少し遅い夏休みをもらって、草津へ行ってきました。
お目当ては、温泉&音楽祭。
温泉も勿論素晴らしかったけど、まずはコンサートの感想から。
草津では毎年夏にアカデミーが開催され、さらにアカデミーの教授たちをメインとするコンサートも毎日行なわれています。
正式には「草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティバル」というのですが、もう今年で29回目になるそうです。
今年のテーマは、「18世紀の音楽~バロックからクラシックへ」
まず驚くのが、アカデミーの教授たちの顔ぶれ。
いずれも錚々たる超一流音楽家です。
ベーレンス、クラウセの声楽陣。
弦楽は、ヒンク、ガブリロフ、ベッチャー、パノハカルテット。
管楽器はさらに豪華で、シュルツ、シェレンベルガー、インデアミューレ、トイブル、トュルコヴィッチ、ドール。
そしてピアノは、ボーグナー。
もう、夢のようなメンバーでしょ。
草津の名湯に癒されながら、世界の超一流音楽家の教えを受け、さらに彼らの至芸を心行くまで楽しめる。
こんな音楽祭が日本で毎年行なわれていたのですね。
さて、私が聴いたのはアンサンブル・ウィーン=ベルリンのコンサートです。
<日時>2008年8月23日(土)16:00開演
<会場>草津音楽の森国際コンサートホール
<曲目>
■モーツァルト:ハーモニー・ムジーク 歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」より
■リゲッティ:管楽五重奏のための6つのバガデル
■ヒンデミット:5つの管楽器のための小室内音楽 作品24-2
■ベートーヴェン :ピアノと管楽のための五重奏曲 変ホ長調 作品16
(アンコール)
■プーランク:ピアノ六重奏曲から第2楽章
■モーツァルト:歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」より
<演奏>アンサンブル・ウィーン=ベルリン
W.シュルツ(Fl),H.シェレンベルガー(Ob),N.トイブル(Cl)
M.トルコヴィッチ(Fg),S.ドール(Hr),F.ボーグナー(Pf)
冒頭のモーツァルト。
歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」から6曲を選んで、管楽五重奏用にアレンジされたものです。
最初の音を聴いた瞬間から、もうそこは紛れもないモーツァルトの世界。
難しい理屈なんて必要ありません。
ひたすらハーモニー・ムジークの楽しさを堪能させてもらいました。
続くリゲティ。
実はこの曲、初めて聴きました。
面白い!
現代曲はあまり得意でない私ですが、これは気に入りました。
とにかく全体に生気に満ちているんです。
原曲はピアノ曲で、祖国の先輩であるバルトークの影響を受けていた時代の作品のようですが、確かに途中、バルトークのオケコン風のフレーズが聞こえてきたりします。
その他ベートーヴェンの第九冒頭を想わせる音の跳躍やストラビンスキー風の響きも感じられ、とても楽しく聴かせてもらいました。
後半は、ヒンデミットの「5つの管楽器のための小室内音楽」を経て、メインはベートーヴェンのピアノクインテット。
このベートーヴェンは本当に良かった。
とくに、第2楽章はこの日の白眉。
モーツァルトのピアノソナタの緩徐楽章を想わせる素朴なピアノの語りかけで曲は始まりますが、ひとつめのエピソードでシェレンベルガーの哀愁に満ちたオーボエが入ってくると、のどかな雰囲気が一変します。
こんな切ない表情を聴かされたら、もうたまりません。
この雰囲気はすぐにファゴットに引き継がれますが、名手トゥルコヴィッチの後半で聴かせる弱音の美しさも特筆もの。
