磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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眠らない街-検証・東海村臨界事故-

2009年09月12日 | 読書日記など
『眠らない街-検証・東海村臨界事故-』
   相沢一正、丹野清秋・編著/
     村上千鶴子、他・著/実践社2000年

いろんな人が書いておられます。



国・県は小さくみせようとした……。下「」引用。

「-略-被曝したその他の従業員や周辺住民が多数にのぼったということである。国があげた四三六という数字にとどまるものではないと私たちはみている。今日ただいまの問題としては、現実の健康被害、将来の健康不安に対してjcoと国・県がどのような形で事故の責任をとり、補償をなすのかが問われている。しかし今のところ、国は事故の規模を小さく印象づけ、住民の被曝線量を切り下げることに意を用いるばかりで将来へ向けての健康対策はおざなりの一言につきる。-略-」

納得がいかないという。下「」引用。

「原子力安全委員会健康管理検討委員会は、三月末に最終報告書ともいうべきものを発表した。結論から言えば、周辺住民には今回の事故によって放射線が原因となる影響は確定的影響についてはもちろん、確率的影響についてもないということである。-略-
 私たちは被曝住民に対するこの被曝線量評価と影響評価、及び健康管理のかり方には納得がいかない。」

生データと公表……。相沢一正・著。下「」引用。

「JCO事故がおこったのは九月三○日だから、一○月一日から動き出しました。エントロピー論、資源物理学などの研究者である槌田敦さんが「何がどうなっているか、自分で調べたいといって夜、東海村に来られたんです。僕もR-DANという検知装置を持っていますから、そのR-DANを持って二日午前中いっしょに調査を始めました。すごかったですよ。敷地境界の所で放射能レベルが通常の自宅での五倍とか、場合によっては一○倍近くにも跳ね上がりました。政府の発表のデータというのは、今までほとんどが生のデータではなく、整理されてしまってよくわからないデータばかりだった。今回は一部に生データというものを出してきましたが、政府発表のものは何とも胡散くさいイメージがあった。だからこそこちらが自分でデータを作って、それで発言するしかないと思っていたんです。
 二日夜には京都大学の荻野晃也さんが重い計測器を二台持って来られ、JCO周辺から一キロ先まで順に、ヨモギや泥、松葉などを採取してすぐに宅急便で大学に送りました。-略-」

JCOだけではないという。下「」引用。

「-略-たまたま事故にならなかったというだけです。つまりJCOだけの話じゃない。他のところでもやっているわけです。-略-JCOの事故は特殊な事故ではなくて、原子力産業界全体に覆っている状況を反映している。-略-」

「安全技術の名に値しない日本の原子力技術--JCO臨界事故が示すもの」丹野清秋・著。
「人々の暮らしが原子力に取り込まれる」
ヒロシマ・ナガサキの被爆二世を考えて、東海村の人たちも悩んでいるという。

軍隊と重なる。下「」引用。

「沖縄に十何年か前行ったとき「軍隊は国を守らない」という言葉を聞きました。アジア・太平洋戦争で国体護持のためどれだけの人々が殺されたでしょう。私は沖縄で聞いたその言葉の意味を、JCO事故で「安全宣言」を迅速に出しても避難要請をださなかった国の姿に重ね合わせています。」

「放医研九月三○日の緊張--放射線医療の現場から」小笠原一郎・著。下「」引用。

「また放医研のような施設やヘリポートが主要な原子力施設にあるだけで問題は済まされない。それらの施設の維持管理、スタッフの常駐や訓練、地域の行政との連携や連絡体制の確立など、手つかずの問題や不十分性はまだまだある。放射能や原子力はそもそもこのようなリスクを背負っており、それに対処する体制やシステムをまずもって作らなければならないのは当然であろう。その原子力防災上の全般的欠陥が明るみに出されたというのが二つ目の印象である。」

治療にそれほどの効果があったとも思えない……。
それなのに、それほどの費用をかけても、意味があるのか?
--原子力開発を止めるべきではないか?

「■立証責任を住民に転嫁」

「原子力防災はなにも機能しなかった」

「リストラが強いる危険な労働--原子力施設の深傷検査の現場から」国枝康男・著。








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