オセンタルカの太陽帝国

私的設定では遠州地方はだらハッパ文化圏
信州がドラゴンパスで
柏崎辺りが聖ファラオの国と思ってます

風雲児たち4。

2006年12月15日 22時54分31秒 |   風雲児たちindex.

風雲児たち4 【徳川家誕生編4】☆ (1983年9月10日刊)

   ~会津藩誕生

表紙絵;徳川の人々(秀忠と秀光、保科正之、水戸のご老公)としずかちゃん&浪人宮本武蔵
裏表紙絵;
傷だらけの幡随院長兵衛

第一章 決戦  (34ページ)
トビラ;
大坂方と徳川方の面々
時期;慶長20年(1615)5月8日~元和元年(1615)7月24日
登場人物;
豊臣秀頼、淀君、千姫、真田幸村、猿飛佐助、後藤又兵衛、明石守重、宮本武蔵、大谷吉胤、塙団右衛門、岩見重太郎、木村重成、佐野道可、長曽我部盛親、島津家久、木戸岡大屋介、毛利秀元、吉田松陰、高杉晋作
エピソード◎大坂の陣終結/◎みんな討ち死に/◎豊臣家消滅/◎家康と秀忠の感慨/◎祝いに駆け付ける東軍諸将/◎大名たちに冷淡な家康秀忠/◎二条城・伏見城に入る家康秀忠/◎褒美を期待する大名たち/◎一国一城令/◎徳川家の大名統制策の強化に青くなる大名たち「大名(かれ)らはやっと気付き始めた。日本史上かつてない巨大な力が自分たちの上に君臨してしまったことを。もはや自分たちは、徳川家の飼い犬に過ぎなくなってしまっていることを」/◎武家諸法度/◎皇室との接触を禁止/◎禁中並びに公家諸法度/◎寺院・神社の法度/◎家康に、皇室への献金の許可を願い出る毛利家/◎例外としてそれを認める家康(それが二百年後に裏目に出るのだった)

第二章 巨星墜つ (32ページ)
トビラ;(?)の水鏡に映る和歌山(?)
時期;
元和2年(1616)1月22日~寛永6年(1629)
登場人物;
徳川家康、徳川秀忠、尾張義直、紀伊頼宣、水戸頼房、徳川家光、幸松、静御前、土井利勝、福島正則、毛利輝元、毛利秀元、島津義弘、御坊
エピソード◎家康急病(タイの天ぷら)/◎家康の遺言「京に気を付けよ/自分が神となる」/◎ぼちぼち死ぬぞ/◎家康の幼い息子たち/◎家康の辞世「これでヤツの物は全部奪ってやったわ」/◎元和2年4月17日家康死去/◎尾張家・紀伊家・水戸家について/◎徳川家の聖地・日光東照宮。元和3年東照大権現の神号を賜る/◎幸松、甲斐の名族・保科家の養子に/◎母との別れ、母の訓辞「それでも二代将軍の息子ですか!/母の願いはお前が将軍家に忠義を尽くす事です」/◎福島正則、邪悪な陰謀により失脚/◎島津義弘没(85歳)、三浦按針没、琉球王尚寧/◎元和9年(1623)、徳川家光が将軍に(20歳)/◎徳川秀忠の大御所政治/◎「余は生まれながらの将軍である」/◎毛利輝元没、吉川広家/◎家光の遠乗り。廃寺にてまだ見ぬ弟の事を知る

第三章 家光と正之 (32ページ)
トビラ;
東海道五十三次 日本橋
時期;寛永6年(1629)~寛永18年(1641)
登場人物;
一心太助、大久保彦左衛門、御坊、徳川家光、土井利勝、静ちゃん、徳川秀忠、幸松、西郷隆盛、徳川家康、山田長政、宮本武蔵、
エピソード;
◎家光の御代について/◎町人と旗本(旗本八万騎、旗本の江戸城内でのお役目について)/◎街道筋に茶店などは無い/◎御坊、家光に保科正之について語る/◎将軍家光、まだ見ぬ弟・保科正之に興味を持つ/◎弟というものについて/◎信州高遠城主保科正之(18歳)、江戸城に呼び出される/◎家光のわるだくみ/◎大御所秀忠と保科正之の対面/◎保科正之、将軍家に永遠の忠誠を誓う/◎海外日本人町について/◎徳川秀忠没(54歳)/◎1634年、長崎出島の建造。1635年、参勤交代の制。1637年、島原の乱/◎大久保彦左衛門没/◎1641年、鎖国の完成/◎昭和34年の徳川歴代将軍の遺体の調査について「惜しい事に2代将軍秀忠の遺骸は保存状態が悪く、ほとんど調査の役には立たなかったが、ただ発掘したときに白骨化した手の中に20cmばかりの木片を握っていたという…」

