昨年、錦糸町で開催された、「すみだガラス市」で手に入れた、一点ものの宙吹きの被せガラスを使って作品を作りました。
このグラス、今までみたこともない不思議な色に惹かれて衝動買いしたのですが、帰宅してから、平らな机に置くと水平ではなく、2度ほども傾いていることに気づきました。低い台に置かれて売っていたので、上からしか見ておらず、手にもって観察しただけだったのが失敗でした。 トホホ・・・。
底を見ると、切り跡が平らでなく若干出っ張っているのが原因で、まっすぐ立たないようでした。せっかく買ったのにあきらめるのは悔しいので、ダメもとでジュエリー用の平ヤスリで、底の隆起部分をゴリゴリ削って力技で平らにしてやりました。成せば成るもので、なんとかまっすぐになりました。(仕上げはリューターで研磨しました)
外生地が緑、中生地が青緑色というなんとも珍しい、不思議な組み合わせです。しかもフォルム、一般的に売られている被せグラスのコップにはない形状です。大きさも、タンブラーにして小さめだし、冷茶グラスにしては立ち上がりすぎていて、なんだか中途半端。(笑)もしかすると、この職人さんは最初、キャンドルホルダーかなにかを作ろうとしていたのかもしれません。
段彫りにしたのですが、地色が濃いために、グラデーションがうまく表現出来ませんでした。外生地の厚みを利用して、はっぱの重なりの立体感、遠近感を出すのが精一杯で、平彫り風になってしまいました。
彫ってみないとどのような感じになるかわからず、計算どおりにならないところが、サンドブラストの醍醐味です。
ツタ(アイビー)は私の好きな植物の1つでして、以前からこの模様を前から描いてみたいと思っていたので、まずは念願がかなって嬉しいです。
図柄はこのグラスの形に合わせてデザインしています。このような立体形状に合うようにデザインを描くのは難しいのですが、ROSE流のやり方を紹介しますと・・・。まずはグラスを詳しく採寸し、CADソフトでサーフェスだけ再現し、それを切り開いた平面展開図を作ってイラストレーターに読み込んで、その上で最終的な構図を決めました。この方法ですと、ガラスをぐるっと一周するような一体的な絵を描くことができます。
完全な手作業の場合は、まず器全体にブランクのマスクを貼り、その上にフリーハンドで絵を描くことになりますが、私はそこまで熟練できていないので、力不足の分をITで補っている次第です。
私には持ちやすく丁度よいサイズで、手のひらにしっぽりと心地よくおさまり、なかなかいい感じです。
焼酎のオンザロックが、おいしそうに見えますこと。(^^)
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