黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

東京暗渠:神田川支流 #03

2006-05-26 11:58:26 | ・東京暗渠
…∽ 長者第一號橋 ∽… 昭和13年 (1938) 竣工

新宿区5丁目、その昔淀橋と呼ばれた地域を流れていた、
細い川筋、神田川の支流暗渠の特集。

神田川から数えて最初の橋を越えると、
川筋跡にはカラフルな児童遊戯具がいくつも設置された、
児童公園に転用されています。



暗渠の両側には、
トタン張りのアパートや、板張り塀の木造家屋が並び、
暗渠の狭い道幅と併せて、
懐かしい路地の雰囲気が漂います。

30メートル程進むと、
すぐに次の橋があります。→Mapion



この橋は昨日アップした橋と違い、
中央はスッパリ切りとられているものの、
両端の親柱に当時の姿を残しています。
長年の風雪で摩耗した橋柱には、
「~第一號橋」の文字が読みとれますが、
「~」はつぶれてしまって読みとれません。
すぐ近くに昔から商売をしていそうな工務店があったので、
橋の名前を聞いてみましたが、全然知らないということでした。

昭和41年の新宿区の地図には、
この川筋の橋名が全部記載されていて、
それをみると「長者第一號橋」とあります。
「號」の文字が時代を感じさせてくれるこの橋は、
反対側の柱をみると「昭和十三年三月竣工」と刻まれています。
約70年経った今、誰からも忘れられてしまった橋なんですね。

◆東京暗渠:神田川支流◆
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