そのあと、トイブルの柔らかなクラリネットが加わって紡がれる音楽は、もう涙が出るほどの美しさでした。
そして、再び安らぎに満ちた冒頭の雰囲気を味わったあと、2番目のエピソードを奏でるホルンのドールがこれまた秀逸。
ホルンでこれだけ陰影に富んだ表情を出すことは、並大抵ではないでしょう。
それから、忘れてはならないのが、ピアノのボーグナー。
この曲では、ピアノは管楽器との対話そしてつなぎ役に徹するわけですが、その点でベーゼンドルファーの深く豊かな響きも相まって、ボーグナーのピアノは見事としか言いようがありません。
聴衆の熱心な拍手に応えて、アンコールでは、プーランクの六重奏曲から第2楽章と、冒頭のコジから1曲聞かせてくれました。
東京や大阪でも、彼らは必ずや印象に残る名演奏を聴かせてくれることでしょう。
しかし、草津という素晴らしい町がはぐくむリラックスした雰囲気は、この名人たちに、一層自由な羽ばたきと輝きを与えました。
それが、この日のような音楽でどれだけ大切であるかは、言うまでもありません。
普段着の名人たちが心から楽しみながら奏でる室内楽は、かくも素晴らしいのです。
お目当ては、温泉&音楽祭。
温泉も勿論素晴らしかったけど、まずはコンサートの感想から。
草津では毎年夏にアカデミーが開催され、さらにアカデミーの教授たちをメインとするコンサートも毎日行なわれています。
正式には「草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティバル」というのですが、もう今年で29回目になるそうです。
今年のテーマは、「18世紀の音楽~バロックからクラシックへ」
まず驚くのが、アカデミーの教授たちの顔ぶれ。
いずれも錚々たる超一流音楽家です。
ベーレンス、クラウセの声楽陣。
弦楽は、ヒンク、ガブリロフ、ベッチャー、パノハカルテット。
管楽器はさらに豪華で、シュルツ、シェレンベルガー、インデアミューレ、トイブル、トュルコヴィッチ、ドール。
そしてピアノは、ボーグナー。
もう、夢のようなメンバーでしょ。
草津の名湯に癒されながら、世界の超一流音楽家の教えを受け、さらに彼らの至芸を心行くまで楽しめる。
こんな音楽祭が日本で毎年行なわれていたのですね。
さて、私が聴いたのはアンサンブル・ウィーン=ベルリンのコンサートです。
<日時>2008年8月23日(土)16:00開演
<会場>草津音楽の森国際コンサートホール
<曲目>
■モーツァルト:ハーモニー・ムジーク 歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」より
■リゲッティ:管楽五重奏のための6つのバガデル
■ヒンデミット:5つの管楽器のための小室内音楽 作品24-2
■ベートーヴェン :ピアノと管楽のための五重奏曲 変ホ長調 作品16
(アンコール)
■プーランク:ピアノ六重奏曲から第2楽章
■モーツァルト:歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」より
<演奏>アンサンブル・ウィーン=ベルリン
W.シュルツ(Fl),H.シェレンベルガー(Ob),N.トイブル(Cl)
M.トルコヴィッチ(Fg),S.ドール(Hr),F.ボーグナー(Pf)
冒頭のモーツァルト。
歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」から6曲を選んで、管楽五重奏用にアレンジされたものです。
最初の音を聴いた瞬間から、もうそこは紛れもないモーツァルトの世界。
難しい理屈なんて必要ありません。
ひたすらハーモニー・ムジークの楽しさを堪能させてもらいました。
続くリゲティ。
実はこの曲、初めて聴きました。
面白い!
