雑感日記

思ったこと、感じたことを、想い出を交えて書きたいと思います。

カワサキの単車事業を考える

2009-11-11 04:56:40 | カワサキ単車の昔話
この数日、長年携わったバイクの世界をもう一度思い出させてくれた、
そんな環境の中にいた。
少なくとも、ここで出会ったバイクのプロたちの意見は、非常に前向きで明るいものであった。
そんな雰囲気の中にいるだけでも、楽しいものである。

バイクは楽しい遊びの乗り物である。
生活必需品などではないのである。
ベースに絶対に失ってはいけないのは『遊び心』なのである。
どうもその辺りが、昔に比べて希薄になったのではなかろうか?


土曜日に、出会った平井さんが、そのブログでこんな風に書いている。

そのブログのコメントに、今年は『チームハラダ』を鈴鹿で手伝った春さんが、

『そのとおりですね。今年は、「ひょこむ」の縁がありまして、カワサキプライベーターのレースのお手伝いをさせていただきました。
が.....タイヤサポートも、メインスポンサーも無くプライベーターにとっては、なかなか情熱だけではやっていけない時代のようです。
そんな中でも、お手伝いができ、また、私も素人ながら一緒に参加でき、楽しめる「レース」に興味が持てたので、これから、この下火になっている、レース界を再び盛り上げることのできる何かを見つけることができればと、考えています。』

とこんな、コメントである。
メーカーはともかく、末端のバイクファンは、至って健全な意見を持ち、元気なのである。
『日本のバイク保有台数は、350万台と過去最高のレベルにある。』
『新車が少し売れないだけで、二輪業界は結構面白い。エネルギー問題なども追い風である。』


昨日、今日と2日間、
雷神マッハさんともうお一人の関東のマッハマニアを明石工場にお迎えして、
夜はこんなバイク関係のメンバーでのオフ会、
翌日は、カワサキワールドを訪ねて、ぼけちんさんも加え、昼食をとりながらのバイク談義など、ずっと二輪の世界の中にいた。



明石工場で完成車の生産をすることだけが、二輪事業ではない時代に既になっている。
二輪事業とはどんな事業なのか? 今こそ新しい発想で二輪事業を捉えるべきだと思う。
新車は事業の中心ではあるが、特に事業損益のレベルでは、二輪事業のほんの一部なのである。
『ソレが全て』だと錯覚していないか?


ちょっと、従来の発想に捉われて、発想が固すぎるのではなかろうか?
Zでも、マッハでも、40年前の新車の頃よりも高い値段で、モノさえあればその頃以上に、売れる環境にある。
それをミスミス見逃しているという意見が、末端の市場をよく知っているプロたちの主流の意見である。

『メーカーでこんな旧いバイクの部品をもう一度、作りませんか?』
ユーザーたちの単純な願いなのである。

『型がない、アレがない』『難しい』 いろいろ断る理由を見つけるのは上手なのだが、コレは間違いなく『新しいビジネス』になるはずである。
新車を作るなと言っているのではなくて、ユーザーがホントに欲しているものに対応するのが新しい時代のメーカーの生き方なのだろう。

先日、ko-zaruなる30ccのバイクを作っている、ホンダOBのメーカーさんの佐々木さんに
『Kawasakiの1000ccか600ccのエンジン100台ほど、分けて貰えませんかね』と尋ねられた。 エンジン単体では売らない。
コレはよく解っている。
カワサキフランスが世界耐久でトップを走った頃の『マシンのイメージのクルマ』を再現』したいようである。

末端の価値観は、間違いなく成熟して、多様化しているのである。
今、供給側に求められているのは、単細胞な発想ではなく、末端の希望に柔軟に対応する姿勢と仕組みの創造である。


このマシン『EGLI』のエンジンは、ご存知の通りカワサキである。
エンジン単体でなく完成車を買って、エンジンだけを使うので、マシンとしては高価になるのだと思う。

ただ、そんなに高い車でも、大の男が3人熱心に車から離れないほどの魅力があるようである。
マシンとか、技術オンチの私には、なかなか理解できないが現実は、こんな様子なのである。