第四章 大老保科正之 (30ページ)
トビラ;家光と正之
時期;
寛永20年(1643)~慶安4年(1651)1月11日
登場人物;筆者、土井利勝、徳川家光、保科正之、宮本武蔵、幡随院長兵衛、水野十郎左衛門
エピソード;◎鎖国は必ずしも悪であったと言うことはできないのではないだろうか/◎大航海時代後の植民化/◎保科正之「松平」の姓と会津若松23万石を賜る/◎すばらしい夜明け/◎宮本武蔵没(62歳)/◎江戸市内鉄砲使用の禁、髭と茶筅髷の禁/◎旗本たちの不満/◎町奴幡随院長兵衛と旗本水野十郎左衛門の対立/◎毛利秀元没/◎薩摩の稚児教育(郷中教育)、長老の関ヶ原恐ろしい話/◎薩摩と同じぐらい強い藩(しかも薩摩と違って礼儀正しい)誕生!/◎徳川家光/◎江戸幕府のしくみ/◎保科正之、大老に就任

第五章 江戸城消滅 (31ページ)
トビラ;
水戸のご老公とスケしゃんとカクひゃん
時期;慶安4年(1651)7月22日~慶安11年(1658)
登場人物;
由井正雪、丸橋中弥、保科正之、幡随院長兵衛、水野十郎左衛門、徳川吉宗、水戸光圀、スケしゃん、カクシャン
エピソード;◎由井正雪の乱/◎大老保科正之の乱の対処/◎丸橋中弥は長曽我部盛親の息子?/◎ハリきる正之/◎八丈島にて大ボラ吹きの宇喜多秀家大長老死去(82歳)「わしの悪事はお前らのように小さくないんじゃ。なにしろわしは東照大権現と命のやりとりをしたんじゃけえのお。勝負はわしのひとり勝ちじゃ。敵も味方もみーんなわしより早く死におった」/◎明暦の大火(振袖火事)/◎江戸城天守閣焼失/◎この災害に関しての大老保科の異例な言動/◎罹災者に米を分配/◎細かいことに気のきく大老/◎天守閣は建てなければよい/◎「極付幡随院長兵衛」の顛末。水野十郎左衛門の長兵衛だまし打ち/◎この事件に対する大老の見事な対処/◎明国内乱、介入要請を日本は拒否/◎江戸時代の民衆の暮らしは縛りが厳しかったが、一方でとても爽やかだった/◎犯罪が極端に少ない社会/◎吉宗の享保の改革の手本は保科正之/◎水戸光圀、善悪を語る

第六章 時代は移る  (32ページ)
トビラ;
美女
時期;正保3年(1646)~元禄15年(1702)
登場人物;
水戸光圀、カクしゃん(安積格)、スケしゃん(佐々介三郎)、足利尊氏、楠木正成、後醍醐天皇、保科正之、板倉殿、阿部殿、吉良上野介、浅野匠守、大石内蔵助、俵橋玄蕃、
エピソード;◎江戸の大名屋敷について/◎水戸家が天下の副将軍だということについて/◎“尊皇攘夷”について/◎『大日本史』編纂/◎水戸光圀の天皇観「もし家康が生きていたら真っ青になるぐらいの発言である。外様大名ならいざしらず、よもや御三家のうちからこのような思想が出ようとは…」/◎足利尊氏は天下を盗みくさった大悪人、楠木正成は国民的大英雄/◎南朝が正統、北朝は賊/◎格さんは編纂事業のリーダー、助さんは古文書を求めて日本全国を旅/◎水戸光圀、水戸藩の藩主に/◎保科正之、高齢を理由に大老辞任/◎会津藩の改革(殉死の禁止、社倉制、常平制)→ 民の勢い潮のように盛んになる/◎会津藩vs水戸藩/◎「武士道」の佐賀藩/◎保科正之の死とその遺言「将軍家が一番大事」/◎水戸光圀の死とその後の水戸学/◎忠臣蔵を3ページで/◎いーかげんな時代/◎時代は幕末へ

 

