磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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アメリカン・ドリームという悪夢-建国神話の偽善と二つの原罪-

2010年10月21日 | 読書日記など
『アメリカン・ドリームという悪夢-建国神話の偽善と二つの原罪-』
   藤永茂・著/三交社2010年

帯に書かれてあります。下「」引用。

「世界史上、「アメリカ」という試みは、一つの巨大な間違いではなかったか
ブッシュのアメリカが「逸脱」していたのではなく、建国以来230年余、アメリカにデモクラシーなど存在しなかった。インディアン虐殺と黒人奴隷制のトラウマをつぶさに検証する。」



「美しいアメリカ」オバカ大統領。下「」引用。

「もう一度、上掲のオバマの名演説を読んでいただきたい、そこには、白人アメリカが本当のアメリカだと信じたい「美しいアメリカ」が家族美談のオバマ節に乗せて、見事に謳い上げられている。そこには、「白人たちよ、あなたがたは我ら黒人にひどいことをしてきた」という非難の言葉は一切語られていない。貧乏な家庭の子供でも、頑張りさえすれば、最善最高の学府に学べる寛大なアメリカ、すべての人間は平等であり、生命、自由、幸福の追求、……、が奪うことのできない権利として神によって与えられているアメリカ、進歩、保守の分裂も、肌色の区別もなく、あるのはただ一つのアメリカ、……。それが、本来の、本当のアメリカ。」

「キング牧師の「ホープ」、バラク・オバマの「ホープ」」
--KKKに暗殺されたキング牧師。痛々しいキング。下「」引用。

「キング牧師は、人種差別、貧富格差、ミリタリズムをアメリカ社会が必然的に生み出す分離しがたい三悪であると断定する。」

オバマは口にしない……。下「」引用。

「軍事費を増大し、アフガニスタンでの軍事行動の強化を目指すオバマ大統領は、大多数の黒人を依然として苦しめている人種差別と貧困が、戦争と直接結びついているなどとは決して口にはしない。」

インディアンは「独立宣言」から除外されていた。

白い奴隷はふつうは「白人年期奉公人」と呼ばれているという。「白いインディアン」の発生。下「」引用。

「もともと英国の下層白人たちの生活の語彙には「幸福」の二文字などなかった。インディアンの世界にはそれがあった。厖大な数の「白いインディアン」の発生の大きな理由の一つが、アメリカ植民地の上層階級の白人(プランターたち)も、故国におけると同様に、下層白人を惨(むご)たらしく取り扱うことに躊躇しなかったことにあったことはほぼ疑う余地がない。
「白いインディアン」がフランクリンやクレヴクールの文学的創作物でなかったことは、例えば、ジェームズ・アクステル(James Axtell)の『内なる征服(The Invasion Within)』(一九八五年)をひもとけばわかる。三○頁を割いたその最終章「白いインディアン」には、この歴史的事実についての詳細な論議が与えられている。最も早い公式記録の一つは、一七四七年、ニューヨーク在住の英国政府官僚コウルデンの著作にある。-略-」

偉大なるヘレン・ケラー。下「」引用。

「人口の半数を占める女性が、合衆国全体で投票権を戦い取ったのは一九二○年だが、女性参政権獲得の長い戦いに関わった三重苦の偉大な女性ヘレン・ケラーが「我が国のデモクラシーはただ名ばりかだ」と喝破したのは一九一一年のことであった。」

カスター将軍はインディアン虐殺で名を揚げた。下「」引用。

「カスターが名を上げた最初のインディアン虐殺はオクラホマ州西部のワシタ川で起こった。ひたすら白人たちと事を構えることを避ける酋長ブラック・ケトルは、シャイエン・インディアンの非戦闘員の一群を率いてワシタ川の岸辺に越冬のためのキャンプを設営した。一八六八年一一月二七日早朝、カスターの率いる第七騎馬連隊はそのキャンプに不意打ちをかけ、多数の馬とインディアンのほとんどすべてを虐殺した。殺された一○三人のうち九三人は女、子供、老人だった。ブラック・ケトルとその妻は一緒に馬に乗った姿勢で惨殺された。カスターの上司シェリダン将軍が不朽の名文句「死体になったインディアンだけが良いインディアンだ(The only good Indian is a dead Indian)」を口にしたものもこの年である。」

ホイットマンは虐殺支持。下「」引用。

「野蛮人インディアンを殲滅することはアメリカの「明白なる天命」だと信じたままホイットマンは生涯を終えたはずである。」

カスター将軍は『地獄の黙示録』。下「」引用。

「カスターは、軍人としても、人間としても、虚栄心一杯の下らぬ男であったが、上昇可動性(upward mobility)というアメリカン・ドリームを熱烈に信じ、南北戦争の戦功を踏み台にして一八六八年の大統領選挙に勝利したグラント将軍にならって、自らもアメリカ合衆国大統領の地位をうかがうつもりであったようだ。カスターのイメージは、私の想像上のスクリーン上では、フランシス・コッポラの映画『地獄の黙示録』に登場する米軍将校キルゴア大佐のイメージと見事に重なる。-略-」

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〈神の摂理〉を受け入れなかったデューイ、ホイットマン。下「」引用。

「デューイもホイットマンも、〈神の摂理〉の観念や内在的目的論の観念を受け入れなかったので、二人とも人類の先導者は道に迷うかもしれないし、ひょっとしたら人類を導いて行って絶壁から落ちるかもしれないという可能性を認めなければならなかった。」

「魂の中の嘘」=フルブライト症候群。

オバマ・ノーベル平和賞受賞講演。下「」引用。

「『ノルウェー・ポスト』紙には「これまで、ノーベル平和賞受賞者が、これほどの確信を持って、戦争が必要であるというメッセージを提示したことはなかった」-略-」

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