ただただ、完成車を作ってそれで経営しようという『メーカー』としての事業には、既に限界が来ているように思う。
本音で言えば、20年前の現役の頃から、そう思っていた。

明石の工場が、事業の主力なのか?
国内外の販社が、事業の主力なのか?
二輪事業とは、その両輪で成り立っているのである。
そして、その収益性は、その自由度と巾の広さから、間違いなく販社の収益性のほうが、圧倒的に高いはずである。

カワサキの単車事業には残念ながら、本社がないので、そんな経営次元の判断が検討されないまま、事業が展開されているのが、一番の問題点であると私はずっと思っている。
他社にある『本社機能』を持たぬまま戦えると思っているのだろうか?
工場がタイなど海外が主力になりつつある現状をよく見て、同じ機能の明石工場が本社であるような事業形態から、
リンカーンやタイのように、『工場は子会社である』という位置づけを、早く徹底すべきだと思っている。

『旧い部品を作ってください』というお願いの善悪はともかく、それを工場にお願いする形態が『おかしいのである』
『それが是か非か』をマーケッテングを通じて、主体的に判断する純粋な本社機能を造らない限り、『今後の二輪事業の発展はない』と信じて疑わないのである。

末端の二輪をよく解っている人たちの意見を聞いていると、そして末端の状況の実態を見ると、
1日も早く、二輪事業の中枢(本社機能)が、直接それらを感じ取る触覚を持った、経営次元のマーケッテング機能と、それに基づく経営次元の判断が成されるべきであろう。

20数年前の事業本部の企画機能も、販社の方向もそんな方向を目指していたはずなのだがーーー。

時代と経営環境の読みこそが、経営判断の鍵だろう。
経費節減などの改善などの数字的な対策では、幾らやってもダメだろう。
求められているのは『構造改革』で、『意識改革』こそが必要である。

末端のホントに解っている人たちの声に、耳を傾けて、『常識でモノを考えたら』正しい結論は直ぐ出るのに、と思っている。
そんなに、難しいことではない。

『新しい仕組みを構築すれば、直ぐ解決する』はずである。
『今時、努力で解決しようと試みる』ことは,ナンセンスである。
『生産』はともかく、『販売はどんな規模でも成り立つ』のが常識なのである。



昨日のブログには
今、台北に行っている、佐賀県武雄市の樋渡市長から『コメント』が
九州の小さな市の武雄でも、『行政の常識』を超えて、
台北にタイ原産のレモングラスを売る時代なのである。

時代は、動いている。発想の転換こそMUST。要は、『考える』ことである。
それが出来ない企業は衰退しかないのでは、と思っている。
この、2,3日改めて、こんなことを思った。

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8 コメント

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Unknown (職権打刻)
2009-11-11 08:32:46
ベースに絶対に失ってはいけないのは『遊び心』なのである。

その通りです。
川上から流れることに慣れたモーターサイクル界も現在閉塞感に入っているかもしれません。

ユーザーとして今こそ横のつながりが必要だと、28回目の鈴鹿で思いました。
返信する
こんにちは (rfuruya)
2009-11-11 09:57:25
昨日まで、雷神マッハさんとの楽しい2日間でした。
職権打刻さんの昨年のあのメールから始まっています。

関東のkozaruという30ccのバイクを中心に、何か面白い展開はないものかと思っています。
またそのときはよろしく。
返信する
台北より (はいびー)
2009-11-11 10:08:43
そうなんですよね。武雄で作ったものを台湾で売る、古い言葉ではボーダレス、今ではフラットっていうんでしょうか。

