磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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放射能の流れた町 スリーマイル島原発事故は終わらない

2008年04月16日 | 読書日記など
『放射能の流れた町 スリーマイル島原発事故は終わらない』
   弘中奈都子、小椋美恵子(編)/
     メアリー・オズボーン、他(著)/阿吽社1988年

これはよくまとまった本ではないかと思います。大手マスコミなどではなかなか伝えてくれないことをたくさん書かれています。ぜひ、手にとって読んでいただきたい本です。



帯に書かれてあります。下「」引用。

「少し前に、私は、ふつうの母親や父親が、原子力に関する“専門家”になる必要はないと気がつきました。本当に必要なのは「人間として持たなければならない、あたりまえの常識」だけであり、まさしくそれは原子力を推進している人たちに欠けていることです。 現地の主婦メアリー」

専門知識ではなく、当たり前の常識……。
--白を黒といえる専門知識があるようです……。

原爆にあったような表現をされているようです。

「原子力とは、大量に、無差別に、そしてあらかじめ計画された殺人である」ゴフマン博士。

「誤り」と指摘する本こそ、誤りだという。下「」引用。

「最近話題の『危険な話』(広瀬隆著、八月書館)に対して、日本原子力文化振興財団は「『危険な話』の誤り」と題する小冊子を、全国の原発立地市町村や、マスコミ関係者に配りましたが、その中に、スリーマイル島原発事故についての次ぎのようなコメント(要約)があります。-略-」

裁判が起こされていないように書かれているが、現在、3000人近い人が起こされているという。
信用に足りる情報や事実ではないという。下「」引用。

「推進する人たちが好んで使う「専門家の正確な情報」が、この国の原発を開発し、推し進める時に大きな拠りどころになってきたことを思うと、恐怖を感じます。私たちや私たちのこどもの生命を、このような専門家にまかせてはおけません。」

調査結果。下「」引用。

「一九八二年六月から調査で来ていたハジメとアイリーンが、日本に帰る一九八三年三月、事故の間に体験した人々の奇妙な出来事を、TMIアラートのメンバーの前で報告します。そこでは、放射線被曝による症状と同様の症状を、多くの人が訴えていることがわかりました。発疹や日焼け、涙が出る、吐き気や嘔吐、下痢、脱毛、金属性の味などの数々のレポートです。
 ある地域の医者は、入院している患者の多くは白血球数が異常であったと言い、クレアー・フーバーの農場の牛も、同様に白血球数の異常があったという報告がされました。」

チェルノブイリ事故の時、ペンシルバニア州のミドルタウン(スリーマイル島原発から北に四マイル)では、全米一の数値が検出。これはスリーマイル島事故の影響かチェルノブイリ事故のかわからないという。

意図的な隠蔽がアメリカであったのではないかという。
--ソ連でのチェルノブイリ事故でも、見事に隠蔽されたのはアメリカが派遣したゲイル博士が当地に行ってからですね。

証言も書かれてありました。下「」引用。

「夫婦で新聞配達をしているマーグ・クラフトさんは、事故の朝、すでに起きていて、原発から南西三キロの自宅の二階で、そのすごい音を聞きました。その時の音は、いつもの音に輪をかけたような大きな音で、質も違い、直感的に事故だと思い、「今の音はすごい。事故が起こった」と二階から、驚いて降りてきました。その日、新聞配達で各家をまわっている時には、発電所は霧のようなもので包まれていて、全く見えませんでした。周辺地域には、特別変ったことはなかったという人も多いのですが、たいへんな体験をしている人も少なくありません。」

虹色とかの表現は、ヒロシマやナガサキの原爆でも表現されています。下「」引用。

「スリーマイル島を見おろす、南西約五キロの丘のうえに住むワイス一家は、三月二八日の午前中、ピンク色がかったオレンジ色、あるいはサビ色をした雲のようなものが、原発の上空にあるのに気がつきました。それは煙のように流れてはいかず、昼のあいだずっと島のうえに見えました。輪かくははっきりせず、霧のようでしたが、虹色あるいは玉虫色のような光をだしているように見えたそうです。その日一日中庭で温室づくりをしていた、デイビッド・ワイスさんは、これまで経験したことのない奇妙な日焼けのような感じに、後になって気がつきます。」

早産の子牛、背骨がねじれている写真などが掲載されていました。

示談もあったようです。下「」引用。

「最高額は事故九カ月後に生まれたダウン症の男の子にたいする一○九万五○○○ドルである。金額の大きさにもかかわらず、電力会社は賠償責任を認めたのではなく、裁判で争う経費を計算したうえで示談に応じたのだという。」

金で口を封じるというものですね。

日本とラムッセン報告。
--地震国の日本にあてはめると、アメリカの千倍もの事故確率だったという。


保険と行政。下「」引用。

「日本のある電力会社は、総額五一七○億円の保険金をかけ、保険料として、年間約九億円を保険会社に払っているそうです。五一七○億円の内、大事故時に、電力会社が被害住民に支払うのは、僅か一○○億円です。残りの五○七○億円は、電力会社が自社の財産を守るためにかけているのです。原発の多い関西電力では、実に約三兆円もの保険金をかけているそうです。それも、火力や水力の一○倍もの高い掛け率なのです。
 一○○億円を超える分は、国が責任を持つと言っていますが、それはあくまでも政府が国会にはかり、議決した上での話です。今の自民党政府であれば「影響はない」として、提案するとは全く思えません。広島・長崎の被爆者の人達に国が援助してほしいという「被爆者援護法」の制定を拒否していることを考えれば明らかではないでしょうか。」


まさに、「原発と公害のあるところに、民主主義はない」ですね。

民主主義と思わせるために、原子力プロパガンダをつくりだす。
そのプロパガンダを大規模に発信するために、電気料金や血税から出されているといっていいかと思います。


毎日新聞は当時はとりあげていたようです。








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