現代曲はあまり得意でない私ですが、これは気に入りました。
とにかく全体に生気に満ちているんです。
原曲はピアノ曲で、祖国の先輩であるバルトークの影響を受けていた時代の作品のようですが、確かに途中、バルトークのオケコン風のフレーズが聞こえてきたりします。
その他ベートーヴェンの第九冒頭を想わせる音の跳躍やストラビンスキー風の響きも感じられ、とても楽しく聴かせてもらいました。
後半は、ヒンデミットの「5つの管楽器のための小室内音楽」を経て、メインはベートーヴェンのピアノクインテット。
このベートーヴェンは本当に良かった。
とくに、第2楽章はこの日の白眉。
モーツァルトのピアノソナタの緩徐楽章を想わせる素朴なピアノの語りかけで曲は始まりますが、ひとつめのエピソードでシェレンベルガーの哀愁に満ちたオーボエが入ってくると、のどかな雰囲気が一変します。
こんな切ない表情を聴かされたら、もうたまりません。
この雰囲気はすぐにファゴットに引き継がれますが、名手トゥルコヴィッチの後半で聴かせる弱音の美しさも特筆もの。
そのあと、トイブルの柔らかなクラリネットが加わって紡がれる音楽は、もう涙が出るほどの美しさでした。
そして、再び安らぎに満ちた冒頭の雰囲気を味わったあと、2番目のエピソードを奏でるホルンのドールがこれまた秀逸。
ホルンでこれだけ陰影に富んだ表情を出すことは、並大抵ではないでしょう。
それから、忘れてはならないのが、ピアノのボーグナー。
この曲では、ピアノは管楽器との対話そしてつなぎ役に徹するわけですが、その点でベーゼンドルファーの深く豊かな響きも相まって、ボーグナーのピアノは見事としか言いようがありません。
聴衆の熱心な拍手に応えて、アンコールでは、プーランクの六重奏曲から第2楽章と、冒頭のコジから1曲聞かせてくれました。
東京や大阪でも、彼らは必ずや印象に残る名演奏を聴かせてくれることでしょう。
しかし、草津という素晴らしい町がはぐくむリラックスした雰囲気は、この名人たちに、一層自由な羽ばたきと輝きを与えました。
それが、この日のような音楽でどれだけ大切であるかは、言うまでもありません。
普段着の名人たちが心から楽しみながら奏でる室内楽は、かくも素晴らしいのです。
草津国際アカデミーに行かれたのですね。
草津温泉は、私もよく訪問する温泉地でつい最近も行って来たばかりですが、アカデミーも是非一度は、と願っております。
遅い夏と室内楽を楽しまれたようで、よかったですね。
ところで、チケットの入手は難しいのでしょうか。
私は初めて草津へ行きましたが、素晴らしい温泉ですね。
街の雰囲気も素敵だし、大好きになりました。
フェスティバルのチケットの入手ですが、意外に簡単にネットで取れました。
今年から全指定席になり、私も若干心配していたのですが、前から4列目の席がゲットでき、音も素晴らしかったです。
このコンサートのために、東京から日帰りで来たと話している方もいらっしゃいました。
音楽祭の質・雰囲気も高いですし、機会があれば、是非聴きにいかれたらいかがでしょうか。
>ウィーン=ベルリン in 草津
のタイトルがとても面白く感じました^^。
韓国にギター演奏旅行へいらっしゃったのですね!
素敵です。
7月は一度も更新がなかったとありましたが、
romaniさんのように優しいペースでの更新も
良いなぁと励みになります。
(そんな私は半年ぶりです;)
また記事を楽しみにしています。
お久しぶりです。
嬉しいコメント、ありがとうございました。
帰国されていたんですね。
お元気にされているようで何よりです。
>ウィーン=ベルリン in 草津・・・
なるほど・・・。
実は、まったく意識しないでそのまま書いてしまったのですが、確かに3つの町が含まれていますね。
絶妙のつっこみ、まことにありがとうございます。(笑)
この何ヶ月かの間、なかなかブログを書けなかったのですが、生来の性格もあって「まあ、あまり気にしないで自然体で行こう!」と割り切っておりました。
でも、これからは、もう少し頑張って書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
レビュー楽しく拝見しました(今頃のコメントすみません。。)
生まれてから長いこと群馬にいながら、この草津でのフェスティバルは一度も行ったことがないのですが、拝見して、是非今度行ってみたくなりました。
普段着で室内楽、惹かれます(^^
いやー、この日のコンサートは良かったですよ。
本文には書かなかったのですが、終演後、メンバー全員がサイン会に出席してくれたのですが、まあその時の笑顔といったら、遠めにもほんとに素敵でした。
コンサートの終演がちょうど夕食前というのも、いいものですね。
夏休みに群馬へ帰省されることがあったら、絶対聴きに行ってください。
やみつきになると思いますよ。
私も、かくいう中毒患者の一人になったようです。(笑)