◆ Football Kingdom ◆

日本代表、欧州リーグ、Jリーグを動画と図解にて分析。リバプールを追跡中。
そして、Leeds United を応援中!

さよなら、日本代表 2

2008年04月04日 | 考察集
■ スター選手の不在とマスコミ力の限界

◆ スター選手の不在
みなさんにとってのスター選手は、誰ですか?

スター選手の定義ってのは、非常に難しいと思います。
単純に考えれば、「サッカーのサの字も知らない人でも名前と顔が一致する選手」とか「数字・売上を取れる選手」とか「多くのファンを魅了する選手」とか、色々と条件はあると思うのです。(細かい定義自体は意外とどうでもよいんですけど)

Jリーグ発足当時、数多の選手がマスコミに露出しました。この10年ちょっとの間に日本サッカー界に数多くの注目選手がいました。その中の筆頭はキング・カズこと三浦和良。そして、中田英寿。しかし、当時は、その選手個々の実力やスター性云々より「Jリーグ・ブーム」という一つの現象に伴う二次的な側面が強かったような気がします。

ここ数年、日本のサッカー界は、TV放送を中心としたマスメディアへの露出度とそれに伴う知名度・認知度を有する選手が本当に少なくなった。海外でプレーする中村俊輔を筆頭に個人選手への注目はあるだろうが、中田英寿がイタリアへ移籍した頃とは違ってはきている。(この辺に関しては次回)

例えば、野球界に目を向けると引退した新庄のような自由奔放なキャラクターであったり、もはや神の領域に達する勢いのイチローのようにバラエティに富んだスター選手が存在していますし、今だとダルビッシュくんもスター選手予備軍筆頭ですね。(北京五輪の結果次第かな・・・)このスター選手とマスコミは、切っても切り離されない関係にあると思います。つまり、マスコミによって作り上げられる部分もあると思うのです。

◆ マスコミ力の限界
以前も書いたのですが、現在の日本サッカー界に「王子」と呼ばれる選手がいるでしょうか?
例えば、甲子園で一躍有名になったハンカチ王子こと斎藤佑樹くんやハニカミ王子こと石川遼くんなどは、当然彼ら自身の実力はあったでしょうけど、ある種、マスコミによって作り上げられた側面もあると思うのです。

で、ここからは仮説ですが・・・マスコミは、TVなどの放送媒体、スポーツ紙などの紙媒体などジャンルも様々あります。そして、マスコミが「この選手はスターになる!」と考えるような人材がサッカー界にいないのではないでしょうか?

つまり、スターとなるポテンシャルを(将来性)持ったサッカー選手が少なくなったから取り上げられなくなったという可能性も否めません。

ちょっと視点を変え、例えばJリーグの試合で、Aというスター選手がいれば、見に行く人もいるでしょうし、マスコミも追いかけると思うのです。そして、そこではサッカーの試合が面白いとか面白くないとかは、はっきり言ってどうでもいいことなのかもしれません。勝ち負けは重要でしょうけど、目当てはAというスター選手だからです。

スポーツ番組でもサッカー専門雑誌でも視聴率や売上がアップしなければ、そんなもの同人誌と何ら変わりません(笑)
「あっ、誰々が表紙を飾っている、誰々のインタビューが載っているから買おう」って思えるようなスター選手がいなくなったんじゃないでしょうかね?

勿論、サッカー選手に限らずスポーツ選手は、大前提として、実力が伴わなければ評価されないと思いますし、結果できちんと評価すべきだと思うのです。前述の石川遼くんは、アマチュアながら日本のプロゴルフ大会においての史上最年少優勝を達成したという結果を残し、今後の期待もあったからこそマスコミは飛びついたんだと思うのです。(現在はプロに転向)
つまり、マスコミは、彼のスター性とゴルファーとしてのポテンシャル感じたからこそ取り上げたと思うのです。(プロに転向したので、本当の勝負はこれからでしょうけど。)

■ スター選手不在をさらに拡大して考える・・・

◆ サッカーという競技の特性
ただ、ここまで例に挙げた野球やゴルフなどと異なり、サッカーは試合中の個人へのクローズアップが難しい側面はあります。例えば、ゴルフなどの個人競技はいわずもがな、野球であれば「投手vs打者」という図式が作れます。ところが、特にサッカーのような団体競技の色が強く出るスポーツは、なかなか個人にクローズアップしにくい。つまり、サッカーという競技ではスター選手が作りのが難しいという面があるかもしれません。(あくまでも比較として)