半年前、伊藤忠の丹羽会長に会ったときに、興味深いことを話されました。

樋渡君、これからはね、国内市場とか国外市場とか分けるべきではないよ。中国も全部、国内市場と思ってやればいいんだ、わはは。

と。そのときなるほどなぁって得心。今、市場を含めて、大小左右の壁を感じなくなってきています(笑)。
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お忙しい中ありがとうございます (rfuruya)
2009-11-11 10:31:44
お忙しい中ありがとうございます。

今の時代、もう昔の発想ではダメですね。
どうあるべきか、自分で考えて結論を出すべきだと思っています。

世の中でただ一つあるやり方、そんなのが値打ちでしょう。
返信する
限定特別生産? (60おじさん!)
2009-11-11 12:19:44
何年か前に、九州にあるホンダ太陽と言う会社が60年代の二輪グランプリマシンを複製した記事を別冊サイクリストで見た。

それはホンダコレクションホールに動態保存している250cc6気筒マシンが世界中のクラシックショーで走らせている、その耐久性の問題でマグネシュームからアルミへと素材を変え複製を1から作ったのである、これならドンドン走らせても耐久力があるわけです。

なんとこのホンダ太陽は障害者で構成された方が働く政府支援の会社だそうです、おもにキースイッチ等電装品の製造が主流です。

何が言いたいか、やろうと思えばなんでも出来るということです。
返信する
Unknown (rfuruya)
2009-11-11 13:01:55
確かに。
やろうと思えば何でも出来そうでね。
『まだ、まだ夢を』でお互い行きましょう。
返信する
初めまして ()
2009-12-25 03:36:42
東京在住で三十代の者です。
初めてブログを拝見させて頂いたのですが、私も同じ様な考えを持っておりましたので、コメントさせて頂きました。

カワサキに限らず、メーカーの在り方として、熱狂的なユーザーの要求とは大きくかけ離れた現状、これが続けば今後、娯楽や趣味の要素を含まない、単に移動手段の一つに過ぎない、つまらない、楽しめないモノを供給するメーカーとなり、いずれは二輪車の事業から撤退…等々と、良からぬ心配をしてしまいます。

18歳の頃から所有している500SSですが、ネットが普及する一昔前から、欠品パーツであれば、未使用のエグリタンクで十数万、スピード&タコメーターで十万…等々、一般人では副業でもしない限り、とても手が出せない金額で取引されており、現在に至っても値崩れはせず、寧ろ、ネットオークションの普及で、更なる高値で取引されている様な物ばかりです。

単に、メーカーでの再販を望む、という訳では無いのです。

ウン十年前の製品に需要が有るという事実、現在のラインナップに比べ、性能面でも遥かに劣る車両に執着し、不動車でも当時の価格を遥かに上回り、欠品とはいえ、個々の部品に至るまで、破格で取引が行われている等々、
これを踏まえた上で、単に目ぼしい部品を再販して終わり、というのではなく、その車両に満足しているユーザー達から次に望む車両、乗り換えたい車両では無く、更に所有したいと思う車両、ここに耳を傾け、新車のラインナップとするべきではないかと思います。

熱狂的なユーザー、俗にいうマニアは、買い替え、乗り換え、乗り潰しは滅多にしないと思います。
壊れても直す、直しては壊す、磨いても磨き足りないユーザーの存在は、メーカー冥利に尽きると思います。

車両の性能を維持する為のサポート、一生モノのコレクションとして、新たに加えたくなる、所有したくなる新製品の提供、この二つを重点的に取り組まない限り、メーカーが生き残る術は皆無だと思います。

極端ですが、ロレックスのコレクターで、壊れた物を直せずに困っているという方は、未だ見た事も聞いた事もありません。


無知蒙昧な若輩者の戯れ言やも知れませんが、カワサキファンの一人として、不安を払拭しきれないのは事実です。

長々と失礼しました。
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有難うございます (rfuruya)
2009-12-25 16:21:53
今は事業をどうこうする立場にいませんので、例え思ってもどうにもなりませんが、末端のユーザー心理はメーカーは知った上での対策を考えるべきと思います。発想の柔軟性こそ必要です。
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