……徳川家誕生編、ようやく終了です。
いくつかの暗示はあるにせよ、この4冊は幕末とはほとんど関係のないエピソードの羅列なので(そんなことを言うと作者に怒られてしまうでしょうけど)、この4冊が終わってようやく一安心という感じです。それにしても、とっても印象に残る序章だったなぁ。

徳川家草創の面々が死に、各自が描いた理想だけが後々に伝わっていくというのがこの巻の主題です。前巻で「静御前との出会いを境にボンクラ将軍・秀忠有能な為政者に変わる」というのが面白かったのですが、一方でその「一皮剥けた将軍秀忠」というのが“血も涙も無い”冷酷の支配者だったので、意外な衝撃を受けたものだったのでした。
でありながら、静御前とその秀忠の愛の結晶である保科正之が温情に溢れかつ切れ味鋭い施政者となったということが描かれたこの巻が、とても後味がいい。
そしてなお、この保科正之が子孫に伝えた理想が幕末の白虎隊と会津藩主・松平容保の悲劇を生む、ということを作者は残酷に描きたいつもりということも私たちは知ってしまっているのです。(松平容保は養子なので保科正之の血は受けていないはずですが、でもなぜかその精神はしっかり遺伝してしまっています)

前にも言った事があると思うのですけれど、私は浜松の出身であるので、郷土の英雄・徳川家康については過大な思い入れを持っています。しかしながらこの作品における徳川家の描き方は、いささか戸惑うものです。その非情さをこれでもか!というくらいえげつなく描いているのに関わらず、そのそれぞれのキャラクターの造形はとてもかわいらしい。私は徳川家の面々を好きになればいいんだろうか? 唾棄すればいいんだろうか? もちろん政治の世界は好悪を越えたその先の真髄を見極めなければならぬもので、その上でなおこのような描き方をしていることこそが、このギャグマンガの一番素晴らしい点なのかもしれません。

表紙画像にある以外の徳川家の面々。
保科正之と徳川家光は子供時代バージョンです。
水戸のご老公についでですが、このマンガではこの人が江戸時代を通じての一番の極悪人として描かれます。この人がいなかったら幕末の大流血の惨事と斬り合いは起こらなかったのですから。しかしながらこの人は、最初の登場(18歳)からこの風貌で現れ、そして初登場時点から言動がボケ老人然としているのです(笑)。あぁぁ、この人が日本の歴史にいさえしてくれなかったら、、、

あと、ついうっかり水戸頼宣と紀伊頼房のセリフを間違えてしまいました。いいですよね? 同じ顔ですし。よっぽどのファンじゃないとわからないと思いますので。
それはそうと、この作品で、徳川家光が父秀忠と弟正之に対してする企みのエピソードは、松平信康が徳川家康と結城秀康にしたエピソードと全く一緒なんですが、このマンガでは結城秀康の一族(結構羽振りを利かせているはずです)や松平忠輝などは、徳川家の一員としては認められていないんですね。
さらに、徳川家の子孫はこの後、作品中にたまに出てくる事はあっても、主役的な座は一切与えられません。(だから作者がこの後の幕末編で、松平容保と一橋慶喜にどのような役割を与えようとしているのか、それに期待なのです)


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 空の道。 | トップ | バレエ音楽『イワン雷帝』。 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
第四巻 (さがみ)
2006-12-16 07:59:22
このマンガ、ギャグ満載ながら内容が深い。
いつしかハマッてしまう恐ろしいマンガです。
この巻私は凄い好きなのです。

何が一番いいのかといえば
保科正之公の書き方がいいんですよね。

それから、主要人物が次々と死んでいくのですが
その死に方の表現が中々深い。

一巻でハマッた私を深みに引きずり込んだのがこの巻でした。
返信する
死に方 (麁鹿火)
2006-12-16 22:37:22
死に方でいえば、私が大好きなのは、八丈島に流された宇喜多秀家の死に方でした。スカッと爽やか。
保科正之は惚れますね。

えげつない徳川家康は好きだったし、前回書いた名前の知らぬ家康の側近も大好きでしたし、島津家久の髭も好きでしたし、石田三成も吉川広家も小早川秀秋も大好きでした。このパワフリャーな徳川家初代たちはもうお別れなんですね。
でも、私は次の第5巻以降の蘭学黎明編ももっと好きなのです(^0^)
返信する

コメントを投稿

  風雲児たちindex.」カテゴリの最新記事