三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

【平成30年度ZEHの経産、国交、環境各省役割分担】

2017年11月04日 08時37分53秒 | Weblog
ZEH施策は、国の省庁では経産省、国交省、環境省の3省が連携している。
住宅政策としては、国の大きな取り組みの方向性といえるでしょう。
衆議院選挙の結果を受けて政治の側の枠組みが見えてきて
補正予算や来年度の「概算要求」策定が進んでいる様子が伝わってきています。
そのなかで枠組みの特徴として3省の「役割分担」が示されていました。
以下のような内容とのこと。
●経産省〜将来のさらなる普及に向けて供給を促進すべきZEH
  より高性能なZEH、建て売り住宅・集合住宅
●環境省〜引き続き供給を促進すべきZEH
  注文住宅、集合住宅〔低層)
●国交省〜中小工務店が連携して建築するZEH
  ZEH施工経験が乏しい事業者に対する優遇
●国交省〜さらに省CO2化を進めた先導的な低炭素住宅
  ライフカーボンマイナス(LCCM)住宅
というように大きな枠組みが提示されていました。
これらの申請手続きの共通化として、省エネ性能表示(BELS)の活用、
関連情報の一元的提供などが、謳われています。

こういった表現を見ると、
これまでのZEH施策は環境省が受け持つことになって、
経産省と国交省は、より開拓的な分野に傾注していくというように
読み取ることができるのではないかと思います。
従来は「縦割り」行政とか言われましたが、
ZEHについては、役割り分担・連携での政策推進が目指されている。
興味を持つのは、国交省が「ZEH施工経験が乏しい事業者に対する優遇」を
打ち出していることです。
周囲を見渡してみて、ZEHには企業間の温度差が非常に大きい。
積極的な事業者がいる一方で、引いた対応の企業も多い。
その状況が「固定化」されてきている実態がある。
そういった非対応の企業群に対して、どういった施策が打ち出されていくのか、
見ていきたいと思います。
まぁ基本的にはいろいろな「誘導策」として、
補助金などが用意されることでしょうが、引いている企業群の真意を
よくみて、その実態に即した施策が打ち出されることを期待したいところです。
一般的な誘導施策では解決しにくい要因が、この対応にはあると思います。
アメとムチではなく、もうちょっと違った行政的アプローチがあるのではないか。
ここ数年のZEH施策を見ていて強く感じている次第。
むしろ「ZEH施策に関しての疑問ポイントの整理整頓」を
行政の側でどのように「吸い上げていくか」という方向性もありではないか、
そんな考え方を抱いているところ。どうなっていくか、注目ですね。

<グラフはZEHビルダー登録数推移>
コメント
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