例えば、日本テレビのサッカー中継は、明らかにピッチ上の選手から数人をピックアップして放送していますが、サッカーファンにはいたって不評です。(良い意味で改善・改良の余地は多分にあると思うが・・・)

また、世界のサッカー界の戦術的な変化があり、10年、20年前のサッカーであれば、トップ下の選手、いわゆる司令塔であったりファンタジスタのような選手がチームの攻撃を司っていた時代はありました。そんな時は、マラドーナやバッジオをクローズアップすれば良かった。しかし、今では全員守備・全員攻撃のような時代です。
そうなるとなかなかピッチ上の選手一人をスター然として扱うのが難しくなったと思うのです。勿論、どこのチームにもキープレーヤーはいるでしょうけど、それでもどこか違う。

◆ フォワードからスター選手を!
ところが、ふと思ったことがあります。

 海外のリーグでは、スター選手が存在する。
 そして、今も昔も時代を問わずスター選手はいる。
 そして、また、誰しもがスター選手になれる瞬間がある。
 
 それは、ゴールした瞬間

前述の通り、団体競技の色が強く出るサッカーでも、ゴールを決めた瞬間は、絶対に注目を浴びることが出来ますし、TVでもアップで映される。
そして、ゴールを決めることが役割のフォワードこそ、最もスター選手になりやすいポジションじゃないかなと思うのです。例えば、2002年W杯、第1戦でゴールを決めた鈴木隆之。第1、2戦でゴールを決めた稲本潤一なんかは、当時すごい注目を浴びたと思うのです。(日本でスター選手というか、注目を浴びると必ず家族が出て来るが、あれはなんでだ?)

また、欧州サッカーに詳しい人であれば、ピンと来ると思います。
注目度が高くスター性を持った選手は、大抵ゴールを挙げチームの勝利に貢献できる選手だったりします。例えば、C・ロナウド、カカなど・・・例を挙げればきりがないんですけど、この2人に関してはスター選手であることは間違いないと言えます。

純粋なフォワードではないんですけど、この2人に共通するのが、「ゴールを挙げれる」ってことです。あと、イケメン(笑)
この点は女性ファンを獲得するには重要だと思う。それこそベッカムもあのFKがなかったら彼のスター選手度は20~30%減したはずだし、イケメンじゃなかったら数値の半分以上は減していたはず。そうなるとベッカムもスター選手度20~30%の普通のサイドからのクロスが上手い選手に過ぎない。

◆ 日本代表、決定力不足との因果関係
サッカー日本代表の注目度は、いまだにJリーグよりは高いと思います。
そして、その日本代表の枕詞と化している「決定力不足・得点力不足」。そことフォワードからスター選手が出てこない事とサッカー人気の低迷、因果関係が・・・あるかもしれないし、ないかもしれない(笑)

もしかして、ゴールをコンスタントに決めれるフォワード(あるいはそういう選手)が登場すれば、マスコミも注目するかもしれない。そうするとスター選手がうまれるかもしれない。そして、W杯のような注目度が高い時に決める能力、運も持ち合わせてなければならない。あと、イケメンであればなお良し!

ただ、スター選手ってのは、ある種、そういう星の下に生まれてきているのかもしれない。特に、キング・カズを見るとそう思わざるを得ない。
サッカーの歴史の中でレジェンドと呼ばれるような選手はみんなゴールを決めているし、重要な試合であったり、劇的なドラマや決定的な仕事をする選手は、たいていスター選手だったりする。そういう天からチャンスが舞い降りたような場面で結果を残すからこそスター選手になれるのかもしれない。
最後まで読んで下さって、ありがとうございます。
よかったらクリックお願いします。
このシリーズも次回で終了となります。


続き「さよなら、日本代表3

■ リンク - ブログ検索 
にほんブログ村 サッカーブログへブログランキング・ブログ検索ポータルサイトのにほんブログ村。
人気ブログランキング、ブログ検索、トラックバックセンター、アンケート掲示板などが大人気(無料)
人気ブログランキング【ブログの殿堂】
ブログの殿堂は人気ブログや話題の記事をユニークな視点で集めたブログポータルサイトです。


