたい人のためには、引用文献を巻末に示した。」

危険度を軽視するな! 下「」引用。

「危険度の意味を軽視することは、病気や薬に対する基本的な考え方、つまり、確率という考え方を軽視することになる。たとえば、結核菌にさらされたからといって、確実に結核になるとは限らない。インフルエンザ・ウイルスにさらされたからといつて、全員がインフルエンザになるとは限らない。菌にさらされる量に応じて、10%、25%、60%というように、何割かが発病するだけである。薬の副作用についても同じことが言える。「安全」な薬も、患者の5%には副作用があるかもしれない。そしてそれは、どの患者も95%の確率で副作用を起こさない、ということでもある。」

原発ジプシー。下「」引用。

「臨時労働者--原発ジプシー : フランクリン(Franklin, 1979)は、原発推進者がふれたがらない原子力産業の一面について、すぐれたルポルタージュを発表している。原発ジプシーに関して、フランクリンの記述に勝るものはないので、以下にこれを引用する。
「原発ジプシーとは、未熟練の短期雇用労働者であり、彼らは高い報酬にの代わりに、短期間で高い放射線に被曝する。わずか数分間の労働ということも多い。
 巨大な鋼鉄製圧力容器の18インチ(約46cm)の狭い入り口から這い込めるサイズの人間だけが「斡旋所」で選抜され、彼らは1本のボルトを回すくらいの仕事しかしない。しかし、作業場所には1時間当り25レムといった放射線があり、数秒以内で仕事を終えなければならないのである。」

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モノソミー。下「」引用。

「「生れるべき」子孫の細胞に対し1本の常染色体しか伝達されない遺伝障害は、「モノソミー」(一染色体)と呼ばれる。「生まれるべき」と断わらなければならないのは、1本の常染色体のみで生存しえた人間は、いまだかつてどこにもないからである。1本の常染色体の一部を失ったまま誕生し、数年間は生きながらえた奇形児(大欠失症候群)の例は知られていても、常染色体1本全体を失い、どの体細胞も染色体を45本しかもたない人間の生存例は見つかっていない。-略-」








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