中間玲子のブログ

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自己開示

2010-06-19 20:03:11 | 心理学こぼれ話
この数日間、自分の思考を曝露しておりました。

これを書く事によって皆さんの私に対する印象は
色々と変わったかも知れませんが、
そんなことは気にせず、自分を曝け出してみました。

このような行為は、心理学では「自己開示(self-disclosure)」と呼ばれます。
大雑把には、自分に関する情報を開示する事を言います。
特に、内面性の程度が高い情報に関する自己開示について、
心理学では研究が重ねられてきました。
内面性の程度が高い情報は、可視性が低く、
また、望ましくない側面が含まれる事もあるため、
自己開示に対する抵抗も生じるだろうと考えられるからです。

私の場合は、ブログで一方的に書いているだけですが、
実際の二者関係においては、
自己開示をお互いにし合うという行為が
相手と親密になっていく過程において
重要な役割を果たすことが指摘されています。

開示者(話し手)にとっては、自己開示そのものが
自分の感情を整理したり考えを明確にしたりする役割を果たしますし、
聞き手からのフィードバックによって自分の感情や考えを
さらに整理していくことができます。
受け手にとっても、相手から信頼を得ていると推測できます。

ですが、そのような肯定的な結果を期待できる反面、
否定的な結果、たとえば、
受け入れられなかったらどうしようとか、
否定的な側面を開示することによって関係が壊れたらどうしようとか、
あるいは相手の考えに呑み込まれてしまったらどうしようとか、
そのような不安も生じさせるところがあります。

なので、一番聞いてもらいたい悩みの自己開示においては、
一種のジレンマが構成されるのです。

ですので、自己開示については、
どのような受け手が、相手の自己開示を引き出すのか、といった観点から
さまざまな考察や研究がなされてきました。

ですが同時に、自己開示が成り立つためには、
そもそもの開示者の特性や行動も検討課題となります。
相手に伝えようと思うか、言語化できるか、適切に伝えられるかなど。

それら双方の要因が重なり合って、
実際の自己開示場面が展開されるわけです。
色々な条件が整ってはじめて、自己開示過程はスムーズに進んでいく。

結構すごいことではないでしょうか。

だからこそ、自己開示、相互の自己開示などは、
お互いの関係性をより発展させていく上で重要な役割を果たすのでしょう。

*参考文献
 中村陽吉編『「自己過程」の社会心理学』東京大学出版会, 1990年

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