フィードメーター - ◆ Football Kingdom ◆




最新の画像もっと見る

11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
すばらしい分析! (ジーコ後遺症)
2008-04-05 03:04:39
さすがコージ先生の名分析!本当に心から納得しました。

私もマラドーナのプレーにあこがれてサッカーをはじめましたし、カズのここぞというときのゴールと日本を代表しているんだという試合後のコメントに心打たれ、バッジオの30歳後半になっても、超芸術的なゴールやアシストに魅了されたものです。そしてその全てがゴールに結びついていること。この「ゴールした瞬間」が「喜びの瞬間」であり、サッカーをやってて、また見てて、応援していてよかったな~!という爽快な気持ちになるのかもしれません。だからこそ、ゴールに向かうというひたむきなプレーに、人は感動をするんだと思います。逆に、ゴールに向かないプレーには人は感動しないんですね。また、スター選手が生まれると、スター選手だけでなく、その周りの選手の個性もマスコミに注目されるという副次的な効果があり、見ているほうにとっては面白くなるのかもしれません。私は分析べたなので、コージ先生の分析を楽しみにしています♪
Unknown (シャンク)
2008-04-05 17:11:29
時代も流れて、誰もが優等生なマスコミ対応できる様になりました。予選本番中のカメラに
「オフト、俺を信じろ!俺はお前を信じてるぞ!」
と言ってホントに結果だしちゃうミラクルな人や
「足に魂こめました。」
と最高の舞台で決めた後に、さらにクサいセリフを言える人。彼らは自分で自分を演出していた感も。
しかし、投げやりな対応の石塚や
「カズさんを超えるのは自分でありたい。」(これはちょっとはずかしい)
の小倉あたりから、実績が注目度に伴わなくなっていました。
コメントのお返事 (コージ)
2008-04-05 19:24:25
ジーコ後遺症さん

こんばんは。
おっしゃる通り、ゴールに向かうプレーこそが勇気を与えるし興奮し感動・歓喜するんだと思うのです。日本のサッカーはわりとゴールへの意識が低いから、失望するような気がしますね。
コメントのお返事 (コージ)
2008-04-05 19:27:21
シャンクさん

こんばんは。
自分で自分を演出し観客・サポーターを惹きつけた。
サッカーの結果は大事でしょうけど、その反面エンターテイメント性ってのも必要だとも思うんですよね。
プレーで魅せるなんて言う選手もいますが、本当に魅了しているかは怪しい。好き嫌いはあるでしょうけど、ロナウジーニョなんかはそういうタイプだと思います。
Unknown (川の果て)
2008-04-05 19:56:57
今冬、藤枝東の河合は週刊文春にはムラサキ王子と呼ばれてましたよ(笑) 
ハンカチに対抗してるわけじゃないでしょうけれど今慶應にいますし(笑)

そのあたりは冗談ですが、全体として中々興味深いなーと思いましたので自分の方でも近いうちに関連したものでも書いてみたいと思います。
Unknown (yohan)
2008-04-05 20:53:54
ワールドカップで平山君あたりが弾丸ヘッドでブラジルをやぶらない限り難しいでしょう。

コメントのお返事 (コージ)
2008-04-05 23:08:22
川の果てさん

こんばんは、お久し振りです。
ムラサキ王子って・・・(笑)
川の果てさんの記事も楽しみにしています。
コメントのお返事 (コージ)
2008-04-05 23:09:56
yohanさん

そもそも、平山はW杯出れるでしょうか・・・
はじめまして (vagabond)
2008-04-08 10:43:46
JFゾラを永遠のアイドルと崇めるブルーズファンです(喧嘩は売ってませんよ)。

私は現在の日本サッカーのスター(FW)不足の原因は『キャプテン翼』説を支持しています。
私も翼世代ど真ん中ですが中学の頃は岬太郎のプレーを目指してました。

いつか管理人様の鋭い考察を拝見してみたいと思っております。
コメントのお返事 (コージ)
2008-04-08 17:22:04
vagabondさん

こんばんは、はじめまして。
私もゾラは好きですよ。素晴らしい選手だと思っています。「キャプテン翼」説なるものは知りませんが、私もど真ん中の世代です(笑)

コメントを投稿