ヒロイン沙織(柴咲コウ)が幼い頃 父親は家を出る
病気の母を亡くした後の24歳の沙織には 母の治療費の借金がある
塗装会社の事務員をしている沙織の前に 父親の愛人 春彦がやって来る
”ゲイ・バー 卑弥呼 ”を経営していた父ヒミコは引退して ゲイの人たちが老後を住める
ホームを作ったが 沙織の父親ヒミコは末期癌で 会ってやってほしいと晴彦が頼む
「日曜日のホームの手伝いに 破格の日当を支払う ヒミコの遺産のこともあるし」と言われて
やって来たホーム ” メゾン・ド・ヒミコ ”では 個性的で朗らかなゲイの男たちが迎えてくれた
沙織の父親ヒミコ(田中 泯)の静かで 父性に満ちた厚い 圧倒的存在感
ベッドで目をつむり横たわっている様子にも 死期の近い人がそうであるかのような存在感がある
映画 ”たそがれ清兵衛”の中で 清兵衛が斬り合わなければならない剣の達人役が
前衛舞踏家のこの田中 泯 暗い狭い家屋の中で 清兵衛と話す場面 殺陣の場面
死を賭けた鬼気迫る立ち居 身ごなしに 強烈な凄みのオーラを感じたものです
春彦(オダギリ ジョー)がきれいだった ほっそり 清潔な雰囲気 穏やかな話し方
白いシャツ 細い腰にピッタリのチノパンツ 長めの前髪の中から覗く静かな視線
ホームの運営資金を援助してくれそうな老人に誘われて クルマに同乗して行く春彦
あわてず さわがず さらっと行くところが なんだか おかしかった
春彦が本当に愛しているのはヒミコであり ヒミコが作ったこのホームなのだろうけど
「日ごとに死へ向かっていくヒミコを見てると 愛とか なんだと思ってしまう 」
「欲望がほしくなる ただ強く激しい欲望に身を任せたくなる 」と 春彦が言う
いま在る自分の環境 社会の位置 いろんなことを忘れて 人の形を失くして 溶けたい
そういう意味でなら 春彦の気持ちをわかるような気がする
ルビィが脳溢血を患い ホームでは面倒を看れなくなり 父親がゲイであることを伝えぬまま
その息子夫婦へ ルビィを渡してしまう
普通の気のいい若い息子夫婦は 父親の体がゲイの手術をしている事実を知ったら どう思うのだろう
沙織は 母と自分を捨ててゲイとして生きた父親を憎んでいる
沙織にナイショで たまに父親の店 卑弥呼へ 母はオシャレして遊びに来ていたとヒミコが話す
母は ゲイのヒミコを受け入れていたのだと思う
熱くなって父親をなじる沙織に 死の床のヒミコは 「 あなたが好きよ 」と言う
このヒミコの言葉のうしろに どんなにたくさんの思いがあるだろうと 心がしんとしてしまう
惹かれはじめた春彦と沙織がキス以上に進めない哀しさ
会社の専務と沙織の関係に 「 専務が羨ましかったなぁ 」と話す春彦に 沙織はボロボロ泣く
越えられない人のサガ その人がその人であるためのサガ
世の中は 「知らない 」ということからくる偏見が多いと思う
人の外見や嗜好から その人を評価判断するのは 自分自身にとっても とても惜しいことだ
人は もっと もっと 豊かで広く深い存在だと思う
メゾン・ド・ヒミコに暮らす人たちは 温かい
ときには わたしもあのテラスに一緒に座って 海を眺めてみたいなぁと思う
素敵なところもそうでないところも 人を丸ごと受け入れる 呟くのは容易いけれど
忘れられない映画になったなぁと思う
病気の母を亡くした後の24歳の沙織には 母の治療費の借金がある
塗装会社の事務員をしている沙織の前に 父親の愛人 春彦がやって来る
”ゲイ・バー 卑弥呼 ”を経営していた父ヒミコは引退して ゲイの人たちが老後を住める
ホームを作ったが 沙織の父親ヒミコは末期癌で 会ってやってほしいと晴彦が頼む
「日曜日のホームの手伝いに 破格の日当を支払う ヒミコの遺産のこともあるし」と言われて
やって来たホーム ” メゾン・ド・ヒミコ ”では 個性的で朗らかなゲイの男たちが迎えてくれた
沙織の父親ヒミコ(田中 泯)の静かで 父性に満ちた厚い 圧倒的存在感
ベッドで目をつむり横たわっている様子にも 死期の近い人がそうであるかのような存在感がある
映画 ”たそがれ清兵衛”の中で 清兵衛が斬り合わなければならない剣の達人役が
前衛舞踏家のこの田中 泯 暗い狭い家屋の中で 清兵衛と話す場面 殺陣の場面
死を賭けた鬼気迫る立ち居 身ごなしに 強烈な凄みのオーラを感じたものです
春彦(オダギリ ジョー)がきれいだった ほっそり 清潔な雰囲気 穏やかな話し方
白いシャツ 細い腰にピッタリのチノパンツ 長めの前髪の中から覗く静かな視線
ホームの運営資金を援助してくれそうな老人に誘われて クルマに同乗して行く春彦
あわてず さわがず さらっと行くところが なんだか おかしかった
春彦が本当に愛しているのはヒミコであり ヒミコが作ったこのホームなのだろうけど
「日ごとに死へ向かっていくヒミコを見てると 愛とか なんだと思ってしまう 」
「欲望がほしくなる ただ強く激しい欲望に身を任せたくなる 」と 春彦が言う
いま在る自分の環境 社会の位置 いろんなことを忘れて 人の形を失くして 溶けたい
そういう意味でなら 春彦の気持ちをわかるような気がする
ルビィが脳溢血を患い ホームでは面倒を看れなくなり 父親がゲイであることを伝えぬまま
その息子夫婦へ ルビィを渡してしまう
普通の気のいい若い息子夫婦は 父親の体がゲイの手術をしている事実を知ったら どう思うのだろう
沙織は 母と自分を捨ててゲイとして生きた父親を憎んでいる
沙織にナイショで たまに父親の店 卑弥呼へ 母はオシャレして遊びに来ていたとヒミコが話す
母は ゲイのヒミコを受け入れていたのだと思う
熱くなって父親をなじる沙織に 死の床のヒミコは 「 あなたが好きよ 」と言う
このヒミコの言葉のうしろに どんなにたくさんの思いがあるだろうと 心がしんとしてしまう
惹かれはじめた春彦と沙織がキス以上に進めない哀しさ
会社の専務と沙織の関係に 「 専務が羨ましかったなぁ 」と話す春彦に 沙織はボロボロ泣く
越えられない人のサガ その人がその人であるためのサガ
世の中は 「知らない 」ということからくる偏見が多いと思う
人の外見や嗜好から その人を評価判断するのは 自分自身にとっても とても惜しいことだ
人は もっと もっと 豊かで広く深い存在だと思う
メゾン・ド・ヒミコに暮らす人たちは 温かい
ときには わたしもあのテラスに一緒に座って 海を眺めてみたいなぁと思う
素敵なところもそうでないところも 人を丸ごと受け入れる 呟くのは容易いけれど
忘れられない映画になったなぁと思う